2025年4月の洗顔料130gの平均価格は371.7円で、前年同月比で1.8%の下落。最も高い甲府は431円、最も安い大分は271円と160円の差がある。価格下落の背景には市場の成熟、PB商品の増加、ECの普及などがある。一方、甲府や鳥取のように高付加価値商品の浸透により価格が上昇している地域も存在。今後は価格の二極化が進む可能性が高い。
小売物価統計
洗顔料小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 甲府 | 大津 | 熊本 | 山口 | 金沢 | 松山 | 鳥取 | 青森 | 高松 | 長野 |
最新値[円] | 371.7 | 431 | 420 | 418 | 417 | 412 | 412 | 411 | 411 | 406 | 405 |
前年同月比[%] | -1.827 | +6.42 | +4.762 | +4.569 | -1.199 | +11.08 | -4.196 | -2.638 | +1.759 |
洗顔料小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 大分 | 奈良 | 佐賀 | 福島 | 福井 | 盛岡 | 岐阜 | 千葉 | 名古屋 | 山形 |
最新値[円] | 371.7 | 271 | 308 | 325 | 327 | 328 | 338 | 339 | 341 | 344 | 345 |
前年同月比[%] | -1.827 | -12.86 | -3.448 | -1.813 | -3.254 | -3.245 | -5.322 | -3.143 | -6.061 | -1.994 | -5.22 |
洗顔料の推移


詳細なデータとグラフ
洗顔料の現状と今後
洗顔料は日常的なスキンケアに不可欠な製品であり、男女問わず幅広い層に利用されています。価格は原材料(界面活性剤、保湿成分など)、製造コスト、ブランド力、販売経路(ドラッグストア、ECなど)によって形成されます。また、為替の影響によって海外から輸入する原料の価格が変動することや、パッケージング、広告費、輸送費などの間接コストも小売価格に反映されます。
2025年4月の全国平均価格と地域別価格差
2025年4月時点の洗顔料130gの全国平均小売価格は371.7円です。地域別に見ると、最も高価なのは甲府(431円)、大津(420円)、熊本(418円)、山口(417円)、金沢・松山(412円)と続き、400円を超える地域が多く見られます。1方、最も安価なのは大分(271円)であり、奈良(308円)、佐賀(325円)、福島(327円)といったエリアでは300円前後と、地域間で最大160円の差があります。これは、地元小売業者の価格競争、物流コスト、ブランド取り扱いの多様性などが要因です。
前年同月比での価格変化とその読み解き
全国平均で見ると、前年同月比で-1.827%の下落となっており、全体としてやや価格が下がる傾向にあります。1方で甲府(+6.42%)、熊本(+4.762%)、金沢(+4.569%)などでは値上がりが見られ、特に鳥取は+11.08%という急騰です。これに対し、大分(-12.86%)、盛岡(-5.322%)、千葉(-6.061%)などでは大きな値下がりが確認されます。このような価格の地域差は、特売や販促キャンペーンの実施、特定ブランドの販売状況などに強く左右されており、必ずしも全国的な需給バランスだけでは説明できません。
価格下落の背景にある構造的な要因
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スキンケア市場の成熟化日本国内のスキンケア市場は成熟しており、特に洗顔料のような基本商品は競争が激しく、価格が下がりやすい状況にあります。
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ジェネリック的製品の拡大低価格帯のPB(プライベートブランド)や海外メーカー製品の増加により、従来の中価格帯製品の価格が圧迫されています。
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ドラッグストアの拡張と価格競争大手チェーンの拡張に伴い、地方でも価格競争が激化し、割引率の高い販促が継続的に行われています。
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オンライン販売の普及EC市場の台頭により、より低価格の商品が簡単に手に入るようになり、実店舗は価格での競争を強いられています。
価格上昇が見られる地域の背景分析
逆に、甲府や鳥取などで価格が上昇している背景には以下の要因が考えられます。
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高付加価値製品の浸透:オーガニック成分配合や美容液成分入りの製品の売れ行きが良い地域では、価格水準が上がる傾向があります。
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流通の限定性:流通ルートの限定により、特定地域では価格調整が難しく、結果的に高値で安定することもあります。
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地域ブランドや支持ブランドの違い:特定ブランドに強い支持がある地域では、価格よりもブランド信頼が優先されやすい傾向があります。
今後の洗顔料価格の展望と予想
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原材料価格の安定による価格抑制近年の原材料価格の高騰は1段落しており、当面は価格が大きく跳ね上がる可能性は低いと考えられます。
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PB・海外製品の競争強化引き続き低価格製品が市場に多く出回ることで、価格の低水準化が続く可能性があります。
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高機能化による価格2極化1方で、高保湿・アンチエイジングなどの付加価値を持つ製品群が増え、「安くて基本的な洗顔料」VS「高機能で高価格な洗顔料」という2極化が進む見込みです。
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エコ・サステナブル対応による価格上昇圧力容器のリサイクル化や環境に配慮した成分への切替により、製造コストが上昇し、中長期的には1部製品の価格が上がる可能性も否定できません。
まとめ
2025年4月時点での洗顔料130gの平均価格は371.7円であり、前年比では1.8%の下落を示しています。地域によっては価格が400円を超える1方、最安値の大分は270円台と160円の差が見られます。スキンケア市場の成熟、PB商品の拡大、EC競争の影響により価格は全体として下落傾向ですが、1部では高付加価値商品による価格上昇も進行中です。今後は価格2極化が進むと予測され、消費者の選択肢の幅がより広がっていくでしょう。
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