専門学校・私立入学金の全国平均は19.98万円。佐賀や京都などでは30万円超の高額都市がある一方、新潟や千葉などは10万円以下の地域も。地域ごとの教育環境や設備投資の差が価格に反映されている。今後は地域格差是正が課題となる。
短大・専門学校の教育費
専門学校・私立入学金の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 佐賀 | 京都 | 那覇 | 神戸 | 和歌山 | 仙台 | 盛岡 | 奈良 | 大阪 | 津 |
最新値[万円] | 19.98 | 32.41 | 31.49 | 30 | 30 | 30 | 29.03 | 29.02 | 27.46 | 26.74 | 26.07 |
平均比[%] | 100 | 162.2 | 157.6 | 150.2 | 150.2 | 150.2 | 145.3 | 145.3 | 137.5 | 133.9 | 130.5 |
前年月同比[%] | -0.86 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門学校・私立入学金の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 新潟 | 千葉 | 名古屋 | 鳥取 | 宇都宮 | 長野 | 松山 | 高知 | 東京都区部 | 水戸 |
最新値[万円] | 19.98 | 8.343 | 10 | 10 | 10 | 10.64 | 11.64 | 11.67 | 12.14 | 12.59 | 13.25 |
平均比[%] | 100 | 41.76 | 50.06 | 50.06 | 50.06 | 53.28 | 58.28 | 58.4 | 60.79 | 63.04 | 66.32 |
前年月同比[%] | -0.86 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | -22.73 |
これまでの専門学校・私立入学金の推移


詳細なデータとグラフ
専門学校・私立入学金の現状と今後
専門学校は、高等教育の一環として多様な職業教育を担っています。入学金は初年度の大きな負担の一つであり、家計に与える影響も大きく、地域間の差が進学の選択に直結することがあります。ここでは、全国平均や地域別の傾向、上昇要因や今後の課題を分析します。
全国平均とその推移
2025年3月時点での全国平均は19.98万円。2016年以降、大きな変動はなく、安定した水準を維持しています。少子化により競争が激化している中、入学者確保のために授業料や入学金の抑制が図られている可能性があります。
入学金が高い都市の特徴
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佐賀(32.41万円)が最も高く、次いで京都(31.49万円)、那覇・神戸・和歌山(各30万円)が続きます。
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地方都市での高額設定には、次のような理由が考えられます:
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地元志向の強い進学傾向により、一定の入学者が見込める。
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分野特化型の専門学校(医療・美容・調理など)が多く、設備投資が反映されている。
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寮費補助や奨学金制度が整っており、実質的負担が軽減されているケースもある。
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入学金が低い都市の特徴
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最も低いのは新潟(8.343万円)で、次いで千葉・名古屋・鳥取(各10万円)、宇都宮(10.64万円)などが続きます。
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東京都区部(12.59万円)も意外に低価格で、価格抑制の工夫が読み取れます。
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低価格の背景には以下の要因が考えられます:
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競争の激しい都市部での価格競争。
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学費負担軽減をアピールして地方からの学生を誘致。
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通信制・夜間制の活用や、校舎の共用によるコスト削減。
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地域間の価格差とその要因
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都市部では土地代や人件費が高いため学費も高騰しがちだが、専門学校ではむしろ地方都市で高額になる傾向が見られます。
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これは地方では、生徒募集のための広告費や通学・下宿支援策を学費に転嫁している可能性があります。
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また、特定分野(調理師・看護・介護・ブライダルなど)に特化した学校では、専門設備や講師人材の確保コストが入学金に反映されやすいです。
最近の価格変動と問題点
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水戸では前年比-22.73%の大幅減少が見られます。これは地元学生の確保難や、競合校との差別化による値下げと考えられます。
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一方で、全国的に前年からの大幅な上昇傾向は見られず、価格はほぼ横ばいまたは微減傾向。
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問題としては、「学費の地域差」が進学機会の地域格差につながっていることが挙げられ、特に家庭の経済状況によって進学先が制限されることは看過できません。
今後の展望と政策的課題
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地方専門学校の経営基盤強化と価格設定の透明化が求められています。
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自治体や国による学費補助制度の充実が、地域格差を是正する鍵です。
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また、教育のオンライン化や実習の省力化によって、入学金・学費の抑制余地も増すと予想されます。
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