2025年4月現在、日本のプリンタ用インク1個の平均価格は1963円。松山や鹿児島では高値、横浜や東京都区部では安値傾向。価格差の背景には、販路の差、純正志向、流通コスト、都市圏の競争環境などがある。価格は2010年以降ほぼ横ばいで推移。
電気製品の都市別小売価格
プリンタ用インク価格の高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 松山 | 鹿児島 | 大阪 | 鳥取 | 高知 | 高松 | 静岡 | 青森 | 長野 | 長崎 |
最新値[円] | 1963 | 2069 | 2014 | 1996 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 |
平均比[%] | 100 | 105.4 | 102.6 | 101.7 | 99.86 | 99.86 | 99.86 | 99.86 | 99.86 | 99.86 | 99.86 |
前年月同比[%] | -0.0336 | +1.837 |
プリンタ用インク価格の低い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 横浜 | 東京都区部 | さいたま | 京都 | 仙台 | 佐賀 | 前橋 | 千葉 | 名古屋 | 和歌山 |
最新値[円] | 1963 | 1910 | 1943 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 | 1960 |
平均比[%] | 100 | 97.31 | 98.99 | 99.86 | 99.86 | 99.86 | 99.86 | 99.86 | 99.86 | 99.86 | 99.86 |
前年月同比[%] | -0.0336 | -2.551 | -0.867 |
これまでのパソコン関連の推移


詳細なデータとグラフ
プリンタ用インクの現状と今後
ペーパーレス化が進む1方で、ビジネス・教育・家庭用の現場では依然として印刷ニーズが根強く残っており、プリンタ用インクは長期的に1定の需要を保ち続けている。特にカラープリンタの普及に伴い、純正インクの小売価格は生活必需品とまではいかないが、家計や業務コストに確実に影響する価格帯となっている。
全国平均と高価格地域の動向
2025年4月現在、日本全国におけるプリンタ用インク1個の平均価格は1963円。この価格帯は数年間にわたり安定傾向にあるが、1部の都市ではやや高めに推移している。
価格上位の都市:
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松山:2069円
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鹿児島:2014円
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大阪:1996円(前年比+1.837%)
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鳥取・高知・高松・静岡・青森・長野・長崎:各1960円
特徴と要因:
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純正インク中心の販売構成:地方都市や中規模都市では非純正品の流通が限定的で、価格が高くなる傾向がある。
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小売業者の寡占状態:1部の地域では大型量販店が少なく、価格競争が起きにくい。
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メーカー販売戦略の影響:エリア別に価格維持政策が働いているケースも考えられる。
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流通・配送コスト:地方では物流のコストが価格に転嫁されやすい。
低価格地域の分析と背景
1方で、価格が比較的安価に抑えられている地域も存在する。
価格下位の都市:
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横浜:1910円(前年比-2.551%)
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東京都区部:1943円(前年比-0.867%)
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さいたま、京都、仙台、佐賀、前橋、千葉、名古屋、和歌山:各1960円
特徴と要因:
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家電量販店の密集による価格競争:都市圏では同業他社との競争により価格が抑えられている。
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オンライン購入の浸透:都市部ではインク購入もネット経由が1般的で、実店舗も価格を合わせる動きが見られる。
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大規模販促キャンペーンの影響:特定時期における値引き販売の影響が全体平均を下げる要因に。
価格変動の長期的な傾向(2010年〜2025年)
安定した価格帯の維持
2010年以降、プリンタ用インクの価格はおおむね1800円〜2000円の範囲で推移。デジタル化による印刷需要の減退と、プリンタ本体の低価格化とのバランスで、「インクで稼ぐ」ビジネスモデルが強化されてきた。
インク価格据え置きの背景:
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メーカー側の戦略的価格維持:プリンタ本体を安く販売し、インクで利益を取る構造が定着。
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互換インク・詰め替えインクの影響:価格競争を避けるため、純正インクは価格を大きく下げていない。
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業務需要の継続:契約・帳票類・教育資料等での印刷需要は1定しており、価格下落を抑えている。
現在の価格差の構造的背景
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オンライン普及率と価格意識の差 都市部ではオンライン購入や価格比較サイトの活用が進み、消費者が安価に入手可能。1方、地方では情報格差や対面販売文化が残り、価格が高止まりする傾向。
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地方の販路限定問題 松山や鹿児島などの高価格都市では、非純正インクの流通が限定され、量販店の選択肢も限られることから、高価格が維持されやすい。
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純正インクへの信頼性重視 高齢者や企業の間では「純正=品質保証」の意識が強く、安価な互換インクへの移行が進みにくい地域もある。
今後の展望と課題
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インクのサブスクリプション化:大手メーカーでは定額でインクを配送するサービスも拡大中。これにより価格の地域差は今後縮小する可能性がある。
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環境対応と互換インクの品質向上:リサイクル・詰め替えインクの品質が向上しつつあり、価格競争が加速する可能性。
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純正と互換インクの法的整理:知的財産権の観点から互換インクの流通に制限がかかるリスクもある。
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