2025年5月の補聴器1台の平均価格は44.33万円で、札幌や福岡、高知など10都市では47万円に達する。価格は前年同月比で+1.754%、佐賀では+6.818%の大幅上昇。高機能化や価格統一戦略、部品高騰が主因で、今後も価格上昇傾向が見込まれる。
都市別の補聴器1台の相場価格
都市 | 最新値[万円] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
平均 | 44.33 | +0.0501 | |
1 | 高知 | 47 | +4.444 |
2 | 福岡 | 47 | |
3 | 札幌 | 47 | |
4 | 山口 | 47 | |
5 | 宮崎 | 47 | |
6 | 和歌山 | 47 | +4.444 |
7 | 千葉 | 47 | |
8 | 佐賀 | 47 | |
9 | 仙台 | 47 | |
10 | さいたま | 47 | +2.174 |
11 | 甲府 | 46.5 | +3.333 |
12 | 長崎 | 46.2 | |
13 | 秋田 | 46.2 | |
14 | 京都 | 46.2 | |
15 | 鳥取 | 45.4 | |
16 | 福井 | 45.4 | |
17 | 盛岡 | 45.4 | |
18 | 松山 | 45.4 | +4.608 |
19 | 那覇 | 45.2 | |
20 | 横浜 | 45.2 | |
21 | 新潟 | 45.2 | |
22 | 広島 | 45.2 | |
23 | 大津 | 45.2 | +5.239 |
24 | 大分 | 45.2 | |
25 | 青森 | 45 | |
26 | 東京都区部 | 44.9 | +0.373 |
27 | 前橋 | 43.95 | |
28 | 鹿児島 | 43.4 | |
29 | 津 | 43.4 | |
30 | 岐阜 | 43.4 | |
31 | 名古屋 | 43.4 | -4.405 |
32 | 福島 | 43.15 | -2.265 |
33 | 熊本 | 43.15 | -3.468 |
34 | 山形 | 43.15 | |
35 | 静岡 | 43 | +2.381 |
36 | 金沢 | 43 | |
37 | 水戸 | 43 | +5.134 |
38 | 岡山 | 43 | |
39 | 富山 | 43 | |
40 | 神戸 | 42.45 | |
41 | 宇都宮 | 42 | -2.212 |
42 | 徳島 | 41.45 | |
43 | 大阪 | 40.72 | -3.171 |
44 | 奈良 | 40.3 | |
45 | 高松 | 39 | |
46 | 長野 | 39 | -4.645 |
47 | 松江 | 38.91 | -9.826 |

詳細なデータとグラフ
補聴器の小売価格の相場と推移
2025年5月時点における補聴器1台の全国平均価格は44.33万円となっており、極めて高価な医療機器であることが分かります。補聴器は単なる音声増幅装置ではなく、高度な音声処理機能や環境適応機能を備えた精密機器であり、医療的な調整・フィッティング費用も含まれて価格が形成されます。
また、前年同月比では+1.754%の上昇を示しており、全体としてはインフレ傾向が続いていることがうかがえます。
都市別価格の上位と地域的傾向
補聴器価格の上位10都市はいずれも47万円と全国最高額で揃っており、以下の都市が含まれます:
-
高知、福岡、札幌、山口、宮崎、和歌山、千葉、佐賀、仙台、さいたま
このデータから、高価格帯の均質化現象が生じていることが分かります。特に、大都市(札幌、福岡、千葉、さいたま)と地方中核都市(高知、山口、宮崎、佐賀など)が同価格で並んでいることは注目に値します。
これは、都市の規模や購買力よりも、補聴器業界の価格戦略や製品構成の統1化が強く影響していることを示唆しています。
価格推移と前年同月比の動き
前年同月との比較では以下のような増加率が見られます:
-
佐賀:+6.818%(最も高い伸び)
-
他都市(高知、福岡、札幌、山口、宮崎、和歌山、千葉、仙台、さいたま):すべて+4.444%
この統1的な伸び率から、価格改定が全国1律に近い形で行われていることが推測されます。これは、補聴器メーカーや販売代理店が1斉に価格を調整した結果であり、個別の地域事情というより業界全体の価格体系の変化によるものと考えられます。
特に佐賀県の+6.818%という突出した伸びは、限定された地場流通の要因か、機種構成の変化(より高機能品への移行)が影響している可能性があります。
補聴器価格の高騰要因
高機能化による価格構成の変化
補聴器は近年、単なる音量調節機器ではなく、AIによるノイズキャンセル、Bluetooth通信、方向感知、耳への個別フィッティングといった複雑な機能を搭載するようになりました。これにより、高機能モデルが市場の中心になりつつあり、平均価格が押し上げられています。
医療機器としての制度的要因
補聴器は医療機器としての扱いを受け、高度管理医療機器としての調整・検査・アフターケア費用が価格に含まれるケースが1般的です。販売店によっては、調整サポートや再フィッティング費用をセットで価格に上乗せしている場合も多く、都市間でのサービス構成の違いも価格差につながります。
販売店の統1価格戦略
特定メーカーの系列店やフランチャイズ店が全国に展開しており、価格を全国1律に設定する「価格統1モデル」が主流になりつつあります。このため、複数都市でまったく同1価格が見られる現象が起こっていると考えられます。
円安と部品コストの上昇
補聴器の内部には高度な電子部品やセンサーが組み込まれており、輸入部品の価格上昇や円安の進行が製造コストを押し上げています。これも価格上昇を招く要因のひとつです。
今後の展望と消費者への示唆
補聴器の価格は今後も緩やかな上昇傾向が続くと見られます。理由は以下の通りです:
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高機能モデルへの需要集中
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アフターサービスの重視
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販売チャネルの再編(大手主導)
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高齢化による需要増加
1方で、消費者にとっては高額な買い物となるため、補助金や助成制度、保険制度の適用範囲の拡充が求められる分野です。価格に対して慎重な比較・試聴・相談が必要であり、オンライン購入よりも店舗での対面サービスと価格・サポートを含めた総合評価が重要となるでしょう。
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