英国は名目GDPで欧州第2位、世界第6位の経済大国で、ロンドンは世界的金融センターとして影響力を持ちます。EU離脱後も政治的・経済的独自性を維持しつつ、2021年には高成長を達成しましたが、コロナ禍やインフレ、高金利が経済に影響を及ぼしています。2024年4月、ポンド円相場が16年ぶりに200円台を記録し、流動性の高い英ポンドは、投資面で金利や為替差益の魅力があります。ただし、ロシアのウクライナ侵攻やEUとの関係が不透明で、地政学的リスクに注意が必要です。
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GBPJPY (1時間足)
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2025/1/1 10:00単位:
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単位:英ポンド円の歴史
英ポンド円(GBP/JPY)は、イギリスと日本の経済状況や金融政策、世界的な出来事によって大きく変動してきました。特に、金融危機や政治的な出来事が相場に大きな影響を与えています。1992年には「ポンド危機」が発生し、イギリスが欧州為替相場メカニズム(ERM)から撤退したことでポンドが急落。その後、1995年には日本の円高進行の影響もあり、1ポンド=140円台まで下落しました。
1990年代:ポンド危機と円高進行
変動: 1992年の1ポンド=250円台 → 1995年の140円台
要因:
- 1992年、「ポンド危機」が発生。イギリスが欧州為替相場メカニズム(ERM)から撤退し、ポンドは急落。
- 1995年には、日本のバブル崩壊後の影響と円高進行により140円台まで下落。
2000年代:ポンド高と2007年のピーク
変動: 2000年の1ポンド=160円台 → 2007年の250円超(史上最高値)
要因:
- 2000年代前半、イギリス経済は堅調で、金融市場の拡大もありポンドが上昇。
- 2007年7月、リーマン・ショック前の金融バブルで1ポンド=250円超(史上最高値)を記録。
2008年:リーマン・ショックによる急落
変動: 2007年の250円超 → 2009年1月に118円台(史上最安値)
要因:
- 2008年9月、リーマン・ショックが発生し、世界的な金融危機が拡大。
- 投資家のリスク回避が進み、安全資産として円が買われる流れに。
- 2009年1月には118円台(史上最安値)を記録し、わずか1年半で130円以上の急落。
2010年代:アベノミクスとポンドの回復
変動: 2012年の1ポンド=120円台 → 2015年の190円台
要因:
- 2012年、日本政府がアベノミクス(大規模金融緩和)を実施し、円安が進行。
- イギリス経済も回復し、ポンドは上昇。2015年には1ポンド=190円台まで回復。
2016年:ブレグジット(EU離脱)による急落
変動: 2016年6月の160円台 → 2016年10月に122円台(フラッシュクラッシュ)
要因:
- 2016年6月23日、英国の国民投票でEU離脱(ブレグジット)が決定。
- 投票結果が発表された直後にポンドは急落し、1日で約20円下落。
- 10月には「フラッシュクラッシュ(突発的な暴落)」が発生し、一時1ポンド=122円台まで急落。
2020年:コロナショックとその後の回復
変動: 2020年3月の124円台 → 2021年の157円台
要因:
- 2020年3月、新型コロナウイルスのパンデミックにより世界的な経済不安が広がる。
- リスク回避の円買いが進み、ポンド円は124円台まで急落。
- しかし、2021年には英国経済の回復とワクチン接種の進展により、1ポンド=157円台まで回復。
2022年~現在:金融政策の違いによる変動
変動: 2022年の168円台 → 2023年の180円超
要因:
- 2022年、イングランド銀行(BOE)がインフレ対策のため急速な利上げを実施。
- 一方、日本銀行は金融緩和政策を継続し、円安が進行。
- 2023年には一時1ポンド=180円超を記録。
まとめ
英ポンド円は、1990年代のポンド危機、2007年の史上最高値(250円超)、2008年のリーマン・ショックによる急落、2016年のブレグジットショックなど、世界的な経済イベントの影響を大きく受けてきました。近年では、日本と英国の金融政策の違いが相場を動かす要因となっています。今後も、英国経済の動向や日銀の政策変更が重要なカギとなるでしょう。
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