スワップポイント活用によるFXの長期投資、円建て取引が有利

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FXの長期投資では、スワップポイントが重要な収益源となります。特に現在、米ドル円などの買い注文では、年間で倍になる程度の収益が見込まれます。この状況では、ドル円のレートが年間で6円程度下がらなければプラス収益が期待でき、ドル安になればさらに大きな利益が得られます。現状、ドル高の進行がほとんど見られないか、最低水準であると予測した場合、円建てで米ドルやユーロ、英ポンドなどを取引することは非常に有利と考えられます。長期投資を検討する際には、これらの点を踏まえた戦略が鍵となります。

利益を出すためのポイント

① 高金利通貨を選ぶ

スワップポイントは、高金利通貨を買って低金利通貨を売ることで発生します。

そのため、 金利の高い通貨をロング(買い)するのが基本です。

現在の高金利通貨の例として、以下が挙げられます(2025年時点の最新情報は要確認)。

  • メキシコペソ(MXN)
  • 南アフリカランド(ZAR)
  • トルコリラ(TRY)
  • ブラジルレアル(BRL)

一方で、低金利通貨(円やスイスフランなど)と組み合わせることでスワップポイントを得やすくなります。


② 安定した経済基盤を持つ国の通貨を選ぶ

高金利通貨は金利が高い分、通貨の価値が下がるリスクがあります。

特に、トルコリラのように過去に大幅な下落を繰り返している通貨は注意が必要です。

そのため、比較的安定している国の高金利通貨を選ぶのがポイントです。


③ 低レバレッジで運用する

スワップポイント狙いの長期投資では、レバレッジを低めに抑えることが重要です。

なぜなら、急激な相場変動で強制ロスカットになるリスクがあるためです。

レバレッジ1~3倍程度に抑えれば、長期的な安定運用が可能になります。


④ 下落時に買い増しできる資金管理

長期投資では、為替レートが一時的に下落することは避けられません。

一括で投資せずに段階的に買い増す(ドルコスト平均法)

余裕資金を確保し、急落時に追加投資できるようにする

といった工夫が必要です。


⑤ 金利政策や経済指標を定期的にチェック

各国の金利政策が変更されると、スワップポイントも変動します。

例えば、中央銀行が利下げを行えばスワップポイントは減少します。

各国の政策金利の動向をチェックする

インフレ率・失業率などの経済指標を確認する

ことが大切です。


損をしないためのポイント

① 為替差損に注意する

スワップポイントが高い通貨でも、通貨価値が下がればトータルで損をすることがあります。

特に、高金利通貨は過去に大幅な下落を経験しているものが多いです。

たとえば、トルコリラは過去10年で90%以上下落しています。

スワップ狙いだけでなく、為替レートの動向も慎重に分析する

価格が大幅に下落しそうなときはポジションを減らす

といった対策が必要です。


② 流動性の低い通貨は避ける

一部の高金利通貨(例:トルコリラ、南アフリカランド)は、流動性が低く、急変動しやすいです。

また、流動性が低い通貨はスプレッド(売買の価格差)が広がりやすいため、取引コストが高くなる可能性があります。

流動性の高い通貨を選ぶ(メキシコペソなど)

スプレッドの狭いFX業者を選ぶ

ことが重要です。


③ 金利差が縮小するリスクに備える

スワップポイントは、2国間の金利差によって決まるため、以下のようなケースでは減少する可能性があります。

日本(低金利国)が利上げを行うスワップポイントが減る

高金利国が利下げを行うスワップポイントが減る

そのため、長期的に運用する場合は、

中央銀行の金融政策に注目する

スワップポイントの変動リスクを考慮し、適宜ポジションを調整する

といった対応が必要です。


④ 急激な円高に注意する

スワップポイントを得るために「円売り・外貨買い」のポジションを持つ場合、円高になると為替差損が発生します。

特に、金融危機や世界的不況時には円高が急激に進む傾向があります。

円高リスクを意識してポジションを管理する

強制ロスカットを防ぐために十分な証拠金を確保する

ことが重要です。


⑤ スワップポイントの改定に注意する

FX会社によっては、スワップポイントが日々変動することがあります。

また、スワップポイントの条件が急に変更されることもあるため、

信頼できるFX会社を選ぶ

定期的にスワップポイントの動向をチェックする

ことが必要です。

項目 利益を出すためのポイント 損をしないためのポイント
通貨選び 高金利かつ経済が安定した通貨を選ぶ 流動性が低い通貨は避ける
リスク管理 低レバレッジで運用する 為替差損を意識する
投資戦略 分散投資やドルコスト平均法を活用する 金利差の縮小リスクに備える
市場チェック 金利政策や経済指標を確認する 円高リスクやスワップ改定に注意する

スワップポイントを活用した長期投資は、適切な通貨選びとリスク管理を行うことで安定した利益を得られる可能性があります。

一方で、通貨価値の下落リスクや市場環境の変化には十分注意し、柔軟に対応することが重要です。

長期的な視点で、堅実な運用を心がけましょう!

