日本の食塩1kgの小売価格は長年安定していたが、2023年以降に急上昇し、2025年3月には全国平均で126.5円となった。特に名古屋や岐阜など一部都市で価格が高く、物流コストやブランド選好が影響。一方、札幌や大津などでは比較的安価だが、前年比では80%以上の大幅上昇。背景には原材料費や輸送費の高騰、円安などがあり、今後の価格安定には政策的対応と物流効率の改善が必要である。
加工食品の都市別小売価格
食塩の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 名古屋 | 岐阜 | 金沢 | 鹿児島 | 山口 | 富山 | 新潟 | 長野 | 熊本 | 宮崎 |
最新値[円] | 126.5 | 160 | 155 | 150 | 144 | 139 | 139 | 138 | 134 | 134 | 134 |
平均比[%] | 100 | 126.5 | 122.5 | 118.6 | 113.8 | 109.9 | 109.9 | 109.1 | 105.9 | 105.9 | 105.9 |
前年月同比[%] | 4.537 | 36.75 | 15.67 | 17.19 | 0 | 8.594 | 0 | 17.95 | -3.597 | 12.61 | 0 |
食塩の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 大津 | 札幌 | 横浜 | 秋田 | 福井 | 岡山 | 水戸 | 津 | 鳥取 | 高松 |
最新値[円] | 126.5 | 106 | 106 | 111 | 112 | 115 | 116 | 116 | 116 | 116 | 117 |
平均比[%] | 100 | 83.8 | 83.8 | 87.75 | 88.54 | 90.92 | 91.71 | 91.71 | 91.71 | 91.71 | 92.5 |
前年月同比[%] | 4.537 | 0 | 10.42 | -4.31 | 4.673 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
これまでの調味料の推移


詳細なデータとグラフ
食塩の現状と今後
食塩は日本の家庭において日常的に消費される基本的な調味料であり、生活必需品として安定した価格が求められています。本稿では、2010年1月から2025年3月までの食塩1kgあたりの小売価格の動向を基に、都市別の価格差やその背景、直近の価格高騰の要因を解説します。
全国平均価格の推移
2025年3月時点での全国平均価格は126.5円となっています。2010年から2022年までは比較的安定した推移を示していましたが、2023年以降に大幅な上昇が見られるようになりました。特にここ1年間での価格上昇が顕著で、全体的な物価高の影響を受けていると考えられます。
価格の高い地域の特徴
価格が最も高い都市は名古屋(160円)で、以下、岐阜(155円)、金沢(150円)、鹿児島(144円)などが続きます。これらの都市では、地域的な物流コストの増加や、特定ブランド・高品質商品の流通比率が高いことが価格を押し上げている可能性があります。また、名古屋では前年同期比36.75%という大幅な上昇が見られ、急激なインフレの影響を受けていると考えられます。
価格の低い地域の特徴
一方で、価格が最も低いのは大津と札幌(106円)で、横浜(111円)、秋田(112円)などが続きます。これらの地域では、競争の激しい市場構造や、大手流通網の効率的な運営によるコスト削減効果が反映されていると見られます。しかし、低価格地域であっても、前年比で80%以上の上昇が見られるなど、全体的な価格圧力の強さがうかがえます。
価格上昇の要因
食塩価格の上昇要因として、以下のような点が挙げられます:
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原材料費の高騰(塩の製造過程でのエネルギーコスト増)
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輸送コストの上昇(燃料費・人件費の増加)
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円安による輸入品の価格上昇
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流通網の再編・縮小による供給効率の低下特に2023年以降、世界的なインフレ圧力と日本国内の物流費上昇が重なり、日常生活に密接な商品である食塩にもその影響が及んでいます。
今後の展望と課題
今後も価格の変動は継続すると予想されます。政策的な価格安定策の導入や、物流の効率化を通じたコスト抑制が求められます。特に高齢化や地方都市の流通網縮小が進む中で、地域ごとの特性に応じた対策が必要です。
まとめ
食塩の価格はこれまで比較的安定していたものの、近年の社会経済的変化により急騰しています。都市ごとの価格差も拡大しており、今後は国全体での生活必需品の価格安定に向けた取り組みが重要となるでしょう。
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