日本のえび価格が高騰中!地域別動向と原因、今後の展望を徹底解説

食料品



日本のえび100gの平均小売価格は2025年3月時点で349.4円と高騰傾向にあります。特に地方都市では前年比80%超の値上がりが見られ、国際価格の上昇、円安、輸送・人件費の増加が主因です。一方で、都市部では外食需要が価格を押し上げています。今後は養殖技術の向上や流通の見直しにより、安定供給と価格抑制が期待されます。

食料品の都市別小売価格

えびの高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 徳島 広島 福島 今治 相模原 川口 福岡 藤沢 浦安
最新値[円] 349.4 508 491 479 479 463 462 440 419 413 402
平均比[%] 100 145.4 140.5 137.1 137.1 132.5 132.2 125.9 119.9 118.2 115
前年月同比[%] 4.018 24.51 49.24 25.39 6.92 10.77 11.33 11.96 0 0 11.98

えびの低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 高松 佐世保 福山 鹿児島 和歌山 大阪 宮崎 熊本 姫路 鳥取
最新値[円] 349.4 227 234 250 252 258 262 265 280 281 286
平均比[%] 100 64.96 66.96 71.54 72.11 73.83 74.98 75.83 80.13 80.41 81.84
前年月同比[%] 4.018 -12.69 27.17 15.21 8.621 -0.386 -19.63 15.22 21.74 -1.748 -5.298

 

これまでの魚類他の推移

えびの小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

えびの現状と今後

えびは、日本の食卓に欠かせない魚介類のひとつであり、天ぷら、寿司、エビチリ、炒め物など、幅広い料理で使用されています。しかし、近年はその価格が急騰し、家庭や飲食店にとって大きな負担となっています。本稿では、2016年から2025年3月までのデータをもとに、日本のえびの小売価格の推移、地域ごとの特徴、価格高騰の要因を章立てて解説します。


全国平均価格の動向と長期的な傾向

2025年3月時点でのえびの全国平均価格は349.4円/100g。2016年以降のデータを見ても、ここ数年で急速に価格が上昇しています。特に2023年から2025年にかけて、国内外の供給不安や輸送コストの高騰により、えびの価格上昇は顕著です。


地域別に見る価格の特徴

● 高価格帯地域(上位10都市)

  1. 徳島:508円(前年比 +24.51%)

  2. 広島:491円(+49.24%)

  3. 福島・今治:479円(+25.39%、+6.92%)

  4. 相模原:463円(+10.77%)

  5. 川口:462円(+11.33%)

  6. 福岡:440円(+11.96%)

  7. 柏:419円

  8. 藤沢:413円

  9. 浦安:402円(+11.98%)

これらの地域は、大都市近郊や港湾地域であり、観光需要や外食需要が高く、業務用需要の価格が一般小売に影響していると考えられます。また、輸入品の比率が高い都市ほど、国際価格や為替の影響を受けやすい傾向があります。

● 低価格帯地域(下位10都市)

  1. 高松:227円(+64.96%)

  2. 佐世保:234円(+66.96%)

  3. 福山:250円(+71.54%)

  4. 鹿児島:252円(+72.11%)

  5. 和歌山:258円(+73.83%)

  6. 大阪:262円(+74.98%)

  7. 宮崎:265円(+75.83%)

  8. 熊本:280円(+80.13%)

  9. 姫路:281円(+80.41%)

  10. 鳥取:286円(+81.84%)

一見して価格は安価ですが、前年同期からの増加率は非常に高いのが特徴です。漁港のある地域や産地直送が可能な地方都市では価格が抑えられている一方で、燃料高騰や人手不足によるコスト増が急激な値上げにつながっています。


価格上昇の背景にある主な要因

● 国際価格の高騰と輸入依存

日本で流通するえびの多くは、東南アジア(インド、タイ、ベトナムなど)からの輸入に依存しています。近年、これらの国々でも気候変動や疫病、労働力不足が深刻化しており、供給が不安定になっています。その結果、国際価格の上昇が国内価格に直結しています。

● 円安と輸入コストの増加

円安の進行により、輸入えびのコストが大幅に上昇しました。これにより、国内小売価格も影響を受けており、特に円建ての取引が基本の小売業者にとってはコスト増が顕著です。

● 燃料・輸送コストの上昇

輸送手段である冷凍トラックや船舶の燃料費も上昇しています。特に地方の内陸都市では流通経路が長いため、より価格への転嫁が進みやすくなっています。

● 人手不足と加工コストの増大

えびの殻むきや選別といった加工工程は手作業が多く、人手不足が加工コストを押し上げています。また、最低賃金の引き上げも、業務用価格に影響を及ぼしています。


今後の見通しと対応策

● 養殖技術の進展に期待

現在、えびの養殖は技術的な進歩が進んでおり、特にインドやタイでは持続可能な形での養殖が模索されています。日本国内でも、陸上養殖の研究が進められています。

● サステナブルな流通網の確立

産地直送の強化や、再冷凍を避けた輸送手段の開発など、消費地に近い流通網を確保することが、価格の安定につながると期待されています。

● 消費者への啓発

えびの価格上昇の背景にある国際情勢や国内産業の事情を丁寧に伝えることで、消費者の理解と納得を得ることも大切です。


まとめ

えびの小売価格は全国的に上昇しており、特に地方都市では増加率が顕著です。背景には国際価格の高騰、円安、輸送コストの増大、人手不足など、複合的な要因が存在します。今後は、養殖の推進や流通の見直し、消費者教育を通じて、安定的な供給と価格抑制を目指す取り組みが求められています。

 

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