スワップポイントの重要性

FX取引では為替差益だけでなく、通貨間の金利差によるスワップポイントも重要な収益源となります。特に、利上げが進む海外と低金利の日本の金利差が拡大している状況では、スワップポイントを目的に取引を行う人が増えています。この「スワップ金利生活」とは、スワップポイントの利益で生活費の一部をまかなうことを指します。例えば、円で米ドルなどの高金利通貨を購入すると、そのポジションを保有している間、毎日スワップポイントが付与されます。一方で、低金利通貨を購入した場合は逆に支払いが発生します。しかし、スワップポイントのメリットだけに注目するのは危険です。ロスカットにより大きな損失を被る可能性もあるため、注意点を理解したうえで資金管理を徹底する必要があります。

スワップポイントは金利差による収益です。各通貨の銀行の金利動向を知ることである程度予想することができます。銀行の金利に最も関係するのが中央銀行の政策金利です。長期投資をするためには各国の政策金利の動向を知ることが非常に重要になります。

政策金利とは?

政策金利とは、中央銀行が景気や物価の安定を図るために設定する短期金利のことで、金融機関の預金金利や貸出金利に影響を与えます。日本銀行が設定する政策金利は、経済の状況に応じて引き上げたり引き下げたりされ、景気を調整する役割を果たします。例えば、景気が過熱して物価が上昇するインフレ状態では、政策金利を引き上げて経済の過熱を抑制します。一方、景気が悪化して物価が下落するデフレ傾向にある場合、金利を引き下げて消費や投資を促進し、経済を刺激します。

また、政策金利は中央銀行が商業銀行に貸し出す金利のことを指し、商業銀行はこの金利に基づいて個人や企業に貸し出す金利を設定します。景気が悪いときには金利を低くすることで個人消費や設備投資を活発にし、経済を回復させます。反対に、景気が良すぎる場合には金利を引き上げて過度な経済成長を抑制します。

日本では、2016年2月に導入されたマイナス金利政策により、金利が非常に低い状態が続いています。この政策により、銀行は中央銀行に預けた資金に対して手数料を支払うことになり、これが個人や企業への融資を促すことを狙いとしています。

政策金利の変更は、投資信託や株式市場などにも影響を与えることがあるため、投資家は常に情報収集を行い、金利動向を注視することが重要です。

世界の政策金利と銀行の金利

日本の銀行金利は低く、海外銀行では「数千倍」の金利差があることもあります。以下に政策金利と比較し、海外銀行の金利情報をまとめています。海外銀行の普通預金と定期預金(1年)の金利を、日本の銀行と比較し、投資の参考になると思います。参考にしたのは世界の政策金利の例と海外銀行の金利ランキングです。
中央銀行 政策金利 代表的な銀行 普通預金金利 定期預金金利
日本 日本銀行 0.25% 三菱UFJ銀行 0.02% 0.025%
アメリカ FRB (連邦準備制度理事会) 4.50% バンク・オブ・アメリカ 0.03% 3.51%
ユーロ ECB (欧州中央銀行) 3.15% クレディ・アグリコル銀行 0.05% 2.3%
イギリス BOE (Bank of England) 4.75% HSBC 0.01% 0.25%
オーストラリア RBA (オーストラリア準備銀行) 4.35% ナショナル・オーストラリア銀行 0.05% 4.4%
中国 中国人民銀行 3.10% KEBハナ銀行 0.1% 0.45%

 

スワップポイントを理解しよう

スワップポイントを理解しよう

ロールオーバー

ロールオーバーとは、未決済のポジションを翌営業日まで持ち越すことを指し、これによりポジションを継続的に保有できるようになります。外国為替証拠金取引(FX取引)では、反対売買による決済を行うまで、ロールオーバーが繰り返されます。通常、外国為替市場では取引から2営業日後に外貨の受け渡しが行われる(スポット取引)ため、個人投資家がFX取引を行う際も同様の取引ルールが適用されます。

しかし、一般の投資家は外貨の現物受け渡しを行うことはなく、FX会社は自動的にロールオーバーを実行します。これにより、ポジションを決済し、新たにポジションを建てることで受け渡し日を繰り延べ、投資家は受け渡し期限を気にすることなく、ポジションを継続して保有できます。この自動的なロールオーバーによって、スワップポイントが発生します。スワップポイントは、保有するポジションに基づく金利差から生じ、FX取引における重要な収益源となります。

