日本におけるサンダル1足の小売価格は、2025年3月時点で平均2338円となり、津(3300円)など一部地域で大幅な上昇が見られます。原材料費高騰や高機能志向、アウトドア需要拡大が価格を押し上げる一方、広島や神戸では価格下落も観測され、地域差が顕著になっています。
衣類・美容の都市別小売価格
サンダル価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 津 | 大分 | 豊橋 | 川口 | 長野 | 熊谷 | 柏 | 小山 | 宇部 | 佐世保 |
最新値[円] | 2338 | 3300 | 3278 | 3190 | 3190 | 2970 | 2970 | 2970 | 2970 | 2970 | 2970 |
平均比[%] | 100 | 141.1 | 140.2 | 136.4 | 136.4 | 127 | 127 | 127 | 127 | 127 | 127 |
前年月同比[%] | 4.107 | 115.8 | 15.06 | 0 | 26.09 | 18.8 | 8 | 0 | 8 | 8 | 8 |
サンダル価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 前橋 | 広島 | 長崎 | 佐賀 | 福井 | 神戸 | 静岡 | 奈良 | 和歌山 | 浦安 |
最新値[円] | 2338 | 1078 | 1082 | 1270 | 1363 | 1363 | 1419 | 1480 | 1513 | 1518 | 1628 |
平均比[%] | 100 | 46.11 | 46.28 | 54.32 | 58.29 | 58.29 | 60.69 | 63.3 | 64.71 | 64.92 | 69.63 |
前年月同比[%] | 4.107 | 0 | -33.09 | 19.36 | 0 | 8.779 | -33.69 | 0 | -6.778 | -6.757 | 0 |
これまでの靴の推移


詳細なデータとグラフ
サンダルの現状と今後
日本国内におけるサンダルの小売価格は、2016年から2025年にかけて緩やかな上昇傾向にあります。特に2020年以降、コロナ禍による「おうち需要」拡大やアウトドアブームが影響し、カジュアルシューズの一環としてサンダルの需要も高まりました。2025年3月の最新データでは、全国平均価格は2338円。過去10年で素材の高級化や機能性向上を受け、サンダルは単なる日用品から「ファッション性と機能性を兼ね備えたアイテム」へと進化しています。
都市別価格と特徴
高価格帯都市
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津(3300円)
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大分(3278円)
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豊橋・川口(3190円)
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長野・熊谷・柏・小山・宇部・佐世保(各2970円)
特に津市では前年同期比で115.8%と、驚異的な価格上昇を記録しました。これは、地元小売業界での高機能サンダル(防水性、耐久性、歩行サポート機能など)や、ブランド力の高い商品(スポーツサンダルなど)の取り扱いが増えたことが背景にあるとみられます。大分市も15.06%増と高い伸びを示しており、九州地方でもアウトドア志向の高まりを反映しています。
また、豊橋・川口・長野なども3000円近い価格を記録しており、都市圏や観光地近郊では品質志向が根付いてきたことが伺えます。
低価格帯都市
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前橋(1078円)
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広島(1082円)
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長崎(1270円)
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佐賀・福井(1363円)
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神戸(1419円)
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静岡(1480円)
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奈良(1513円)
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和歌山(1518円)
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浦安(1628円)
前橋や広島では、サンダルの平均価格が全国平均の半額程度にとどまっています。特に広島では前年同期比-33.09%、神戸でも-33.69%と、顕著な値下がりが見られました。これは、ディスカウント店や量販店が中心となり、価格競争が激化しているためと推測されます。また、奈良や和歌山も前年よりやや価格を下げており、関西圏ではサンダルにコストパフォーマンスを重視する傾向が続いているようです。
最近の価格上昇要因
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原材料費高騰合成樹脂、ゴム素材、革製品など、サンダルに使われる素材の価格が国際的に上昇しています。特に輸入原材料に頼る日本では、円安もコスト上昇に拍車をかけています。
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機能性・ファッション性の重視近年のサンダルは、単なる夏用履物ではなく、クッション性、防水性、デザイン性を兼ね備えた多機能商品が主流となりつつあります。こうした商品は平均単価を押し上げています。
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アウトドア・健康志向の高まりアウトドア市場の拡大や、健康志向の高まりにより、ウォーキングや軽登山向けの高性能サンダルへの需要が増えています。特に地方都市では、アウトドア型生活へのシフトが価格上昇に影響を与えました。
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ブランド志向の強化一部都市では、ナショナルブランド(例:Teva、KEEN、Chacoなど)の取扱店舗が増え、高価格商品が流通していることも平均価格上昇の一因です。
今後の展望と課題
今後のサンダル市場は、二極化がさらに進むと見られます。機能性・ブランド力重視の高価格帯と、コスパ重視の低価格帯がはっきりと分かれ、それぞれのターゲットに最適化された商品開発が求められるでしょう。また、原材料コストの高止まり、為替変動リスク、消費者の購買力低下への対応も、企業や小売店の課題となります。特に地方都市では、値上げによる需要減少リスクに注意が必要です。
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