日本の小松菜収穫量は、全体で安定傾向にあるものの、地域ごとに増減が見られます。特に茨城県は生産量で全国トップ、前年比でも大きく伸びています。一方、都市圏では農地減少や担い手不足により減少傾向の県もあります。今後はICT活用や都市型栽培が鍵を握り、持続可能な生産体制の確立が急務です。
野菜収穫量のデータとグラフ
小松菜収穫量の最大と最新
全国 | 茨城 | 埼玉 | 福岡 | 東京 | 神奈川 | 群馬 | 千葉 | |
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最新 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 |
最大期 | 2020年 | 2023年 | 2011年 | 2020年 | 2002年 | 2004年 | 2015年 | 2007年 |
最新値[kt] | 120.9 | 28.5 | 13 | 11.4 | 8.06 | 6.7 | 6.43 | 5.36 |
最大値[kt] | 121.9 | 28.5 | 18.7 | 12 | 10.9 | 8.61 | 8.29 | 7.39 |
前年比[%] | 0.6661 | 13.55 | -5.109 | 3.636 | -3.589 | 1.515 | -4.03 | -0.3717 |
全体比[%] | 100 | 23.57 | 10.75 | 9.429 | 6.667 | 5.542 | 5.318 | 4.433 |
これまでの推移


詳細なデータとグラフ
小松菜についての推移と展望
小松菜は、アブラナ科に属する葉茎菜類で、日本全国で広く消費されている栄養価の高い野菜です。とくにビタミンC、カルシウム、鉄分が豊富で、健康志向の高まりとともに家庭や外食産業でも重宝されています。そのため、安定した生産と供給体制が求められています。
全国的な収穫量の動向(2002年〜2023年)
2002年から2023年までの小松菜の収穫量は、全体としてやや増加傾向にあるものの、年ごとの気象条件や農業従事者の高齢化、農地減少といった要因により、安定性には欠ける状況が見られます。2023年の葉茎菜類全体の収穫量は120.9ktであり、そのうち小松菜が大きな割合を占めています。前年比は+0.6661%とわずかな増加にとどまり、今後の持続的な増産には課題が残っています。
県別の特徴と動向
茨城県:全国トップの生産地
2023年の収穫量は28.5ktで全国比23.57%を占め、前年比13.55%増という大幅な伸びを見せています。首都圏への供給拠点としても重要で、施設栽培や品種改良など積極的な取り組みが功を奏しています。
埼玉県:供給力はあるが減少傾向
収穫量は13kt、全国比10.75%。前年比は-5.109%と減少しており、都市化や担い手不足が影響していると考えられます。
福岡県:九州を代表する産地
11.4kt、全国比9.429%、前年比+3.636%。比較的安定した気候と広い農地により、生産は堅調に推移しています。
東京都:都市型農業の一例
8.06kt、全国比6.667%、前年比-3.589%。限られた農地の中で効率的に生産が行われており、都市近郊型の農業モデルとして注目されています。
神奈川県・群馬県・千葉県:首都圏支える安定供給地
いずれも全国比4〜6%台を占めており、東京近郊という地理的条件を活かして首都圏への出荷が多いです。前年比では神奈川+1.515%、群馬-4.03%、千葉-0.3717%と微増・微減に分かれますが、生産体制に一定の安定感があります。
問題点と今後の課題
主要な問題は、①農業従事者の高齢化と後継者不足、②都市化による農地減少、③気候変動の影響による収量の不安定化です。特に首都圏に近い生産地では地価の高騰や宅地化の進行が深刻です。また、自然災害の頻発も生産現場に影響を与えています。
今後の予測と展望
短期的には、茨城のような生産意欲の高い地域での増産が全体を下支えする可能性があります。中長期的には、ICT技術の導入や植物工場による都市型栽培の拡大が鍵になります。加えて、若年層の新規就農支援や、輸出向け品質基準の導入も新たな市場開拓の一助となるでしょう。
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