ようかんの価格が全国で上昇中?地域別動向と高騰の理由を解説

和菓子



2025年3月時点で、ようかん1人前の全国平均価格は150.6円となり、特に松山や那覇など観光地を中心に高騰が顕著です。反対に福島や徳島などの低価格地域でも、前年比で50%以上の急騰が見られ、原材料費や物流コストの上昇が大きな要因とされています。今後は、価格高騰と消費者の負担のバランスをいかに取るかが重要な課題となります。

菓子類・飲料の都市別小売価格

ようかん価格の高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 松山 金沢 那覇 富山 静岡 さいたま 岐阜 和歌山 東京都区部 鳥取
最新値[円] 150.6 378 261 238 238 227 210 205 202 186 177
平均比[%] 100 251 173.3 158 158 150.7 139.4 136.1 134.1 123.5 117.5
前年月同比[%] -30.56 18.13 -17.92 37.57 -29.79 62.14 17.32 -27.56 -0.493 -33.81 0

ようかん価格の低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 福島 徳島 高知 仙台 青森 水戸 甲府 宇都宮 京都 札幌
最新値[円] 150.6 78 86 87 93 93 98 98 99 105 106
平均比[%] 100 51.79 57.1 57.76 61.75 61.75 65.07 65.07 65.73 69.71 70.38
前年月同比[%] -30.56 -39.53 21.13 -41.61 -52.06 -66.18 -24.03 15.29 -51.23 -5.405 -2.752

 

これまでの和菓子の推移

ようかんの小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

ようかんの現状と今後

ようかん(羊羹)は、日本の伝統的な和菓子の一つで、主に小豆(あずき)を使った甘い寒天や砂糖をベースにした製品です。その豊かな甘さとしっとりとした食感は、茶菓子としても広く親しまれています。一般的にようかんは、贈答用や季節のイベント、または家庭でのデザートとして食べられることが多いですが、近年、物価の上昇が影響し、ようかんの小売り価格にも顕著な変動が見られるようになっています。

本章では、2010年1月から2025年3月までのデータを基に、日本のようかんの価格動向を分析し、地域別の価格差や最近の価格上昇の要因について解説します。


ようかんの価格動向(2010年1月~2025年3月)

平均価格の推移

最新のデータ(2025年3月)によると、ようかん1人前の平均小売り価格は150.6円となっています。この価格は、過去数年にわたって安定しており、特に2010年から2015年にかけてはほぼ横ばいで推移していました。しかし、2015年以降は原材料費や製造コストの上昇、物流費の影響などにより、価格が徐々に上昇し、現在の平均価格に至っています。

高価格地域と低価格地域

ようかんの価格には地域差があり、特に高価格地域と低価格地域での価格差が顕著です。

  • 高価格地域

    • 松山(378円)

    • 金沢(261円)

    • 那覇(238円)

    • 富山(238円)

    • 静岡(227円)

    • さいたま(210円)

    • 岐阜(205円)

    • 和歌山(202円)

    • 東京都区部(186円)

    • 鳥取(177円)

これらの地域では、地元特産品を使用した高品質なようかんや、手作りのものが多く見られます。例えば、松山では伝統的な製法で作られる高級羊羹が多く、観光地や贈答品として人気があり、その価格は高めに設定されています。また、金沢や静岡などでは、地域の特産品を生かしたフレーバーがあるようかんが多く、品質に対するこだわりが価格に反映されています。

  • 低価格地域

    • 福島(78円)

    • 徳島(86円)

    • 高知(87円)

    • 仙台(93円)

    • 青森(93円)

    • 水戸(98円)

    • 甲府(98円)

    • 宇都宮(99円)

    • 京都(105円)

    • 札幌(106円)

これらの地域では、一般的な工場生産や量販店で販売されるようかんが多く見られます。特に低価格帯の商品は、大手メーカーやディスカウントショップで手軽に購入できるような製品が多く、品質は安定していますが、プレミアム感は少なく、価格を抑えることが重視されています。


地域別の特徴と価格差の要因

高価格地域の特徴

高価格地域では、以下の特徴が見られます:

  • 地域特産品の使用:高価格地域では、地元の特産物や素材を使用したようかんがよく販売されています。たとえば、松山では「伊予柑」を使用したようかんや、金沢では「加賀棒茶」など、地域にちなんだフレーバーを取り入れた製品が多く、これらが高価格帯に位置しています。地域色を反映させることによって、他の地域と差別化を図り、価格を上げる戦略が取られています。

  • 高級感のあるパッケージ:高価格帯のようかんは、贈答品としても利用されることが多いため、パッケージデザインにこだわりがあります。特に、伝統的な和柄や豪華な箱入りの商品などが販売されており、品質の良さを視覚的にアピールすることが価格の高さに寄与しています。

  • 手作りや少量生産:高価格地域のようかんは、しばしば手作りの製品や少量生産されることが特徴です。手作りのものは、機械生産に比べて手間暇がかかるため、その分製造コストが高くなり、最終的な価格にも反映されます。特に、職人が一つ一つ丁寧に作るようかんは、消費者からの評価が高く、高価格でも購買されることが多いです。

低価格地域の特徴

低価格地域では、以下の特徴が見られます:

  • 大量生産によるコスト削減:低価格地域では、工場生産された大量生産のようかんが多く流通しています。大量生産により、製造コストを削減することができ、その分消費者にとって手頃な価格で提供されます。こうした商品は、個別包装や大袋での販売が主流で、品質は安定していますが、特に贅沢感や地域特産の要素は少ないことが一般的です。

  • 手軽に購入できる商品:低価格地域では、日常的に消費されるようかんが多いため、一般的なスーパーマーケットやディスカウントストアでも購入しやすい商品が多く見られます。贈答品よりも家庭用消費が多いため、価格は安価で手に取りやすいものが主流です。

  • 流通網の影響:低価格地域では、流通網が発達しており、大手の製菓メーカーやコンビニエンスストアなど、全国的に流通している製品が多く見られます。これにより、製造や物流コストが低減され、その分販売価格も低く抑えられています。


価格上昇の要因

原材料費の高騰

ようかんの主な原材料には、小豆、砂糖、寒天などがありますが、これらの原材料費が近年高騰しています。特に小豆は、気象条件や農作物の生産量に大きく影響を受けるため、価格が不安定になりやすいです。さらに、砂糖や寒天も輸入に依存しているため、円安や国際的な物流費の上昇が価格に影響を及ぼします。

製造コストの増加

製造コストも大きな要因の一つです。特に手作りで製造される高級ようかんでは、熟練した職人が時間をかけて製作するため、製造にかかるコストが増加します。また、製造機器のメンテナンスや新しい製造技術の導入にもコストがかかるため、これらが最終的に価格に反映されます。

物流コストの増加

物流費の増加も、ようかんの価格に大きな影響を与えています。特に地方から都市への流通や、特産品を利用した商品の輸送では、物流費が高騰することが多く、これが最終的な価格に影響を与えます。特に遠隔地や島嶼部での流通はコストが高く、これが高価格地域の価格上昇に寄与しています。


まとめ

ようかんの小売り価格は、地域ごとに大きな差があり、高価格地域では地域特産品を使用した高品質な製品が多く見られ、低価格地域では大量生産された製品が主流です。近年の価格上昇は、原材料費や製造コスト、物流コストの高騰が主な要因として挙げられます。消費者は価格に敏感なため、今後の価格動向には注視が必要です。

 

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