【2025年版】九州のバス運賃動向｜都市別価格と値上げ要因を解説

九州地方のバス運賃7km1回平均は334.5円で、佐世保は430円と地域で最も高く前年同期比22.86%の急上昇を記録。宮崎や熊本も高価格帯に位置します。燃料費の高騰や運転手不足、人口減少が価格上昇の主因です。今後は効率化や地域連携を強化し、持続可能な公共交通運営が求められています。

2025年4月時点で、9州地方のバス運賃7km1回の平均価格は334.5円です。地域内では佐世保が430円と最も高く、次いで宮崎420円、熊本410円、大分390円と続きます。1方、鹿児島は230円、那覇と長崎は260円で最も低価格となっています。前年同期比では佐世保が+22.86%と大幅な上昇を記録し、他の都市との差をさらに広げています。

都市別バス運賃の特徴

• 高価格都市（佐世保・宮崎・熊本）　佐世保の430円は9州内で最も高く、前年同期比で大幅な22.86%の上昇を示しています。これは人口減少や地域公共交通の維持費用の増大、運転手不足が反映された結果と考えられます。宮崎と熊本も400円台後半で安定しており、地方都市の交通インフラ維持の難しさが伺えます。

• 中〜低価格都市（大分・佐賀・福岡・北9州）　大分の390円は中堅の価格帯で、福岡320円、北9州285円は9州最大の都市圏でありながら比較的低価格に抑えられています。これは都市規模や利用者数の多さによるコスト分散効果が大きいことが要因です。

• 最安価格帯（鹿児島・長崎・那覇）　鹿児島230円、長崎と那覇は260円と低価格ですが、鹿児島では運賃抑制策が影響している1方、長崎や那覇は観光需要と公共交通維持のバランスを図っている状況です。

過去10年間の動向と地域課題

2015年から2025年にかけて、9州のバス運賃は全体的に上昇傾向にあります。人口減少や高齢化の進展が地方公共交通の利用者減少を招き、運営維持コストが増加しています。特に佐世保の急激な値上げは、路線維持のための運転手確保困難や燃料費上昇の影響が大きいと見られます。

価格上昇の主な要因

1. 燃料費およびエネルギーコストの高騰　燃料価格の国際的上昇が直接的に運行コストに影響し、地方では特に価格転嫁が顕著です。

2. 運転手不足と人件費の増加　9州地方でも運転手の高齢化と新規確保難が深刻で、人件費上昇が運賃に反映されています。

3. 人口減少による収益悪化　利用者の減少が収入減少を招き、価格引き上げを余儀なくされているケースが多いです。

4. 自治体補助金の変動と財政難　自治体の財政悪化により、バス事業への補助金が減少し、運賃への負担増加が避けられません。

今後の課題と展望

• 運行効率の向上　需要に応じた路線見直しや車両の小型化などでコスト削減を図る必要があります。

• 公共交通の利便性強化　ICカード導入拡大やリアルタイム運行情報の提供による利用促進策が重要です。

• 地域連携・観光資源活用　地域活性化と連動した公共交通政策により、新たな需要創出を目指す動きが求められます。

まとめ

9州地方のバス運賃7km1回平均は334.5円で、都市間には大きな価格差があります。特に佐世保の430円（+22.86%）は突出しています。燃料費高騰や人件費上昇、人口減少が主な価格上昇要因であり、今後は運行効率化や地域連携による持続可能な交通運営が課題となります。