2025年3月時点での日本全国のぎょうざ1人前の平均価格は398.3円で、都市ごとに価格差が顕著に表れています。最も高い長崎では583円、最も安い鹿児島は300円と大きな差があり、特に低価格地域での価格上昇が著しく、前年比80%以上の伸びを示す都市も複数あります。原材料費やエネルギー、人件費の高騰が主な要因で、庶民の味であるぎょうざも、もはや「安価な定番」ではなくなりつつあります。
惣菜・外食の都市別小売価格
ぎょうざの高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 長崎 | 熊本 | 山形 | 新潟 | 長野 | 横浜 | 甲府 | 広島 | 松山 | 静岡 |
最新値[円] | 398.3 | 583 | 517 | 509 | 500 | 483 | 477 | 467 | 465 | 463 | 444 |
平均比[%] | 100 | 146.4 | 129.8 | 127.8 | 125.5 | 121.3 | 119.8 | 117.3 | 116.8 | 116.3 | 111.5 |
前年月同比[%] | 4.892 | 2.822 | 8.386 | 6.263 | 4.822 | 9.773 | 1.923 | 0 | 0 | 1.313 | 3.981 |
ぎょうざの低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 鹿児島 | 宇都宮 | 仙台 | さいたま | 福井 | 松江 | 福島 | 大阪 | 佐賀 | 千葉 |
最新値[円] | 398.3 | 300 | 303 | 323 | 325 | 326 | 330 | 330 | 337 | 343 | 346 |
平均比[%] | 100 | 75.32 | 76.08 | 81.1 | 81.6 | 81.85 | 82.86 | 82.86 | 84.61 | 86.12 | 86.87 |
前年月同比[%] | 4.892 | 28.21 | 2.02 | -5 | 7.261 | 3.492 | 10 | 5.431 | 6.646 | -3.922 | 4.848 |
これまでの外食・他の推移


詳細なデータとグラフ
ぎょうざの現状と今後
ぎょうざは、日本全国で親しまれている外食メニューの一つです。手軽でボリュームがあり、価格も比較的安定していたため、家計の味方として長年重宝されてきました。しかし近年、その価格に変化が見られています。特に2020年代に入り、全国的な物価上昇の波を受け、ぎょうざの価格も大きく動いています。
全国平均と高価格エリアの特徴
2025年3月時点での全国平均価格は398.3円。しかし都市によって価格は大きく異なり、最も高いのは長崎の583円。次いで熊本(517円)、山形(509円)、新潟(500円)などが続きます。
これらの地域では、以下のような要因が背景にあると考えられます:
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素材へのこだわり(地元産の野菜や豚肉を使用)
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観光地としての立地(外食単価が高くなる傾向)
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人件費・光熱費の上昇(地方でも上昇傾向)
特に長野(483円)や横浜(477円)などは、ぎょうざに限らず他の外食価格も高めであり、地域全体の物価水準の高さが反映されています。
低価格エリアと急激な価格上昇
一方で、最も価格が安いのは鹿児島の300円、次いで宇都宮(303円)、仙台(323円)などとなっています。特に宇都宮は「ぎょうざの街」として有名で、競争が激しいことから価格が抑えられてきました。
しかし注目すべきは、これら低価格地域における前年同期からの増加率の高さです。鹿児島は75.32%、宇都宮は76.08%、仙台は81.1%、千葉は86.87%と、いずれも80%前後の上昇を記録しており、価格が一気に跳ね上がっていることがわかります。
これは、これまで「安さ」に依存していた地域でも、コスト上昇の影響を避けられなくなっていることを示しています。
価格高騰の背景にある要因
ぎょうざの価格が全国的に上昇している背景には、以下のような複数の要因が絡んでいます。
原材料費の上昇
特に豚肉、キャベツ、にんにく、しょうが、小麦粉など主要原材料の価格が急騰。これは円安や輸入コストの上昇、天候不順による国内生産の不安定化が影響しています。
エネルギー・物流費の増加
製造・保存・配達にかかる燃料費や電気代も増加しており、外食産業全体のコストを押し上げています。
人件費の上昇
最低賃金の引き上げや人手不足により、店舗運営コストが上がっています。特に地方でも人材確保が困難となっており、それが価格転嫁につながっています。
消費者意識の変化
「安さよりも品質」「地元食材の使用」など、消費者側の価値観の変化もあり、価格が高くても選ばれる店が増えている点も特徴です。
今後の見通しと課題
ぎょうざの価格は今後も緩やかに上昇する可能性があります。これは以下の理由からです。
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人件費・エネルギー費の継続的上昇
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安価な原材料の安定調達が困難
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持続可能性や地産地消志向の高まり
一方で、「手軽な価格で楽しめる」というぎょうざの魅力が失われつつある現状は、消費者の不満にもつながりかねません。外食産業には、価格と品質のバランス、そしてコスト転嫁の透明性が求められています。
まとめ
日本におけるぎょうざの小売価格は、地域によって大きく異なりつつも、全国的に上昇傾向にあります。かつては300円前後が当たり前だった都市でも、現在は400円以上が標準となりつつあります。原材料やエネルギー、人件費の高騰が主因であり、今後も外食価格の上昇は避けがたいと見られます。消費者と店舗の間で「納得の価格」を模索する時代が続きそうです。
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