2025年3月のボウリング1ゲームの平均価格は670.8円で、都市部や観光地では高め、地方では据え置き傾向。長岡の1600円をはじめ、横浜や東京も高額水準。一方、宇部や日立では450円と安価。人件費や電気代の高騰、設備維持などが価格上昇の背景にあり、今後は多目的化の中で価格の柔軟性が求められる。
エンタメの都市別小売価格
ボウリングゲーム価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 長岡 | 横浜 | 東京都区部 | 静岡 | 郡山 | 神戸 | 熊本 | 浜松 | 旭川 | 府中 |
最新値[円] | 670.8 | 1600 | 900 | 800 | 780 | 780 | 780 | 780 | 780 | 780 | 780 |
平均比[%] | 100 | 238.5 | 134.2 | 119.3 | 116.3 | 116.3 | 116.3 | 116.3 | 116.3 | 116.3 | 116.3 |
前年月同比[%] | 2.47 | 3.896 | 0 | 2.564 | 2.632 | 2.632 | 2.632 | 2.632 | 2.632 | 2.632 | 2.632 |
ボウリングゲーム価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 宇部 | 日立 | 岐阜 | 新潟 | 枚方 | 高知 | 徳島 | 今治 | 山形 | 岡山 |
最新値[円] | 670.8 | 450 | 450 | 460 | 500 | 500 | 500 | 540 | 550 | 550 | 550 |
平均比[%] | 100 | 67.09 | 67.09 | 68.58 | 74.54 | 74.54 | 74.54 | 80.5 | 81.99 | 81.99 | 81.99 |
前年月同比[%] | 2.47 | -25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
これまでのエンタメの推移


詳細なデータとグラフ
ボウリングゲームの現状と今後
ボウリングは、昭和後期から平成初期にかけて日本中で親しまれた庶民的な娯楽です。家族や友人、職場のレクリエーションとして活用されてきた一方、近年は少子高齢化や若者の趣味の多様化によって、プレイ人口は減少傾向にあります。
2025年3月時点における1ゲームの全国平均価格は670.8円で、趣味としては中程度の出費水準にあることが分かります。
2010年以降の価格推移 ― 徐々に上昇するプレイ単価
2010年時点では、多くの地域で1ゲーム500円前後が一般的でした。しかし、近年の運営コスト上昇(人件費、電気代、設備維持費)や、施設の統廃合により、価格は緩やかに上昇。特に2020年以降はインフレ傾向の中で顕著に見られるようになりました。
特筆すべきは、長岡の1600円という全国最高値で、他地域を大きく上回っています。これはイベント形式や特別施設(高級設備、貸し切り利用など)の影響が考えられます。
価格が高い都市の特徴 ― 都市部と一部地方の例外
上位10都市には横浜(900円)、東京都区部(800円)、静岡、郡山、神戸など(780円)が並び、首都圏・政令市・中核市が中心です。これらの都市では、
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ボウリング場のリニューアルによる高付加価値サービス
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家賃や人件費のコスト反映
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観光客や外国人向けの価格設定
といった要素が絡み、料金が高めに設定されています。
また、郡山や熊本、旭川といった地方都市も同様の価格帯にあり、地元で数少ない娯楽施設としての希少価値が価格に反映されていると考えられます。
価格が低い都市の傾向 ― 地方の据え置きと地域競争
一方、宇部・日立(450円)、岐阜(460円)、新潟・枚方・高知(500円)などの都市は、全国でも最安値圏に位置しています。
こうした地域では、
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高齢者層向け割引や地域還元型料金
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地場資本による競争的価格設定
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客単価よりも回転率重視の営業方針
などが挙げられます。特に宇部では前年比-25%の値下げが確認され、地元客の減少に対する集客施策の一環と考えられます。
地域差の構造要因 ― ボウリング場の経済構造
日本全国のボウリング場は、次のような要素で価格が決まります。
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施設の立地コスト(都市 vs 地方)
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稼働率と曜日変動による価格調整
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レーン数や設備の近代化状況
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大手チェーン vs 地元中小業者の違い
このため、都市部では高級志向、地方では低価格で継続利用を促す方向性が価格差として現れます。また、ゲームセンター併設型や飲食店付き施設などは一層価格に幅を持たせています。
価格上昇の背景と今後の展望
ここ1年で見られる全国平均の上昇傾向には、以下のような要因が影響しています。
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電気代・人件費の高騰
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新型コロナ後の設備投資回収
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サブスクリプション型スポーツ施設との競合
今後、ボウリング場は「多目的施設」としての生き残りを図る可能性が高く、1ゲーム単価も体験価値次第で上下に揺れ動くと予測されます。価格は単なる数字以上に、娯楽施設の構造転換の指標とも言えるでしょう。
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