日本のネギ収穫量は2023年に416.3ktで、前年比-5.921%の減少となりました。茨城県、埼玉県、千葉県が主要産地であり、地域特性を活かした生産が行われています。一方で、労働力不足や気候変動、輸入品との競合などの課題も存在します。今後は、技術革新や品種改良、新規就農者の支援を通じて、安定した生産と供給体制の構築が期待されます。
野菜収穫量のデータとグラフ
ネギ収穫量の最大と最新
全国 | 茨城 | 埼玉 | 千葉 | 大分 | 北海道 | 群馬 | 長野 | |
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最新 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 |
最大期 | 1986年 | 2022年 | 1975年 | 1987年 | 2023年 | 1995年 | 1981年 | 2022年 |
最新値[kt] | 416.3 | 52.9 | 48.5 | 48.3 | 21.8 | 20 | 18.4 | 15.5 |
最大値[kt] | 573 | 54.3 | 81.1 | 88.5 | 21.8 | 37.2 | 30.9 | 17 |
前年比[%] | -5.921 | -2.578 | -5.458 | -10.22 | 20.44 | 2.041 | 1.099 | -8.824 |
全体比[%] | 100 | 12.71 | 11.65 | 11.6 | 5.237 | 4.804 | 4.42 | 3.723 |
これまでの推移


詳細なデータとグラフ
ネギについての推移と展望
ネギ(葱)は、古くから日本の食文化に根付いた野菜であり、薬味や料理の主材料として広く利用されています。その栄養価の高さや風味の良さから、家庭料理から業務用まで幅広い需要があります。japancrops.com
全国的な収穫量の推移(1973〜2023年)
1973年から2023年にかけて、日本のネギの収穫量は概ね安定しています。2023年の全国収穫量は416.3ktで、前年比では-5.921%の減少となりました。この減少は、気象条件や生産者の高齢化、作付面積の縮小などが影響していると考えられます。
都道府県別の特徴と動向
茨城県:国内最大の生産地
2023年の収穫量は52.9ktで、全国の12.71%を占めています。茨城県では、夏ネギの生産が盛んであり、機械化の導入や品種改良により高い生産性を維持しています。
埼玉県・千葉県:関東地方の主要産地
埼玉県は48.5kt(11.65%)、千葉県は48.3kt(11.6%)の収穫量を記録しています。両県ともに秋冬ネギの生産が中心で、都市近郊の需要に応える形で安定した供給体制を築いています。
大分県・北海道:地域特性を活かした生産
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大分県:収穫量21.8kt(5.237%)で、前年比20.44%の増加を示しています。温暖な気候を活かし、通年での出荷体制を整えています。
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北海道:収穫量20kt(4.804%)で、冷涼な気候を活かした夏ネギの生産が特徴です。
群馬県・長野県:高品質ネギの産地
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群馬県:収穫量18.4kt(4.42%)で、前年比1.099%の増加を記録しています。
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長野県:収穫量15.5kt(3.723%)で、冷涼な気候を活かした高品質なネギの生産が行われています。
ネギ栽培を取り巻く課題
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労働力不足:高齢化や後継者不足により、作業負担の大きい収穫作業の担い手確保が困難になっています。
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気候変動の影響:異常気象や気温変動により、生育不良や収量減少が発生しています。
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価格変動:市場価格の変動が激しく、安定した収益確保が難しい状況です。
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輸入品との競合:中国産などの輸入ネギが市場に多く出回っており、価格競争が激化しています。
今後の展望と推移の予測
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技術革新の導入:スマート農業の推進や収穫作業の機械化により、省力化と収量の安定化が期待されます。
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品種改良:耐病性や耐寒性に優れた品種の開発が進められています。
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地域連携の強化:産地間の情報共有や協力体制の構築により、安定供給体制の確立が求められます。
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新規就農者の支援:研修制度や設備導入支援を通じて、若手農業者の育成と定着が図られています。
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