中部・北越の鉄道運賃は全国上位水準、都市別の価格差と課題

中部・北越地域のJR以外普通鉄道運賃11km1回は平均392.3円。甲府が561円で最も高く、福井や富山も高額です。富山は前年より約8.5%の運賃増加が顕著。名古屋や新潟は中程度、金沢は比較的低め。全体として緩やかな運賃上昇傾向が続き、路線維持のための料金見直しが進んでいます。

2025年5月時点での中部・北越地域におけるJR以外普通鉄道運賃11km1回の平均は392.3円となっています。この地域は、甲府や静岡、福井など山岳地帯や広域に路線が広がっているため、都市間で運賃の差が大きいのが特徴です。路線距離の長さや輸送コスト、利用者数の違いが運賃に影響を与えています。

都市別の運賃ランキングと特徴

• 甲府（561円）は中部・北越地域で最も高額な運賃です。地理的な条件や利用者数の少なさが路線維持費の高騰を招いています。

• 福井（490円）や富山（445円）は北陸地方の代表都市であり、路線の維持・管理コストの高さが運賃に反映されています。特に富山は前年から約8.5%の増加と、近年上昇傾向が目立ちます。

• 静岡（430円）は東海道本線に近い地域ですが、JR以外の私鉄路線が充実しているため、比較的高めの運賃設定です。

• 名古屋（345円）や新潟（340円）、岐阜（330円）は都市圏として路線の競争が激しいため、運賃は中程度に抑えられています。

• 長野（320円）や金沢（270円）は都市規模や路線特性により、運賃がやや低めに設定されていることが見て取れます。

運賃推移と要因分析

前年同月比での平均増加率は約+1.001%と比較的緩やかな上昇に留まっています。しかし、富山のように+8.537%と大幅な上昇を示す都市もあり、地域や事業者ごとの経営状況や設備投資の影響が色濃く出ています。人口減少や地方路線の維持費増加に対応するため、運賃改定を行うケースが増えています。

今後の展望と課題

中部・北越地域の鉄道事業は、人口減少や自動車交通の競合により厳しい経営環境に直面しています。運賃の引き上げは不可避ながら、利用者の負担増加を抑えつつ路線維持を図るため、効率化や自治体支援が重要です。特に高額運賃の都市では利便性向上と料金適正化のバランスが今後の焦点となります。