納豆の価格が上昇中?地域別の特徴と要因を徹底解説

加工食品



2010年から2014年にかけて、日本の納豆1パックの平均価格は96.04円と緩やかに上昇。那覇や津などでは価格が高めで、地理的要因や地場ブランドが影響。一方、佐世保や郡山などでは価格が低いが、前年比で大幅な上昇率を記録している。原材料の高騰、エネルギー・物流費の上昇、地域産業の縮小が背景にあり、今後は価格安定と持続可能な供給体制の両立が課題である。

食品・外食の都市別小売価格

納豆の高い都市

2014年12月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 那覇 大津 盛岡 伊丹 高松 福島 広島 今治 熊本
最新値[円] 96.04 132 114 110 109 109 108 107 107 105 104
平均比[%] 100 137.4 118.7 114.5 113.5 113.5 112.5 111.4 111.4 109.3 108.3
前年月同比[%] 2.06 -3.65 5.556 20.88 6.863 11.22 6.931 8.081 8.081 -5.405 6.122

納豆の低い都市

2014年12月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 佐世保 郡山 佐賀 函館 長野 厚木 佐倉 松本 横須賀 奈良
最新値[円] 96.04 73 73 75 77 78 80 82 84 87 88
平均比[%] 100 76.01 76.01 78.09 80.18 81.22 83.3 85.38 87.47 90.59 91.63
前年月同比[%] 2.06 -17.05 0 -1.316 -17.2 -7.143 2.564 -11.83 -7.692 -11.22 -3.297

 

これまでの 加工食品の推移

納豆の小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

納豆の現状と今後

2010年から2014年にかけて、日本全国の納豆価格は比較的安定して推移していましたが、2014年末時点での平均価格は96.04円と、じわじわと上昇傾向が見られます。納豆は手軽で健康的な発酵食品として需要が安定している一方、地域ごとの価格差が顕著であり、全国一律で語れない特徴があります。

地域別の価格の特徴

高価格地域の傾向

  • 那覇(132円)を筆頭に、津(114円)、大津(110円)、盛岡(109円)など、地方都市で価格が高い傾向が見られます。

  • 地域的な物流コストの高さや、大手納豆メーカーの流通が限られているエリアでは、地元ブランドが強く、その分単価も高くなる傾向があります。

  • 大津(20.88%増)のように急激な価格上昇が起きた地域もあり、地域内需や店舗数、仕入れルートによる違いが影響しています。

低価格地域の傾向

  • 佐世保・郡山(73円)、佐賀(75円)など、九州・東北・甲信地方に価格が安い都市が集中。

  • 特にこれらの地域では、大手スーパーの競争が激しく、価格競争がそのまま小売価格に反映されています。

  • しかし、前年比で奈良(91.63%増)、横須賀(90.59%増)など、安価な地域でも急激な価格上昇が確認されており、以前の安価な状況が急変している様子がうかがえます。

価格高騰の背景要因

原材料価格の変動

納豆の主原料である大豆は、国内産に加えてアメリカなどからの輸入品にも依存しており、円安や国際価格の変動が直撃します。2010年代前半には円安が進み、輸入大豆のコストが増大しました。

エネルギー・物流費の上昇

製造工程には電力や水道といったコストがかかり、また、発酵や保存のための温度管理などにもエネルギーを要します。加えて、ガソリン価格の高騰が地方への輸送コストを押し上げました。

地場産業の縮小と集中

特定地域では地元の納豆業者が廃業または統合され、選択肢が限られた結果、価格競争が起きにくくなっていることも価格上昇の一因と考えられます。

今後の課題と展望

納豆は庶民的な健康食品として、価格の安定が重要です。今後は次のような課題と対応が求められます。

  • 原材料の安定調達:国産大豆の生産支援や輸入大豆の価格変動対策が必要。

  • 流通網の効率化:地方の物流体制を改善し、輸送コストを抑える工夫。

  • 中小メーカーの支援:地域密着型企業が持続可能な運営を行えるよう支援策の強化。


納豆は価格が安いイメージがありますが、地域によっては100円を超え、年々価格が上昇しています。今後、消費者の負担を抑えつつ、安定供給と品質の両立をどう図るかが大きな課題となるでしょう。

 

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