毎月勤労統計調査
毎月勤労統計調査全国調査は、日本標準産業分類に基づく16大産業の常用労働者5人以上の事業所を対象に、賃金や労働時間、雇用の変動を毎月把握する調査です。約190万事業所から抽出した約33,000事業所を対象に、名目賃金や実質賃金、労働時間などのデータを収集します。2012年から最新のデータを含め労働者数や給料のデータをグラフ化しています。時給と日給に関してはデータはありませんが、給料総額と労働時間、労働日数から割り出しています。ボーナスを含めた給料総額を単純に労働時間と日数で割っています。
政府統計の総合窓口:毎月勤労統計調査
実労働時間の最新と最大データ
5-29人 | 30-99人 | 5人以上 | 100-499人 | 1000人以上 | 500-999人 | |
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最新 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 |
最新値[時間] | 165.3 | 164.4 | 162.2 | 159.2 | 156.7 | 156.9 |
最大期 | 2015年4月 | 2015年4月 | 2015年4月 | 2015年7月 | 2015年7月 | 2015年7月 |
最大値[時間] | 178.8 | 178.6 | 176.7 | 175.1 | 174.5 | 173.3 |
最新/最大[%] | 92.45 | 92.05 | 91.79 | 90.92 | 89.8 | 90.54 |
労働日数の最新と最大データ
5-29人 | 30-99人 | 5人以上 | 100-499人 | 500-999人 | 1000人以上 | |
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最新 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 | 2024年12月 |
最新値[日] | 20.1 | 19.5 | 19.4 | 19 | 18.6 | 18.4 |
最大期 | 2012年6月 | 2017年6月 | 2015年7月 | 2015年7月 | 2015年7月 | 2015年7月 |
最大値[日] | 21.9 | 21.3 | 21.2 | 20.8 | 20.6 | 20.5 |
最新/最大[%] | 91.78 | 91.55 | 91.51 | 91.35 | 90.29 | 89.76 |
フルタイム労働者の傾向
フルタイム労働者の月間労働時間や労働日数には、企業規模による明確な傾向が見られます。一般的に、小規模な企業ほど労働時間・労働日数が長く、大企業ほど短くなる傾向があります。以下、具体的なデータをもとに解説します。
企業規模別の月間労働時間の傾向
2024年12月のデータによると、最も長い労働時間を記録したのは5-29人規模の企業で、178.8時間となっています。次いで、30-99人規模が178.6時間、5人以上の企業全体が176.7時間、100-499人規模が175.1時間、1000人以上の大企業が174.5時間、500-999人規模が173.3時間という結果になっています。
このデータから、小規模な企業ほど労働時間が長くなる傾向が見られます。これは、小規模企業では従業員数が限られており、一人当たりの業務負担が大きいためと考えられます。一方で、大企業では分業が進み、労働時間が比較的短くなる傾向があるといえます。
企業規模別の月間労働日数の傾向
労働日数に関しても、企業規模による違いが明確に表れています。2024年12月時点で、最も多くの労働日数を記録したのは5-29人規模の企業で21.9日となっています。次いで、30-99人規模が21.3日、5人以上の企業全体が21.2日、100-499人規模が20.8日、500-999人規模が20.6日、1000人以上の大企業が20.5日という結果でした。
このデータからも、小規模企業ほど月間労働日数が多い傾向が確認できます。小規模な企業では、業務の属人化が進んでいることが多く、休暇取得が難しい場合もあるため、結果的に労働日数が増えることが考えられます。
フルタイム労働者特有の問題点
フルタイム労働者は、企業規模に関係なく長時間労働や休日の確保が課題となることが多いですが、小規模企業と大企業ではそれぞれ異なる問題が存在します。
小規模企業の課題
- 一人当たりの業務負担が大きい人員が限られているため、複数の業務を兼務するケースが多く、結果として労働時間が長くなりがちです。
- 休暇取得が困難代替要員が少なく、個人に業務が集中するため、有給休暇を取りづらい状況が生じやすいです。
- 労働環境の整備が遅れがち大企業と比べて労働時間管理のシステム化が進んでおらず、長時間労働が常態化しやすい傾向があります。
大企業の課題
- 責任の大きさ労働時間は小規模企業より短いものの、求められる成果や責任の範囲が広く、精神的負担が大きくなる場合があります。
- 長時間労働の隠れた実態大企業では「見かけの労働時間」は短くても、仕事を自宅に持ち帰るなどして実質的な労働時間が長くなるケースもあります。
- 評価制度のプレッシャー大企業では成果主義の評価制度が導入されていることが多く、労働時間が短くても高い生産性を求められるプレッシャーがあります。
労働環境改善に向けた取り組み
企業規模に関わらず、フルタイム労働者の労働環境を改善するためには、以下のような取り組みが求められます。
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業務の効率化と分業の促進小規模企業では業務の属人化を防ぐため、タスク管理ツールの活用や業務の標準化を進めることが重要です。
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適切な労働時間管理の徹底労働時間の適正管理を行い、時間外労働の削減や休暇取得の推奨を進める必要があります。
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テレワークやフレックスタイム制度の導入働き方の多様化を進めることで、労働者の負担軽減やワークライフバランスの向上が期待されます。
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評価制度の見直し大企業では労働時間ではなく成果に基づく評価を適用し、「長時間働くことが評価される」文化を変えていくことが重要です。
まとめ
フルタイム労働者の月間労働時間と労働日数は、企業規模によって異なる傾向が見られます。小規模企業では労働時間・労働日数が長く、大企業では比較的短くなるものの、責任やプレッシャーが大きくなる側面もあります。
今後、企業規模に応じた労働環境の改善が求められ、業務効率化や労働時間管理の強化、柔軟な働き方の推進が重要な課題となるでしょう。
フルタイム労働者の労働時間


フルタイム労働者の労働日数


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