おすすめの通貨ペア

スワップポイントを狙って資産を増やす場合、取引会社によって得られる利益の量は異なります。具体的な増加額は未来のことなので予測できませんが、過去数週間分のデータを参考にすることで、ある程度の予想は可能です。通貨ペアの選択も重要で、変動が激しい通貨ペアを選ぶと、追証やロスカットのリスクが高まります。現在、英ポンド円のスワップポイントが最も高いことが多いですが、米ドル円やユーロ円でも同程度の利益を得ることができます。以下に、1万通貨当りの米ドル円の買い注文の場合のスワップポイントの例を表示します。
最小通貨単位(米ドル / 円) 通貨ペア 反映時間 最近の例 スワップポイント
GMOクリック証券 1,000通貨単位 26ペア 日本時間:午前7:00/米国標準時(夏時間時:午前6:00 209円 カレンダー
SBI FXトレード 10,000通貨単位 34ペア 各営業日の取引終了時点(夏時間:5時30分、冬時間:6時30分) 183円 カレンダー
DMM FX 10,000通貨(全通貨ペア) 21ペア 夏時間が06時00分、冬時間が07時00分 191円 カレンダー

政策金利の動向

中央銀行と政策金利
中央銀行の重要な役割のひとつは、政策金利を操作して景気変動を調整することです。景気を刺激するために実施される金融政策は「金融緩和」と呼ばれ、景気の過熱を抑えるためには「金融引締め」が行われます。特に金融引締めの一環として行われる政策金利の引き上げは、企業の借り入れや個人の消費を抑制し、インフレの進行を防ぐことを目的としています。

インフレとデフレ

インフレインフレーション)とは、市場経済において物価や価格水準が全体的に上昇する現象で、簡単に言うとお金の相対的価値が低下し、物の価値が上昇する状態を指します。例えば、景気が良くなると賃金が上昇し、消費が活発化することで商品への需要が供給を上回り、物価が上昇します。インフレが過度に進行すると、物価が持続的に上昇し、自国通貨の価値が下がる傾向が強くなります。このため、中央銀行は金利を引き上げて投資や消費を抑制することが一般的です。

一方、デフレデフレーション)はインフレとは逆に、お金の相対的な価値が上昇し、物価が下がる現象です。例えば、景気の悪化や不況により消費が低迷し、需要が供給を下回ると、企業は価格を引き下げざるを得なくなります。これにより、収益の悪化と賃金の低下が生じ、消費がさらに抑制されるという悪循環に陥ります。デフレを脱却するためには内需の拡大が求められ、消費を促すために利下げが行われるのが一般的です。

利上げによる影響

中央銀行が政策金利を引き上げると、企業や個人の借り入れに伴う利息が増加し、資金調達コストが上昇します。この金融引締めの影響で借り入れや支出が控えられ、消費よりも貯蓄のメリットが高まることで、市場への通貨供給が減少します。その結果、企業の業績が低迷し、賃金が下がることで消費も減退し、物価の高騰が抑制されるという仕組みです。ただし、利上げが必ずしもインフレを抑えるわけではなく、状況により効果は異なります。

また、利上げによる資金調達コストの増加により、企業は新規借り入れや設備投資を控える傾向にあります。これが事業の成長や収益性向上を阻み、経済全体の活性化が難しくなります。そのため、投資家がリスクを懸念して株式を売却し、株価が下落することも一般的です。中央銀行の利上げは、主に景気の過熱を抑制し物価を安定させる目的で行われます。

物価は需要と供給の相互作用で決まり、需要より供給が多い場合、価値は下がります。利上げによって消費が抑えられると需要が鈍化し、供給過剰となるため、物価の下落につながります。このように、利上げは景気抑制と物価安定の手段として重要な役割を果たしますが、その影響は複雑で一概に結果を予測できない場合もあります。

日銀の利上げの可能性

2024年7月の金融政策決定会合では、経済や物価の見通しに応じて政策金利の引き上げや金融緩和の調整を続ける方針が示されました。一方、2024年8月7日に行われた講演で、日銀の内田副総裁は金融市場が不安定な状況では利上げを行わないと述べ、慎重な姿勢を強調しました。

しかし、8月8日に公表された7月会合での主な意見の中には、利上げを支持する声もありました。具体的には、現状の物価環境を踏まえて小幅な利上げを検討すべきとの意見や、2025年度後半の「物価安定の目標」達成に向け、中立金利である最低1%程度まで政策金利を引き上げるべきとの意見が挙がっています。これにより、さらなる利上げの可能性が示唆されています。

ただし、最終的な決定は経済や物価の動向、金融市場の安定性など、複数の要因に依存するため、不確実性が残っています。現時点では、金融政策の方向性が慎重に調整される状況が続くとみられます。

 

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