日本のキムチ1kgの平均小売価格は2025年3月時点で1045円。鹿児島や津など西日本では高値傾向だが、大津や奈良などでは安価ながら前年比60~90%超の急騰が目立つ。背景には輸入原料の高騰や物流費の上昇、健康志向による需要増がある。地域によって価格差が大きく、今後も注視が必要な食品の一つとなっている。
加工食品の都市別小売価格
キムチの高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 鹿児島 | 津 | 熊本 | 甲府 | 福井 | 高松 | 和歌山 | 鳥取 | 徳島 | 岡山 |
最新値[円] | 1045 | 1266 | 1259 | 1253 | 1249 | 1243 | 1217 | 1217 | 1214 | 1179 | 1157 |
平均比[%] | 100 | 121.2 | 120.5 | 120 | 119.6 | 119 | 116.5 | 116.5 | 116.2 | 112.9 | 110.8 |
前年月同比[%] | 2.641 | 2.843 | 12.31 | 16.23 | 23.18 | 0 | 11.75 | 7.986 | -4.259 | 3.33 | 2.028 |
キムチの低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 大津 | 奈良 | 松山 | 宮崎 | 岐阜 | 山形 | 富山 | 大分 | 松江 | 長野 |
最新値[円] | 1045 | 704 | 803 | 819 | 847 | 850 | 864 | 911 | 919 | 935 | 944 |
平均比[%] | 100 | 67.4 | 76.88 | 78.41 | 81.09 | 81.38 | 82.72 | 87.22 | 87.98 | 89.52 | 90.38 |
前年月同比[%] | 2.641 | 0 | 8.514 | -12.31 | 5.611 | 3.155 | 0.935 | -27.7 | -9.279 | 24.01 | 7.886 |
これまでの漬物の推移


詳細なデータとグラフ
キムチの現状と今後
キムチは近年、日本国内でも人気のある漬物として定着しており、韓国由来の調味漬け食品として多くの家庭で消費されている。本稿では、2014年から2025年3月までのキムチ1kgあたりの小売価格の動向と、都市別の価格特徴、さらに昨今の価格上昇要因について分析する。
全国平均価格の推移
最新のデータによると、2025年3月時点でのキムチ1kgの全国平均価格は1,045円である。2014年からの長期的な推移を見ると、全体として緩やかな上昇傾向が見られ、特に2020年代に入ってからの価格上昇が顕著である。
価格が高い地域の特徴
価格が高い上位10都市には、鹿児島(1,266円)、津(1,259円)、熊本(1,253円)、甲府(1,249円)、福井(1,243円)などが挙げられる。これらの地域では、地元の食品加工業者による付加価値の高いキムチの製造や、原材料費・輸送費の影響が反映されていると考えられる。
特に甲府では前年同期比で23.18%と顕著な上昇を記録しており、輸入材料の価格上昇や製造コストの増加が要因と見られる。
価格が低い地域の特徴
一方で、価格が低い都市としては、大津(704円)、奈良(803円)、松山(819円)、宮崎(847円)、岐阜(850円)などがある。これらの地域では比較的価格を抑えた製品の流通が中心で、スーパーマーケットなどで大量仕入れされたコストパフォーマンス重視の商品が多く見られる。
ただし、大津や奈良、松山といった地域では前年比で60~90%近い価格上昇が記録されており、これまで価格が低かった地域ほど急激な価格改定が行われている傾向がある。
価格上昇の要因
近年のキムチ価格上昇には、以下のような要因が関与している:
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原材料費の高騰:白菜や唐辛子、ニンニクなどの主要原材料の価格が上昇。
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輸入コストの増加:韓国からの輸入品に対する為替の影響や物流コストの上昇。
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国内製造コストの上昇:人件費やエネルギー価格の上昇。
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健康志向の高まり:発酵食品としての健康効果が注目され、高品質な国産品への需要が増加。
これらの要素が複合的に絡み合い、全国的な価格上昇を引き起こしている。
今後の展望と課題
今後も原材料価格の不安定さや人件費の上昇により、価格が高止まりまたはさらに上昇する可能性がある。消費者の健康志向の強まりと相まって、品質にこだわる高価格帯商品の需要は引き続き堅調と予想される。
一方で、価格が急上昇している地域では、消費者の購買意欲の減退が懸念され、販売戦略の見直しや価格帯の多様化が必要とされる。
まとめ
キムチは日本の食卓に定着した一方で、近年の価格上昇が顕著となっている。都市によって価格差が大きく、背景には流通形態や需要、地元の製造体制の違いがある。今後も価格動向の注視とともに、地域に応じた販売戦略や政策的支援が求められるだろう。
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