学童保育料は都市部で高額、地方では比較的安価な傾向にあります。横浜市や大阪市などの大都市では、施設運営費やスタッフ人件費の増加に伴い料金が上昇しています。一方、仙台市や青森市では、自治体からの補助金により低料金が維持されています。今後、地域ごとの料金格差解消や、行政支援の充実が課題となります。
学校会費の教育費
学童保育料の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 横浜 | 大阪 | 富山 | 札幌 | 長崎 | 盛岡 | 大津 | 福島 | 秋田 | 山形 |
最新値[万円] | 0.898 | 2.375 | 2.2 | 2.125 | 1.5 | 1.45 | 1.4 | 1.275 | 1.225 | 1.2 | 1.2 |
平均比[%] | 100 | 264.5 | 245 | 236.6 | 167 | 161.5 | 155.9 | 142 | 136.4 | 133.6 | 133.6 |
前年月同比[%] | 0.261 | 0 | 22.22 | -19.81 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
学童保育料の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 仙台 | 青森 | 宮崎 | 長野 | 山口 | 福岡 | 和歌山 | 岐阜 | 広島 | 甲府 |
最新値[万円] | 0.898 | 0.3 | 0.32 | 0.35 | 0.38 | 0.455 | 0.455 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.5 |
平均比[%] | 100 | 33.4 | 35.63 | 38.97 | 42.31 | 50.66 | 50.66 | 55.67 | 55.67 | 55.67 | 55.67 |
前年月同比[%] | 0.261 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5.814 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
これまでの学童保育料の推移


詳細なデータとグラフ
学童保育料の現状と今後
学童保育は、共働き家庭や単親家庭において、放課後の子どもを預けるための施設です。学童保育料は、各地域ごとに設定されており、運営する自治体や民間施設によって異なります。学童保育料は、その地域の経済状況や保育施設の規模、行政支援の有無などに影響されます。2025年3月時点での全国平均の学童保育料は0.898万円となっており、地域ごとの料金格差が見られます。
学童保育料の高額地域の特徴
学童保育料が高額な地域は、一般的に都市部や経済活動が活発なエリアに集中しています。特に、横浜市(2.375万円)、大阪市(2.2万円)、富山市(2.125万円)などでは、学童保育料が高額で設定されています。
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横浜市: 横浜市は都市化が進み、子どもを預ける需要が非常に高い地域です。人口の多さや、保育施設の充実度、運営費用などが影響して、学童保育料が高額になっています。また、施設の設備やスタッフの質を維持するためのコストが増加していることも料金に反映されています。
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大阪市: 大阪市もまた、大都市圏に位置し、共働き家庭の多い地域です。近年、大阪では学童保育の需要が増加しており、料金の上昇が見られます。2024年のデータでは、前年同期比で22.22%の増加があり、需要に応じた料金設定がなされていることがわかります。施設の充実度やサービス内容の向上に伴い、学童保育料が引き上げられたものと考えられます。
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富山市: 富山市では、学童保育の需要が比較的高いため、料金が上昇していますが、前年比で-19.81%の減少がありました。これは施設の効率化や利用者数の減少など、地域ごとの事情が影響していると考えられます。
学童保育料の低額地域の特徴
一方、学童保育料が低額な地域は、地方都市や都市部よりも規模が小さな地域に見られます。これらの地域では、行政による補助金や支援が充実していることが多く、保護者にとって負担が軽減されています。
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仙台市(0.3万円)や青森市(0.32万円)などは、低額で学童保育が提供されている地域です。これらの地域では、保育所や学童保育施設の需要が安定しており、自治体からの補助金が多いため、保育料を低く抑えることができています。
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宮崎市(0.35万円)や長野市(0.38万円)なども、学童保育料が低めの設定となっています。これらの地域では、少子化や人口の流出が影響している可能性があり、学童保育施設の数が限られている一方で、保育料を抑えるための工夫がされています。
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山口市(0.455万円)や福岡市(0.455万円)なども、比較的低い保育料が設定されています。特に、山口市では5.814%の増加率があり、料金がわずかに上昇しているものの、依然として他の地域に比べて安価です。
価格上昇の要因
学童保育料が上昇している要因は、主に以下のようなものです。
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施設運営のコスト増加学童保育施設の運営には、施設の維持費や設備投資が必要です。特に都市部では、土地代や建物の老朽化などが影響し、保育料の引き上げが避けられません。また、施設内で提供される教育プログラムやアクティビティの充実も、料金に影響を与える要因となります。
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スタッフの人件費学童保育を提供するためには、多くのスタッフが必要です。保育士や指導員の給与水準を上げる必要があるため、その分の費用が保育料に転嫁されます。特に、専門的な資格を持つスタッフや、教育的なプログラムを実施するための人材確保が求められます。
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需要の増加共働き家庭の増加により、学童保育の需要が高まっており、それに伴って料金が上昇する傾向があります。都市部では特に学童保育のニーズが強く、料金設定が高めになることが一般的です。需要と供給のバランスが料金に反映されています。
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行政支援の違い地方自治体によって、学童保育に対する補助金や支援額に違いがあり、それが保育料に影響を与えます。高額な地域では、行政からの支援が少ないか、保育施設の運営費用が高いため、料金が高くなります。逆に、支援が手厚い地域では、料金を低く抑えることが可能です。
今後の課題と展望
学童保育料の上昇は、特に共働き家庭にとって大きな経済的負担となります。今後、保育施設の効率化や地域ごとの料金調整が求められます。行政からの支援が拡充されることが望まれますが、施設の質を確保しながらも、料金を抑制するための取り組みが必要です。
また、少子化や人口減少が進む中で、学童保育施設の運営効率化や地域ごとの需要に応じたサービスの提供が重要となります。今後の課題としては、料金の均等化とともに、地域ごとの特性を活かした柔軟な保育サービスの提供が求められるでしょう。
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