アジア史 アジアを揺るがした波乱の征服者
ナーディル・シャーはアフシャール朝の創始者であり、「ペルシアのナポレオン」と称される軍事の天才である。サファヴィー朝が滅亡状態に陥った混乱期に台頭し、軍功を重ねてアフガーン勢力やオスマン帝国、ロシアを退けた。自らシャーに即位すると、圧倒的な軍事力を率いて軍事遠征を繰り返し、1739年にはムガル帝国の首都デリーへ侵攻して莫大な財宝を持ち帰った。その勢力圏は中東から中央アジア、北インドにまで及んだが、晩年は猜疑心と苛烈な課税から各地で反乱を招き、部下によって暗殺された。その劇的な生涯は近世アジア史に大きな衝撃を与えた。