乾燥スープの価格が下落傾向?地域差と今後の価格動向を解説

冷凍・調理

2025年4月の乾燥スープ1箱148.8gの平均価格は366.9円で前年比-2.7%。一部地域では大幅値下げが見られ、価格競争や消費者の節約志向が影響。今後はPB商品の拡大や原材料価格の変動により、さらなる価格下落の可能性がある一方、高機能商品の登場による価格上昇もあり得る。

都市別の乾燥スープ1箱148.8gの相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均377.4-0.18
1松江430+6.436
2那覇424-1.166
3秋田420+6.87
4広島419
5福井415+5.598
6和歌山415
7東京都区部400+4.439
8青森398+3.109
9甲府398
10山形397+5.585
11仙台397+5.585
12大阪394+1.809
13金沢393+4.521
14熊本393+4.521
15前橋392
16鹿児島387-3.97
17松山387
18富山382+4.372
19宇都宮382+4.658
20静岡381
21鳥取376+9.621
22札幌376-3.093
23山口376-4.082
24名古屋376+7.736
25福島375
26375-5.542
27徳島371-4.134
28新潟370
29奈良370
30京都370
31水戸365-2.926
32横浜365
33佐賀365
34長崎360-4.255
35福岡360+0.559
36盛岡360
37宮崎360
38大分360
39高松356-15.24
40さいたま354-4.582
41高知350-4.11
42岡山348-4.658
43長野345-8.488
44千葉344
45神戸343
46岐阜343-4.722
47大津322-10.56
乾燥スープ1箱148.8g

詳細なデータとグラフ

乾燥スープの小売価格の相場と推移

2025年4月時点における乾燥スープ(1箱148.8g)の全国平均価格は366.9円で、前年同月比では-2.653%の下落を示しています。これは近年の食料品全体における価格上昇傾向とは対照的な動きであり、非常に注目される変化です。乾燥スープは利便性が高く、保存も効くことから、家庭での常備食品として根強い需要がありますが、その価格は地域差と共に多様な変動を見せています。


地域別価格差とその要因

乾燥スープの価格を地域ごとに見たとき、最も高い広島(430円)と最も安い大津(268円)の間には162円の価格差があります。これは価格全体の約44%にもなる差で、乾燥スープのような標準化された商品にしては非常に大きな開きです。

主な要因には以下のようなものが挙げられます:

  1. 地場の需要と流通構造 地方都市では大手流通業者の価格調整の影響を受けにくく、個人商店や中小スーパー中心の販路となるため、価格が高止まりしやすい傾向にあります。広島や福井などがこれに該当します。

  2. 販売形態の違い 都市圏ではドラッグストアやディスカウントスーパーの普及により、乾燥スープのような日配品が特売対象となることも多く、結果として価格が押し下げられるケースが見られます。大津・横浜・名古屋などが該当します。

  3. ブランド構成の違い 地域によっては高級ラインや健康志向のプレミアム乾燥スープが主流になっており、これが平均価格を引き上げる1因となっています。


価格下落の背景と特異性

全国平均で見ると、前年同月比で約2.7%の価格下落となっていることは、昨今の物価上昇トレンドの中では異例です。その背景にはいくつかのポイントがあります:

  1. 競争激化による価格競争 乾燥スープ市場は複数の大手食品メーカー(例:味の素、ポッカサッポロ、永谷園など)が3入しており、商品開発だけでなく価格でも競争が激化。低価格での販売を強いられる場面も増えました。

  2. 簡易化と量の変化による実質値上げ回避 1部メーカーでは中身のグラム数を微調整したり、具材を減らすことでコストを抑えつつ、パッケージ価格を据え置く、あるいは値下げするという戦略が取られています。

  3. 消費者ニーズの変化 特に都市部で顕著ですが、シンプルな味わい・低カロリー志向の台頭により、従来の高機能スープよりも安価で素朴な商品への回帰が進んでいます。


大幅な値下げ地域の特異性と影響

価格が著しく下落した地域(例:大津-25.56%、岐阜-13.48%、松山-17.05%)では、以下のような動きが想定されます:

  • 大手量販店のキャンペーン効果 乾燥スープを“目玉商品”として大量仕入れ・大幅割引で販売するケースが散見され、価格水準が1時的に下がった可能性があります。

  • 需要減による棚落ち対策 都市周辺部では、即席食品全体の需要がやや縮小しつつあることから、賞味期限対策も含めた在庫処分的な値下げも考えられます。

  • 生活防衛志向の浸透 家計支出の抑制を意識した消費行動が活発化し、乾燥スープのような選択的消費財の価格に敏感な地域で、価格競争が進んだと考えられます。


今後の価格推移の展望

今後の乾燥スープ価格は、以下のような要因に左右されると予測されます:

  • 原材料価格の安定化 乾燥野菜、ブイヨン、乳製品などの価格が安定または下落すれば、製品価格も維持またはやや下がる傾向が継続する可能性があります。

  • PB(プライベートブランド)商品の台頭 スーパー各社によるPBスープの開発・販売拡大が進めば、市場価格は全体として低下圧力を受けます。

  • 為替の影響 輸入原料の割合が高い商品もあるため、円安傾向が続けば価格上昇に転じるリスクも。

  • 再び高機能化による価格上昇の兆し 1方で、たんぱく質強化、腸活成分添加などの「機能性乾燥スープ」への需要が高まれば、高価格帯商品の比率が再び上がる可能性もあり、価格全体の平均を押し上げる要因となりえます。


乾燥スープ価格の変動がもたらす影響

  1. 家庭の食品費への貢献 乾燥スープは1食あたりのコストが比較的安価であり、値下げは家計への好影響を及ぼします。特に単身者や共働き家庭での支持が高まるでしょう。

  2. 地域間価格格差による不公平感 価格差が大きいことで、同じ商品でも地域によって「高い・安い」の感覚が分かれ、生活コストの地域格差が改めて浮き彫りになります。

  3. メーカーの利益構造の再考 継続的な価格競争は企業の利益を圧迫し、品質や供給の維持に課題が生じる懸念もあります。企業側の工夫が今後の価格安定にとって重要です。

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