2025年3月の自動車タイヤ1本の全国平均価格は2万円。高価格地域の広島や青森では2.3万円超と高騰しており、積雪地域では高性能タイヤの需要が影響。一方、奈良や静岡では価格が大きく下落し、競争や在庫整理が背景にあります。地域ごとの価格差と今後のEV普及による影響が注目されています。
自動車・交通の都市別小売価格
自動車タイヤ価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 青森 | さいたま | 広島 | 福島 | 新潟 | 横浜 | 山口 | 神戸 | 福井 | 大津 |
最新値[万円] | 2 | 2.321 | 2.321 | 2.304 | 2.261 | 2.25 | 2.241 | 2.221 | 2.211 | 2.208 | 2.208 |
平均比[%] | 100 | 116 | 116 | 115.2 | 113 | 112.5 | 112 | 111 | 110.5 | 110.4 | 110.4 |
前年月同比[%] | -2.398 | 0 | 0.238 | 14.74 | 0 | -3.081 | 0 | -2.738 | 5.236 | 0 | 0 |
自動車タイヤ価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 奈良 | 那覇 | 静岡 | 佐賀 | 札幌 | 岡山 | 鹿児島 | 水戸 | 高松 | 松山 |
最新値[万円] | 2 | 1.396 | 1.52 | 1.647 | 1.696 | 1.707 | 1.711 | 1.749 | 1.766 | 1.77 | 1.793 |
平均比[%] | 100 | 69.81 | 75.99 | 82.34 | 84.76 | 85.34 | 85.54 | 87.44 | 88.26 | 88.49 | 89.64 |
前年月同比[%] | -2.398 | -21.14 | 0 | -19.7 | -14.37 | -33.37 | -10.47 | -2.116 | 0 | 0 | -10.1 |
これまでの車関連の推移


詳細なデータとグラフ
自動車タイヤの現状と今後
自動車の安全性と走行性能を左右するタイヤは、消耗品であると同時に高額な部品でもあります。ここでは、2010年から2025年3月までの小売価格データをもとに、日本各地における価格推移と地域差、背景要因を丁寧に解説します。
全国平均と全体的な価格動向
2025年3月時点での全国平均価格は2万円。2010年代は比較的安定していましたが、2020年代初頭からは原材料費の高騰や物流コストの上昇を受け、価格が緩やかに上昇しました。ただし直近では一部地域で顕著な値下がりも見られます。
高価格地域の特徴と背景
最も高いのは青森とさいたまの2.321万円、次いで広島(2.304万円)、福島(2.261万円)などが続きます。広島のように地方都市での価格上昇は、地場のタイヤ専門店での販売が中心で、量販店との競争が緩く、原価転嫁が価格に反映されやすい点が影響しています。また、東北や北陸のように積雪地域ではスタッドレスタイヤなど高性能品の需要も高く、平均価格が押し上げられています。
低価格地域の特徴と価格低下の背景
一方、奈良(1.396万円)、那覇(1.52万円)、静岡(1.647万円)などが低価格帯となっています。これらの地域ではカー用品量販店やネット販売の活用が進んでおり、競争が激しく価格が抑制されています。特に奈良や静岡では前年同期比で20%以上の価格下落が見られ、需要減退や在庫処分、原価低下の影響が考えられます。
価格変動の要因
2024年から2025年にかけて、一部都市での価格下落が目立ちます。札幌では33.37%もの減少が見られました。これは異常気象による冬用タイヤの在庫過剰や、オンライン販売の普及による価格競争激化が背景にあると推察されます。逆に、広島のように14.74%の価格上昇を記録した地域では、原材料価格の上昇を積極的に販売価格に転嫁した動きが見られます。
今後の展望と課題
今後、EVの普及に伴い専用タイヤの需要が高まり、高性能タイヤの価格上昇も予想されます。また、地域ごとの価格差がさらに拡大する可能性があり、ユーザーにとっては購入タイミングと地域選びが重要になります。価格透明性の向上と、持続可能な流通体制の確立が今後の課題となるでしょう。
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