2025年3月時点で、クレンジング100mLの全国平均価格は1,482円。福井や横浜、徳島などで高値を記録し、価格上昇が続いている。原材料高騰や円安、高機能商品の人気が背景。一方、高知や岡山では価格下落も見られ、都市別の価格差が拡大している。
衣類・美容の都市別小売価格
クレンジング価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 福井 | 那覇 | 長野 | 水戸 | 横浜 | 新潟 | 徳島 | 広島 | 岐阜 | 山口 |
最新値[円] | 1482 | 1651 | 1567 | 1558 | 1558 | 1558 | 1558 | 1558 | 1558 | 1558 | 1558 |
平均比[%] | 100 | 111.4 | 105.7 | 105.1 | 105.1 | 105.1 | 105.1 | 105.1 | 105.1 | 105.1 | 105.1 |
前年月同比[%] | 0.739 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5.27 | 4.354 | 6.859 | 0 | 0 | 0 |
クレンジング価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 高知 | 福島 | 長崎 | 高松 | 佐賀 | 前橋 | 岡山 | 鹿児島 | 千葉 | 秋田 |
最新値[円] | 1482 | 1299 | 1347 | 1355 | 1356 | 1362 | 1376 | 1376 | 1391 | 1400 | 1411 |
平均比[%] | 100 | 87.63 | 90.87 | 91.41 | 91.48 | 91.88 | 92.83 | 92.83 | 93.84 | 94.45 | 95.19 |
前年月同比[%] | 0.739 | -6.882 | 0.0743 | 0 | 0 | 0 | 0 | -4.709 | 1.681 | 0 | 0.356 |
これまでの化粧品の推移


詳細なデータとグラフ
クレンジングの現状と今後
クレンジングは日常的に使用される化粧品で、スキンケアの第一歩として位置づけられる重要なアイテムです。本稿では、2020年から2025年3月までの価格動向データをもとに、全国平均の推移、都市別の価格差、そして近年の価格上昇要因を分析します。
全国平均価格の推移と現状
2025年3月時点の全国平均価格は1,482円。この5年間で徐々に上昇傾向にあり、とくに2023年以降は価格高騰が顕著です。背景には原材料費や製造・輸送コストの上昇、円安、さらには高機能・天然成分配合製品の人気拡大が挙げられます。
価格が高い都市の傾向
最も高かったのは福井(1,651円)で、続いて那覇(1,567円)、長野・水戸・横浜・新潟・徳島・広島・岐阜・山口(各1,558円)が並んでいます。特に注目されるのは徳島(+6.859%)、横浜(+5.27%)、新潟(+4.354%)といった前年同期比で大幅に価格上昇している都市です。
これらの都市では以下のような傾向があります:
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地元ブランドや自然派成分の需要拡大により高価格帯商品が主流
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地場流通網の限界による配送コストの価格転嫁
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首都圏や政令市などで「高付加価値志向」の消費行動が強まる傾向
価格が低い都市の傾向
対して価格が最も安かったのは高知(1,299円)。次いで福島(1,347円)、長崎(1,355円)、高松(1,356円)など、九州・四国・東北地方の中小都市が中心です。前年同期比では、高知(-6.882%)、岡山(-4.709%)といった価格下落が目立ちます。
これらの地域の特徴としては:
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大手ドラッグストアチェーンが競争を激化させており、価格が安定もしくは下落
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地域消費者の「コスパ重視」志向が強く、価格に対する敏感さが高い
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地元における販促・値引き戦略の影響
全国的な価格上昇要因
近年、クレンジングの価格が上昇している背景には、次のような要素が複合的に絡んでいます:
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原材料価格の高騰:植物由来やオーガニック原料の価格が上昇傾向にある
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円安による輸入コスト増:海外製成分や容器などの調達コストが増加
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エネルギー・物流費の上昇:配送や製造にかかるコストが企業努力で吸収できず小売価格に反映
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ブランド再編・高機能化:マイクロバイオーム対応、ノンオイル処方など、新技術搭載製品が中価格帯以上に集中
都市別傾向と今後の見通し
今後も価格が上昇する可能性が高い都市は、横浜・新潟・徳島などのように「高機能・高価格製品が市場で支持されるエリア」です。こうした地域では、中〜高所得層の美意識の高さや、ECではなく実店舗での買い物習慣が根強いことが影響しています。
一方、価格が安定または下落しやすい都市では、大手量販店・ディスカウントショップが主流であり、価格競争が続くと予想されます。
また、今後の注目点としては以下が挙げられます:
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ネット販売の影響拡大:店舗間での価格統制が難しくなり、地域差が縮小する可能性
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プレミアム市場の拡大:従来の「落とす」目的から、「肌環境を整える」目的への転換により価格は全体的に高止まり傾向
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サステナブル商品への移行:詰め替え用やエコ容器使用商品が主流になれば価格構造の変化も起きうる
まとめ
2025年現在、クレンジング100mLの平均価格は1,482円と過去数年で上昇傾向にあります。福井や横浜、徳島など高価格帯都市では高機能商品が支持される一方、高知や福島などでは価格下落もみられ、都市別の市場構造が価格に色濃く反映されています。今後も生活コストや消費者の価値観により、地域差が継続するとみられます。
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