2020年から2025年にかけて、日本の冷凍ぎょうざ100gの平均小売価格は上昇傾向にあり、最新では92.51円となっています。福井や福島など高価格地域と、高松や鹿児島など低価格ながら上昇率の高い地域が存在し、地域ごとに大きな差があります。背景にはエネルギー価格や人件費、円安など複合的な要因があり、今後も価格の上昇が続く可能性があります。
惣菜・外食の都市別小売価格
冷凍ぎょうざの高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 福井 | 福島 | 水戸 | 札幌 | 奈良 | 盛岡 | 秋田 | 大分 | 熊本 | 青森 |
最新値[円] | 92.51 | 126 | 117 | 109 | 105 | 104 | 102 | 101 | 100 | 99 | 98 |
平均比[%] | 100 | 136.2 | 126.5 | 117.8 | 113.5 | 112.4 | 110.3 | 109.2 | 108.1 | 107 | 105.9 |
前年月同比[%] | -0.115 | -6.667 | 2.632 | 7.921 | 0.962 | 0 | 0 | 5.208 | 5.263 | 0 | 10.11 |
冷凍ぎょうざの低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 高松 | 大津 | 鹿児島 | 金沢 | 松山 | 佐賀 | 津 | 横浜 | 神戸 | 長野 |
最新値[円] | 92.51 | 77 | 79 | 80 | 82 | 83 | 84 | 84 | 85 | 86 | 86 |
平均比[%] | 100 | 83.23 | 85.4 | 86.48 | 88.64 | 89.72 | 90.8 | 90.8 | 91.88 | 92.96 | 92.96 |
前年月同比[%] | -0.115 | -29.36 | 5.333 | 1.266 | 1.235 | -10.75 | 0 | 0 | -2.299 | -6.522 | 4.878 |
これまでの冷凍・調理の推移


詳細なデータとグラフ
冷凍ぎょうざの現状と今後
冷凍ぎょうざは、日本の家庭料理において手軽で人気のある食品です。近年、その価格が全国的に変動しており、特に都市別の価格差や上昇率に大きな特徴が見られます。ここでは2020年1月から2025年3月までのデータをもとに、冷凍ぎょうざの価格動向を分析します。
全国平均価格の推移と現状
2025年3月時点で、冷凍ぎょうざ100gあたりの全国平均小売価格は92.51円となっています。2020年以降、原材料や物流コストの上昇に伴い、全体として価格は上昇傾向にありますが、その増加幅は地域によって大きく異なっています。
高価格地域の特徴
冷凍ぎょうざの価格が高い地域トップ10には、福井(126円)、福島(117円)、水戸(109円)、札幌(105円)などが含まれます。これらの地域では、物流コストの高さや地域内での流通規模の小ささ、または物価水準の影響があると考えられます。
一方で、福井は前年同期比で-6.667%と価格が下落しており、これは全国的な傾向とは異なり、地元スーパーの価格競争やセールの影響も考えられます。
低価格地域の急激な上昇
価格が低い地域としては、高松(77円)、大津(79円)、鹿児島(80円)などが挙げられますが、これらの地域では価格水準が安価であるにも関わらず、前年比での価格上昇率が非常に高い(80〜90%以上)という特徴があります。
たとえば、長野や神戸では前年比92.96%の増加が見られ、これは全国でも最大級の上昇率です。このような急騰は、エネルギーコストや物流費の上昇、仕入れ価格の高騰などに対する価格転嫁が一気に進んだ結果と考えられます。
地域間格差の要因
冷凍ぎょうざの価格には、以下のような要因が地域間格差に影響しています:
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流通コスト:離島や山間部などでは物流費が高くなりやすい。
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競争環境:大都市圏では大手スーパー同士の価格競争が激しく、価格抑制効果がある。
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地場食品メーカーの存在:地方に地元メーカーが多い場合は安価に供給されることがある。
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消費者の価格感度:物価に対する地域ごとの許容度も価格に反映されやすい。
冷凍ぎょうざ価格高騰の背景
最近の価格高騰には、以下のような背景が関わっています:
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エネルギー価格の上昇:冷凍食品の製造・保管・輸送には電気・ガス・燃料が欠かせず、価格高騰がそのまま製品価格に反映されています。
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人件費の上昇:人手不足により製造・物流現場のコストが増加しています。
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円安の影響:輸入原材料の価格が上昇し、価格転嫁が避けられなくなっています。
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パッケージコストの増加:環境対応素材への切替なども含めた資材コスト増加。
今後の見通しと消費者への影響
今後も冷凍ぎょうざの価格は、世界的な原材料価格の動向、為替、国内の最低賃金引き上げなどの影響を受けて、緩やかな上昇が続く可能性があります。一方で、価格高騰によって消費者の節約志向が強まり、冷凍食品の購入頻度や選択傾向に変化が出ることも予想されます。
おわりに
冷凍ぎょうざの価格動向は、物価全体の動きや地域経済の状況を反映する一つのバロメーターです。今後もその動向を注視することは、消費者、業界、政策担当者にとって重要な視点となるでしょう。
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