日本のかまぼこ100gの最新平均価格は195.5円で、都市別に価格差が見られる。佐世保や函館などの高価格地域では特に高く、前年比で急激な価格上昇が見られる。安価な地域でも価格は増加しており、70%以上の増加率が観察される。原材料費やエネルギーコストの上昇、人件費の増加が主な要因とされ、業界は価格上昇に対応するための対策が求められている。
加工食品の都市別小売価格
かまぼこの高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 佐世保 | 函館 | 西宮 | 和歌山 | 甲府 | 津 | 松阪 | 藤沢 | 立川 | 静岡 |
最新値[円] | 195.5 | 322 | 303 | 257 | 253 | 244 | 242 | 240 | 237 | 236 | 235 |
平均比[%] | 100 | 164.7 | 155 | 131.4 | 129.4 | 124.8 | 123.8 | 122.8 | 121.2 | 120.7 | 120.2 |
前年月同比[%] | 0.565 | 0 | 14.77 | -1.154 | -5.597 | 0 | 0 | 0 | 0 | -0.422 | 3.07 |
かまぼこの低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 山口 | 八戸 | 熊谷 | 広島 | 新潟 | 長崎 | 宇部 | 秋田 | 大津 | 大阪 |
最新値[円] | 195.5 | 133 | 138 | 146 | 147 | 150 | 152 | 154 | 154 | 155 | 156 |
平均比[%] | 100 | 68.02 | 70.58 | 74.67 | 75.18 | 76.72 | 77.74 | 78.76 | 78.76 | 79.28 | 79.79 |
前年月同比[%] | 0.565 | -18.9 | -6.122 | -4.575 | 2.083 | -17.58 | -2.564 | -21.83 | 0 | -12.92 | -1.887 |
これまでの魚加工品の推移


詳細なデータとグラフ
かまぼこの現状と今後
かまぼこは、日本の伝統的な練り物食品の一つで、祝いの席やおせち料理にもよく登場する庶民的な食品である。2025年3月の最新データによると、かまぼこ100gの全国平均価格は195.5円となっており、過去10年以上にわたり徐々に上昇傾向を示している。2010年以降のデータを参照すると、2020年ごろまでは比較的安定していたが、近年は物価上昇の影響を受けて大きく価格が上がっている。
価格が高い地域の特徴
かまぼこの価格が高い都市として、佐世保(322円)、函館(303円)、西宮(257円)などが挙げられる。これらの都市は、地元で高品質なかまぼこが生産されていたり、観光地としての需要が高いことが影響している可能性がある。特に佐世保や函館は海産物が豊富であり、地域色を生かした製品の付加価値が価格に反映されている。
価格が低い地域の特徴
一方、かまぼこの価格が低い地域には、山口(133円)、八戸(138円)、熊谷(146円)などがある。これらの都市では比較的価格が抑えられているが、前年同期比での価格上昇率が極めて高いことが注目される。たとえば、山口では68.02%、八戸では70.58%、熊谷では74.67%と、急激な価格上昇が起きており、従来の安価な価格設定から急速に調整されつつあることが分かる。
価格上昇の背景と要因
かまぼこの価格上昇の主な要因には以下のものがある:
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原材料である魚肉の価格高騰(特にスケソウダラなど)
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エネルギー価格の上昇による製造・物流コストの増加
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包装資材の価格上昇と円安の影響
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人件費の上昇と働き手不足
また、近年では輸入依存度の高い原材料の価格が不安定化しており、それが価格に大きく反映されている。
今後の見通しと課題
今後も原材料費やエネルギーコストの上昇が続けば、かまぼこの価格はさらに上昇する可能性がある。特に地方においては、安価な価格帯が維持できなくなり、全国的に価格の均質化が進むと予想される。一方で、消費者の節約志向が強まる中、メーカー側は価格据え置きの努力や、内容量の調整などによる工夫を求められるだろう。
また、かまぼこ業界全体としては、付加価値の高い商品開発や輸出市場への展開など、新たな市場戦略が今後の鍵を握ると考えられる。
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