2025年4月の鉢植え平均価格は811.6円で、鳥取や岐阜など地方で価格上昇が目立ちます。資材費高騰、生産者不足、ギフト需要増などが要因です。一方、徳島や長崎では600円前後と安価。市場の二極化が進んでおり、安定供給と生産支援が今後の鍵となります。
エンタメの都市別小売価格
鉢植え価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 和歌山 | 甲府 | 盛岡 | 札幌 | 鳥取 | 富山 | 京都 | 岐阜 | 福井 | 高知 |
最新値[円] | 811.6 | 1154 | 1097 | 1089 | 1088 | 990 | 989 | 984 | 934 | 932 | 930 |
平均比[%] | 100 | 142.2 | 135.2 | 134.2 | 134.1 | 122 | 121.9 | 121.2 | 115.1 | 114.8 | 114.6 |
前年月同比[%] | +6.215 | -8.703 | +25.09 | +17.88 | +57.64 | +13.94 | +27.96 | +30.81 | +8.625 | +28.45 |
鉢植え価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 徳島 | 長崎 | 津 | 山形 | さいたま | 千葉 | 大津 | 佐賀 | 鹿児島 | 前橋 |
最新値[円] | 811.6 | 549 | 602 | 628 | 633 | 657 | 657 | 657 | 659 | 674 | 678 |
平均比[%] | 100 | 67.64 | 74.17 | 77.38 | 77.99 | 80.95 | 80.95 | 80.95 | 81.2 | 83.05 | 83.54 |
前年月同比[%] | +6.215 | -8.371 | +5.017 | -39.05 | -24.17 | +11.59 | -6.868 |
これまでの園芸品の推移


詳細なデータとグラフ
鉢植えの現状と今後
2025年4月現在、日本全国における鉢植え1鉢の平均小売価格は811.6円となっています。これは2015年当初の水準(約700円台前半)と比較して約15%程度の上昇にあたります。
背景には以下のような複合的要因があります:
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資材や物流費の上昇
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生産者の減少
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季節イベント需要の集中
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消費者の贈答意識の変化(室内インテリア需要の拡大)
価格が高い都市の特徴と要因
2025年4月時点で、鉢植え価格が高い上位都市は以下の通りです。
都市名 | 価格(円) | 前年比増減率(%) |
---|---|---|
和歌山 | 1,154 | -8.703 |
甲府 | 1,097 | +25.09 |
盛岡 | 1,089 | ― |
札幌 | 1,088 | +17.88 |
鳥取 | 990 | +57.64 |
富山 | 989 | +13.94 |
京都 | 984 | +27.96 |
岐阜 | 934 | +30.81 |
福井 | 932 | +8.625 |
高知 | 930 | +28.45 |
特徴と背景
-
和歌山や甲府、富山、京都など内陸部の地方都市では、小規模な園芸業者による手間をかけた生産が主流で、品質やサイズが価格に反映されやすい。
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札幌や盛岡など寒冷地では、冬季の温室加温や暖房費用が高く、コストが価格に転嫁されている可能性が高い。
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鳥取(+57.64%)や岐阜(+30.81%)など急上昇地域では、短期的な供給不足や地域イベント、品種改良による高付加価値品の流通が影響していると考えられます。
価格が安い都市とその背景
鉢植えの価格が安い下位都市は以下の通りです。
都市名 | 価格(円) | 前年比増減率(%) |
---|---|---|
徳島 | 549 | ― |
長崎 | 602 | -8.371 |
津 | 628 | +5.017 |
山形 | 633 | ― |
さいたま | 657 | ― |
千葉 | 657 | ― |
大津 | 657 | -39.05 |
佐賀 | 659 | -24.17 |
鹿児島 | 674 | +11.59 |
前橋 | 678 | -6.868 |
特徴と背景
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徳島・佐賀・長崎など9州や4国の1部地域では、流通拠点が近いため地場流通が安定しており価格が抑えられる。
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大津(-39.05%)や佐賀(-24.17%)のように急落した地域では、イベント縮小や地元需要の低下、販促力の弱化などが要因と考えられます。
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都市圏周辺(千葉・さいたま)でも安値となっているのは、大量仕入れによる低価格販売を行う量販店の存在が影響しています。
最近の価格上昇要因の分析
資材価格・エネルギーコストの上昇
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プラスチック鉢、培養土、肥料などの資材の値上がりが続いており、販売価格へ反映されるケースが増加。
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ビニールハウスや温室加温のための燃料費や電力費の高騰もコストに直結しています。
労働力不足・生産縮小
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園芸農家の高齢化と後継者不足により供給量が減少し、単価が上がる傾向。
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手間のかかる鉢物植物ほど、小規模業者では維持困難なケースも。
ギフト需要と室内需要の拡大
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コロナ禍以降、自宅での植物鑑賞や室内インテリアとしての鉢植え需要が高まり、高付加価値の品種(蘭・観葉植物等)の流通が増え、平均価格を押し上げています。
今後の課題と対応策
市場の2極化と対応の必要性
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高価格帯はギフト・趣味層、低価格帯は量販需要とニーズが2極化。これに対応した販路や価格戦略が求められます。
生産支援と効率化
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生産者への支援策(省力化設備、販路開拓)を国や自治体が後押しすることで、価格の乱高下を抑制できる可能性があります。
地産地消モデルの強化
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地域内での需要と供給のマッチング(直売所・道の駅など)を推進することで、中間コストを削減し価格安定化が見込まれます。
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