北海道・東北地域のバス運賃(7kmあたり)は2025年3月時点で平均363.2円と全国平均を上回る水準にあります。郡山や福島などで高額化が進む一方、札幌や青森は低水準を維持。直近では八戸や札幌での2桁増が目立ち、燃料費や人件費上昇、人口減少による採算悪化が要因とされています。今後は自治体の支援と交通の効率化が課題となります。
自動車・交通の都市別小売価格
北海道・東北価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 郡山 | 福島 | 盛岡 | 旭川 | 秋田 | 仙台 | 八戸 | 山形 | 函館 | 青森 |
最新値[円] | 363.2 | 450 | 430 | 430 | 410 | 400 | 375 | 370 | 330 | 310 | 250 |
平均比[%] | 100 | 123.9 | 118.4 | 118.4 | 112.9 | 110.1 | 103.3 | 101.9 | 90.86 | 85.36 | 68.84 |
前年月同比[%] | 3.497 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7.143 | 15.63 | 10 | 0 | 0 |
北海道・東北価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 札幌 | 青森 | 函館 | 山形 | 八戸 | 仙台 | 秋田 | 旭川 | 盛岡 | 福島 |
最新値[円] | 363.2 | 240 | 250 | 310 | 330 | 370 | 375 | 400 | 410 | 430 | 430 |
平均比[%] | 100 | 66.08 | 68.84 | 85.36 | 90.86 | 101.9 | 103.3 | 110.1 | 112.9 | 118.4 | 118.4 |
前年月同比[%] | 3.497 | 14.29 | 0 | 0 | 10 | 15.63 | 7.143 | 0 | 0 | 0 | 0 |
これまでのバス代の推移


詳細なデータとグラフ
北海道・東北の現状と今後
2015年以降、北海道・東北地方のバス運賃は全国的なコスト上昇と人口動態の変化に影響され、緩やかな上昇傾向を示してきました。2025年3月時点の平均は363.2円で、全国平均(345.5円)や大都市平均(294.7円)を上回っています。これは広域・低密度の地域構造と、公共交通に依存する度合いが高いことに起因しています。
高額地域の特徴と背景
上位には郡山(450円)、福島(430円)、盛岡(430円)、旭川(410円)、秋田(400円)などが並びます。これらの都市は以下のような共通背景を持ちます:
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人口減少による利用者の減少
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公共交通の赤字構造化
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燃料費や人件費の上昇に対応する必要性
特に郡山・盛岡では都市中心部から郊外への移動ニーズが根強く、距離制運賃が影響しやすい傾向です。
低額地域の特徴と背景
一方で、札幌(240円)、青森(250円)、函館(310円)などでは全国でも比較的低い運賃水準を維持しています。札幌は政令指定都市として地下鉄や市電との競合があり、一定の価格抑制圧力が働いています。青森や函館は小規模な市内移動が中心で、地域密着型のバス網が価格安定の要因です。
直近の価格上昇率と要因分析
直近1年間で目立つ増加率を示したのは:
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八戸:+15.63%
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札幌:+14.29%
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山形:+10%
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仙台:+7.143%
これらは以下の複合的な要因が背景にあります:
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燃料費の急騰(特に2022~2023年)
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人件費・運転士不足への対応
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車両更新(電動化など)への設備投資
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コロナ禍後の乗客数回復が鈍く、単価補填が必要に
特に八戸では地方自治体の補助金見直しや路線再編により収支改善のための運賃見直しが行われたと考えられます。
今後の展望と地域課題
北海道・東北では、今後さらに人口減少や高齢化の加速が予想され、収支悪化や運行縮小への対応が不可避となる可能性があります。一方で、MaaS(Mobility as a Service)の導入や定額乗り放題パスの拡充など、需要の底上げと利便性向上を狙った施策も動き出しています。
交通政策と地域振興をいかに連動させるかが、バス運賃の安定的運営にとって重要です。
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