傘小売価格2025｜都市別動向と価格上昇要因を徹底解説

2025年3月時点で日本の傘の平均価格は1778円に上昇しました。札幌（3245円）を筆頭に高価格化が進む一方、甲府や津などでは低価格傘が主流です。原材料高騰や高機能商品の普及が価格上昇を促進し、今後は高級志向と低価格志向の二極化がさらに進む見込みです。

衣類・美容の都市別小売価格

2025年3月		1	2	3	4	5	6	7	8	9	10
名称	平均	札幌	川口	姫路	山形	伊丹	名古屋	横浜	富山	旭川	枚方
最新値[円]	1778	3245	2889	2838	2633	2618	2589	2570	2552	2486	2398
平均比[%]	100	182.5	162.5	159.6	148.1	147.3	145.6	144.6	143.5	139.8	134.9
前年月同比[%]	1.701	22.55	13.03	0	86.08	0	-5.338	3.587	0	121.6	10.1

2025年3月		1	2	3	4	5	6	7	8	9	10
名称	平均	甲府	津	秋田	東大阪	盛岡	豊橋	広島	宇部	新潟	長岡
最新値[円]	1778	972	1011	1011	1078	1085	1088	1089	1102	1192	1198
平均比[%]	100	54.67	56.87	56.87	60.64	61.03	61.2	61.26	61.99	67.05	67.39
前年月同比[%]	1.701	0	-24.44	6.197	-25.4	-0.732	0	5.831	20.83	-31.69	6.489

2016年から2025年にかけて、日本国内の傘1本あたりの小売価格は緩やかに上昇傾向を示しています。2025年3月時点での全国平均は1778円となり、2016年当初と比べて明確な上昇が見られます。

要因としては、輸入コストの増加、原材料価格（特に鉄・アルミ・ポリエステル生地など）の高騰、さらに耐久性・デザイン性を高めた高付加価値商品の登場などが挙げられます。また、環境意識の高まりから「使い捨て」傘を避け、長期間使える製品へのニーズが強まったことも価格上昇を後押ししました。

札幌が全国最高値の3245円を記録しました。前年同期比でも+22.55%と大幅な上昇です。冬場の積雪・凍結環境を考慮し、耐久性・耐寒性に優れた高機能傘が主流となっている影響が強いと考えられます。

また、旭川も前年同期比+121.6%という驚異的な伸びを示し、北海道エリアでの「高耐久・高価格化」が特に進んでいることがわかります。川口、姫路、伊丹、横浜といった都市でも、機能性・ファッション性を両立させた傘への需要が高まり、価格が押し上げられています。

甲府は全国最低の972円となり、津、秋田、東大阪なども1000円前後と非常に低価格帯を維持しています。東大阪では前年同期比-25.4%と大幅な価格下落が見られ、津も-24.44%と大きく減少しました。

これは、量販店や100円ショップなどによる格安ビニール傘の流通が強い地域特性と考えられます。また、新潟では-31.69%と全国最大の価格下落率となっており、豪雪地帯でありながら低価格製品への需要が根強い点が特徴的です。

都市によって傘の価格差が2000円以上開く結果となり、所得格差・購買層の違いが価格に反映されやすくなっています。

一方で、低価格地域では使い捨て型ビニール傘への依存が続いており、環境負荷の問題や耐久性の課題が顕在化しています。特に災害時などに大量廃棄されるケースも社会問題となっています。

今後は、

機能性・デザイン性を重視する高付加価値型市場
格安で利便性重視の低価格型市場の「二極化」がさらに進むと考えられます。また、自治体による傘のリサイクル活動促進や、メーカーによる耐久性強化商品開発なども重要なテーマになるでしょう。