ヨーロッパ史 エゴン・シーレと早すぎた才能
オーストリアのトゥルン・アン・デア・ドナウで生まれたエゴン・シーレは、人間の内面や肉体を鋭い線と独自の色彩で描き出した表現主義の天才画家です。第一次世界大戦中の1918年にウィーンで猛威を振るったスペイン風邪により、わずか28歳という若さで夭折しました。そのため第二次世界大戦を直接経験することは歴史的にありませんでしたが、彼が残した強烈で退廃的とも評された作品群は、のちにナチス・ドイツによって「退廃芸術」として激しい弾圧と略奪のターゲットにされました。短い生涯でありながら、近代美術史に永遠に消えない深い足跡を残しました。