日本のオイル交換1回あたりの小売価格は近年上昇傾向にあり、2025年3月時点の全国平均は4,687円。新潟(6,315円)や福島(6,275円)などが高価格帯で、名古屋(3,320円)や鹿児島(3,364円)などが低価格帯。都市ごとの価格差はサービス形態や地理的条件によるもので、近年の価格上昇には原油価格の変動、人件費、設備維持費の増加が影響している。
自動車・交通の都市別小売価格
オイル交換価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 新潟 | 福島 | 長野 | 松山 | 鳥取 | 仙台 | 山形 | 金沢 | 熊本 | 札幌 |
最新値[円] | 4687 | 6315 | 6275 | 6220 | 6155 | 6055 | 5875 | 5808 | 5605 | 5505 | 5490 |
平均比[%] | 100 | 134.7 | 133.9 | 132.7 | 131.3 | 129.2 | 125.4 | 123.9 | 119.6 | 117.5 | 117.1 |
前年月同比[%] | 4.437 | 22.74 | 8.19 | 4.415 | 7.888 | 2.54 | 1.82 | 0 | 2.844 | 43.73 | 0 |
オイル交換価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 名古屋 | 鹿児島 | 福井 | 高知 | 盛岡 | 大分 | 水戸 | 津 | 宇都宮 | 那覇 |
最新値[円] | 4687 | 3320 | 3364 | 3400 | 3400 | 3540 | 3590 | 3730 | 3747 | 3760 | 3763 |
平均比[%] | 100 | 70.84 | 71.78 | 72.55 | 72.55 | 75.53 | 76.6 | 79.59 | 79.95 | 80.23 | 80.29 |
前年月同比[%] | 4.437 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6.787 | -1.374 | 17.3 | 0 | -1.183 | 0 |
これまでの車関連の推移


詳細なデータとグラフ
オイル交換の現状と今後
オイル交換1回の平均小売価格は、2010年からのデータで見ると緩やかな上昇傾向にある。2025年3月の最新データでは全国平均が4,687円とされ、過去数年でじわじわと価格が上がっている。特に2023年以降の上昇が顕著で、背景には原油価格の高止まりや国内物流費の上昇がある。
価格が高い都市の特徴と背景
価格が高い都市の上位には、新潟(6,315円)、福島(6,275円)、長野(6,220円)などが挙げられる。これらの都市では地理的要因により物流コストが割高になるほか、降雪地帯であることからオイル交換の頻度が高く、サービス品質向上のための価格設定がされている可能性がある。また、松山(6,155円)や鳥取(6,055円)なども同様に高価格帯に分類され、地方における作業工賃や部品供給コストの影響も大きい。
価格が低い都市の特徴
一方、名古屋(3,320円)、鹿児島(3,364円)、福井・高知(各3,400円)などは低価格帯にある。これらの都市では人口密集度が高かったり、自動車整備業者間の競争が激しかったりすることで価格が抑えられていると考えられる。名古屋は自動車産業の中心地であり、オイルの調達や作業工程の効率化によるコスト削減が価格に反映されている可能性がある。
前年同期比での価格変動と注目点
前年同期比で最も大きく上昇したのは熊本(+43.73%)であり、次いで新潟(+22.74%)、水戸(+17.3%)となっている。熊本においては部品供給網の再編や人件費上昇の影響が考えられ、新潟や水戸でも燃料・輸送コストが価格に転嫁された結果と考えられる。一方、大分(-1.374%)、宇都宮(-1.183%)など微減している地域も存在し、地域ごとの需給バランスや競争環境の違いが表れている。
今後の見通しと課題
今後もオイル交換価格は、原材料コストや人件費、整備士の人手不足の影響で上昇傾向が続くと予想される。さらに、電動車両の普及によりエンジンオイルの需要が減少する中で、整備業界全体のサービス価格の見直しが必要となるだろう。地方都市では競争力維持のための価格調整が求められ、都市部では高価格化に伴う消費者の負担が課題となる。
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