全国のガソリン価格の推移と地域別の特徴|2025年の高騰要因とは?

ガソリン



2010年以降、日本のガソリン価格は原油価格や為替の影響で変動し、2025年3月時点では全国平均185.2円と高水準。鹿児島など地方で価格が高く、都市近郊で安い傾向があります。価格上昇の背景には円安や物流費の上昇、補助金政策の変化があります。政府は一時的な補助策を予定していますが、長期的には構造的対策が必要です。

自動車・交通の都市別小売価格

全国価格の高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 鹿児島 大分 高知 長野 長崎 松江 広島 高松 静岡 那覇
最新値[円] 185.2 203 194 193 193 193 192 192 191 191 191
平均比[%] 100 109.6 104.8 104.2 104.2 104.2 103.7 103.7 103.2 103.2 103.2
前年月同比[%] 5.784 6.842 2.105 8.427 3.763 4.324 4.918 6.077 7.91 9.143 6.704

全国価格の低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 盛岡 八戸 八王子 小山 水戸 浦安 函館 札幌 相模原
最新値[円] 185.2 175 175 178 178 178 178 178 179 179 179
平均比[%] 100 94.51 94.51 96.13 96.13 96.13 96.13 96.13 96.67 96.67 96.67
前年月同比[%] 5.784 0 6.707 5.325 7.879 4.706 5.952 4.706 3.468 2.874 4.678

 

これまでのガソリンの推移

全国の小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

全国の現状と今後

2010年以降、日本のガソリン小売価格は国際原油価格、為替レート、内外の経済情勢の影響を受けて上下動を繰り返してきました。特に2011年の東日本大震災後には供給体制の再構築が進み、一時的に価格が上昇。その後2014年ごろには原油価格の下落により小康状態となりましたが、2022年以降はウクライナ情勢や円安の影響により再び上昇基調に転じました。

2025年3月時点の全国平均価格は185.2円と、過去15年で見ても高水準にあり、生活コストへの影響が深刻化しています。特に地方では自家用車への依存度が高く、家計を圧迫する要因となっています。


都市別ガソリン価格の特徴

高価格地域

全国で最も高いのは鹿児島で203円。以下、大分(194円)、高知・長野・長崎(いずれも193円)と続きます。これらの地域は以下のような特徴があります:

  • 地理的要因:離島や山間部が多く、輸送コストが高いため価格が上昇しやすい。

  • インフラ整備:給油所の数が限られており、価格競争が起きにくい。

特に鹿児島の前年比増加率は6.842%と高く、2024年度から2025年にかけての燃料価格の上昇圧力が顕著です。

低価格地域

逆に最も安いのは柏・盛岡(いずれも175円)、次いで八戸・八王子・小山・水戸・浦安など都市近郊の地域が続きます。特徴としては:

  • 流通の効率性:大消費地に近いため、供給体制が整っている。

  • 価格競争の活発さ:多数のガソリンスタンドが存在し、価格競争が激しい。

これらの地域も価格は上昇していますが、札幌(2.874%)や函館(3.468%)など、上昇率は比較的穏やかです。


最近の価格上昇の要因

近年のガソリン価格上昇には複数の要因があります。

  1. 国際原油価格の高騰:中東情勢の不安定化、ロシア・ウクライナ問題により供給リスクが増大。

  2. 為替の円安傾向:円安が続くことで輸入価格が上昇し、国内価格にも反映。

  3. 物流コストの上昇:ドライバー不足や燃料コスト自体の上昇によって輸送費が上がっている。

  4. 政府補助金政策の変化:2022年から実施された補助金の縮小・段階的終了が価格に反映。

このように、外部要因と国内構造的問題の両方が重なり、ガソリン価格の全国的な上昇を招いています。


今後の見通しと課題

政府は2025年7月から3か月間、1リットルあたり10円の補助金を再導入する方針を示していますが、これは一時的な対策に過ぎず、抜本的な流通改革や脱炭素化に向けた取り組みが求められます。

また、地域格差への対応も課題であり、交通インフラの整備や地方支援策の強化が必要です。都市部と地方部での負担格差をいかに是正するかが、今後のガソリン政策の鍵となるでしょう。

 

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