ヨーロッパ史 カイヨーの平和主義と波乱の政治劇
財政革新派の指導者であり元首相のジョゼフ・カイヨーは、1911年のアガディール危機を外交交渉で解決した経験から、対独開戦に懐疑的で早期平和交渉(妥協和平)を主張した。しかし、彼の平和主義的な立場は主戦派から「敗北主義」「売国行為」と激しく攻撃された。1917年に対独強硬派のクレマンソーが首相に就任すると、カイヨーは国家叛逆の疑いで逮捕・投獄され、戦時下の政治的粛清の象徴となった。戦後に名誉回復を果たし、1920年代に蔵相として復帰すると、戦後の崩壊したフランス財政の再建や対外債務の整理に尽力し、政治的復活を果たした。