日本のごぼう収穫量は、1973年の約162,000トンから2023年には約119,000トンへと約26.5%減少。青森県が最大の産地で、全国の約41.7%を占める。高齢化や気候変動が生産に影響を与える一方、機械化や健康志向の高まりにより、今後の需要拡大と生産効率の向上が期待される。
野菜収穫量のデータとグラフ
ごぼう収穫量の最大と最新
全国 | 青森 | 茨城 | 北海道 | 宮崎 | 鹿児島 | 群馬 | 千葉 | |
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最新 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 |
最大期 | 1989年 | 2012年 | 1975年 | 1994年 | 1992年 | 1990年 | 1988年 | 1981年 |
最新値[kt] | 119 | 49.6 | 11.2 | 10 | 8.48 | 6.55 | 6.39 | 5.86 |
最大値[kt] | 274.3 | 55.9 | 65 | 29.7 | 17.1 | 10.8 | 17.3 | 59.5 |
前年比[%] | 1.971 | 16.43 | -16.42 | -3.846 | -2.417 | -6.026 | -8.845 | -3.46 |
全体比[%] | 100 | 41.68 | 9.412 | 8.403 | 7.126 | 5.504 | 5.37 | 4.924 |
これまでの推移


詳細なデータとグラフ
ごぼうについての推移と展望
ごぼうは日本の伝統的な根菜であり、食物繊維やミネラルが豊富で健康志向の高まりとともに注目されています。本稿では、1973年から2023年までの収穫量の推移、主要産地の特徴、直面する課題、そして今後の展望について解説します。
長期的な収穫量の推移と全国平均
1973年には全国で約162,000トンの収穫量を記録しましたが、2023年には約119,000トンと、約26.5%の減少が見られます。作付面積も同様に減少しており、農業の構造変化や市場需要の変化が影響していると考えられます 。
主要産地の最新状況と比較分析
■ 青森県(49.6kt)
全国の収穫量の約41.7%を占める最大の産地です。作付面積も2,320haと全国の33.7%を占めています。10a当たり収量は2,140kgで、全国平均の1,730kgを大きく上回っています 。
■ 茨城県(11.2kt)
収穫量は全国の9.4%を占め、作付面積は787haで全国の11.4%です。10a当たり収量は1,420kgと全国平均を下回っています 。
■ 北海道(10.0kt)
収穫量は全国の8.4%を占め、作付面積は462haで全国の6.7%です。10a当たり収量は2,170kgと全国平均を上回っています 。
■ 宮崎県(8.48kt)
収穫量は全国の7.1%を占め、作付面積は490haで全国の7.1%です。10a当たり収量は1,730kgと全国平均と同等です 。
■ 鹿児島県(6.55kt)
収穫量は全国の5.5%を占め、作付面積は560haで全国の8.1%です。10a当たり収量は1,170kgと全国平均を下回っています 。
■ 群馬県(6.39kt)
収穫量は全国の5.4%を占め、作付面積は338haで全国の4.9%です。10a当たり収量は1,890kgと全国平均を上回っています 。
■ 千葉県(5.86kt)
収穫量は全国の4.9%を占め、作付面積は329haで全国の4.8%です。10a当たり収量は1,780kgと全国平均を上回っています 。
収穫量減少の背景と課題
ごぼうの収穫量減少の背景には以下の要因が挙げられます:
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高齢化と労働力不足:農家の高齢化により、労働集約的なごぼうの栽培が困難になっています 。
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気候変動の影響:異常気象や長雨による土壌湿潤が、腐敗や奇形の発生を引き起こしています 。
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市場需要の変化:食生活の多様化により、ごぼうの消費量が減少しています。
今後の推移と展望
● 生産面
機械化や省力化技術の導入により、労働力不足の解消が期待されます。特に、収穫作業の機械化が進めば、生産効率の向上が見込まれます 。
● 消費面
健康志向の高まりにより、ごぼうの栄養価が再評価されています。サラダ用の品種開発や加工食品への展開が進めば、需要の拡大が期待されます 。
おわりに
ごぼうは日本の食文化に深く根ざした野菜であり、その生産と消費の持続可能性を確保するためには、技術革新や市場の多様化が求められます。今後も、地域特性を活かした生産体制の構築と、消費者ニーズに応じた商品開発が重要となるでしょう。
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