みかんの卸売価格は都市別に大きな差があり、金沢市や神戸市が高価格帯、九州地域は低価格帯で推移しています。最近は気候変動や物流コスト増で一部地域の価格が急騰する一方、需要減で低迷する地域もあり市場は不安定です。今後は技術革新や流通改善で価格安定化と付加価値向上が期待されます。
みかんの卸売り市場価格
みかんの高い順
金沢市 | 神戸市 | 仙台市 | 横浜市 | 名古屋市 | 東京都 | 京都市 | 大阪市 | 札幌市 | 北九州市 | |
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最新 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2025年3月 |
最大期 | 2025年4月 | 2023年4月 | 2024年5月 | 2024年5月 | 2024年5月 | 2024年5月 | 2024年5月 | 2024年5月 | 2019年4月 | 2016年4月 |
最新値[円/kg] | 2911 | 2077 | 1484 | 1473 | 1190 | 1117 | 1063 | 931 | 521 | 437.7 |
最大値[円/kg] | 2911 | 3150 | 2067 | 1881 | 1914 | 2105 | 1569 | 1895 | 2476 | 1925 |
前月比[%] | +535.1 | +425.8 | +131.6 | +162.7 | +93.18 | +103.8 | +173.6 | +120.4 | +4.061 | -0.4549 |
前年同月比[%] | +11.49 | +157.8 | -5.026 | +19.15 | -14.86 | -43.9 | +21.47 | +1.38 | -68.15 | +29.11 |
みかんの安い順
熊本市 | 松山市 | 佐世保市 | 福岡市 | 盛岡市 | 久留米市 | 三重県 | 長崎市 | 大分市 | 宮崎市 | |
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最新 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2016年12月 | 2025年4月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 |
最大期 | 2018年5月 | 2016年4月 | 2016年5月 | 2022年4月 | 2014年4月 | 2016年4月 | 2015年5月 | 2016年4月 | 2019年4月 | 2019年4月 |
最新値[円/kg] | 176 | 314 | 190 | 65 | 269 | 245 | 247 | 248 | 171 | 199 |
最大値[円/kg] | 1328 | 1980 | 978 | 2028 | 2657 | 2940 | 1779 | 3223 | 1802 | 2756 |
前月比[%] | +10 | +7.167 | +15.15 | -85.47 | -5.282 | +15.57 | +1.646 | +9.251 | +1.786 | +2.577 |
前年同月比[%] | -4.865 | +1.618 | +19.5 | -56.38 | +2.672 | +1.66 | +7.86 | +1.224 | -9.043 | -23.17 |
みかんの推移


その他のデータとグラフ
みかんの価格についての推移と展望
みかんの卸売価格は都市ごとに大きく異なり、2025年4月の最新データでは金沢市が2911円/kgで最も高く、神戸市(2077円/kg)、仙台市(1484円/kg)、横浜市(1473円/kg)と続きます。一方で、福岡市(65円/kg)、熊本市(176円/kg)、佐世保市(190円/kg)など九州地方の一部都市は極めて低い価格帯に位置しています。価格の地域差は約40倍以上にも達しており、これは流通事情、消費者の購買力、品質評価の違いが主な要因です。
前月比と前年比の変動傾向
前月比では、金沢市が+535.1%、神戸市が+425.8%と異常な高騰を見せており、特にこれら北陸・関西圏では季節的な収穫減や輸送コスト増加が価格上昇を押し上げています。対照的に、福岡市は-85.47%と大幅な下落を記録し、需要減退や品質問題、地域内供給過多の影響が懸念されます。前年同月比では、神戸市が+157.8%の大幅上昇、札幌市は-68.15%の大幅下落で、年々の価格変動も激しい状況です。
地域別の特色と背景
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北陸・関西圏(高価格帯)金沢市、神戸市、京都市は高価格を維持しやすい傾向で、これは高品質みかんの流通が多いことや、消費者の購買力が高い都市であるためと考えられます。また、季節変動による価格変動も大きく、市場の供給不足が価格を押し上げています。
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東北・関東圏(中価格帯)仙台市、横浜市、東京都は中程度の価格帯に安定しています。東北や関東の消費市場は大きく、物流の整備も進んでいるため、価格の急激な変動は比較的抑えられています。
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九州・南西諸島(低価格帯)福岡市、熊本市、佐世保市などは価格が低く、需給バランスの崩れや地場産の他果物との競合も影響しています。価格の低迷は農家の収益に直結し、地域農業の持続性に課題を投げかけています。
最近の問題点と市場の不安定性
近年は気象条件の悪化や輸送コストの高騰により、一部地域で価格が急騰する一方、需要減退により他地域で価格が低迷する「二極化」が顕著です。また、輸入果物や他果物との競合、消費者の嗜好変化も市場に影響を与えています。特に低価格帯の地域では農家の経営が厳しくなり、産地間の価格格差拡大は農業全体の持続可能性に影響を及ぼす恐れがあります。
今後の展望と価格推移の予想
今後は気候変動による収穫量の不安定化や輸送コストの変動が続くため、価格の変動幅は依然として大きいと予想されます。一方で、技術革新による収穫効率の改善や流通の効率化、産地ブランドの強化によって価格の安定化が期待されます。加えて、消費者の健康志向や高品質志向を取り入れた付加価値商品の開発が、価格の底上げにつながる可能性もあります。
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