日本全国で豚カツ100gの小売価格が上昇しており、2025年3月の平均は240円。長崎や秋田などでは300円近くに達する一方、大分や和歌山などの地方都市でも前年から70〜90%の急騰が見られた。背景には豚肉や飼料価格の上昇、円安、人件費の高騰、惣菜需要の増加がある。今後も高止まりが予想され、消費者の節約志向や購入行動にも影響を与える可能性がある。
惣菜・外食の都市別小売価格
豚カツの高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 長崎 | 秋田 | 山形 | 福島 | 福岡 | 青森 | 高松 | 宮崎 | 熊本 | 水戸 |
最新値[円] | 240 | 316 | 293 | 278 | 276 | 268 | 264 | 263 | 263 | 262 | 260 |
平均比[%] | 100 | 131.7 | 122.1 | 115.9 | 115 | 111.7 | 110 | 109.6 | 109.6 | 109.2 | 108.4 |
前年月同比[%] | 3.811 | 18.35 | 12.26 | 24.11 | 4.943 | 10.74 | 11.39 | -7.067 | 10.5 | 2.344 | 0.386 |
豚カツの低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 大分 | 和歌山 | 高知 | 盛岡 | 大津 | 長野 | 前橋 | 岐阜 | 松山 | 名古屋 |
最新値[円] | 240 | 181 | 191 | 203 | 212 | 214 | 215 | 216 | 217 | 217 | 221 |
平均比[%] | 100 | 75.43 | 79.6 | 84.6 | 88.35 | 89.18 | 89.6 | 90.02 | 90.43 | 90.43 | 92.1 |
前年月同比[%] | 3.811 | 5.848 | -5.446 | -6.452 | 0.952 | -0.926 | 4.369 | 0.935 | -3.125 | -2.252 | -0.45 |
これまでの惣菜・肉の推移


詳細なデータとグラフ
豚カツの現状と今後
豚カツは日本の定番惣菜であり、外食や家庭用において高い人気を誇ります。近年、その価格には大きな変動が見られ、特に2020年代に入り、各地で価格上昇が顕著になっています。以下では、2025年3月時点のデータを中心に、豚カツ100gあたりの価格動向を分析し、背景要因と地域的な特徴を探ります。
全国平均と価格上位の都市の傾向
2025年3月時点の全国平均は240円/100g。中でも価格が高い都市は以下の通りです:
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長崎:316円(前年比+18.35%)
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秋田:293円(+12.26%)
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山形:278円(+24.11%)
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福島:276円(+4.943%)
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福岡:268円(+10.74%)
これらの地域は共通して、地元産のブランド豚の流通が多いことや、地元惣菜市場の競争の少なさなどが背景にあると考えられます。また観光需要や物価全体の上昇も影響していると見られます。
価格下位の都市の傾向と急騰の背景
一方、価格が低い都市は以下の通りです:
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大分:181円(+75.43%)
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和歌山:191円(+79.6%)
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高知:203円(+84.6%)
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盛岡:212円(+88.35%)
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大津:214円(+89.18%)
これらの都市では、これまで物価が比較的安定していた反動として、近年急激な上昇が見られます。前年比で75%以上の上昇は、全国的にも特筆すべき水準です。背景には、豚肉価格や飼料費の高騰、エネルギーコスト、流通費の増加、円安の進行など、複合的なインフレ要因が絡んでいます。
豚カツ価格を押し上げる要因
近年の価格上昇の主な要因は以下の通りです:
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豚肉自体の価格上昇:国内外での豚肉需給バランスの変化や、輸入コストの増加。
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飼料価格の高騰:トウモロコシや大豆粕などの価格上昇。
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円安の影響:輸入飼料・加工材料コスト増。
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人手不足と人件費上昇:加工・調理・流通工程でのコスト負担増。
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惣菜需要の高まり:外食よりも家庭での中食ニーズ増加により、惣菜価格全体が底上げ。
今後の見通しと消費者への影響
豚カツ価格は今後も高止まりが続く可能性があります。国内の食品業界では「品質維持と価格転嫁」の両立に苦慮しており、量の調整やサイズ縮小などの形で影響が広がることも予想されます。消費者は「お得感」を求め、まとめ買いや特売日への依存を強める傾向にあり、価格への感度がより高まる局面にあります。
まとめ
豚カツの価格は、地域によって差があるものの、全国的には確実に上昇しています。これは一時的なトレンドではなく、構造的なコスト増に起因する長期的な変化といえます。食品価格の上昇が生活費全体に影響を与える中で、今後の政策や業界の工夫が注目されるところです。
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