ししゃも価格が全国的に高騰中―都市別動向と今後の課題とは?

食料品



ししゃもの全国平均小売価格は2025年3月時点で100gあたり223.9円となり、長期的に上昇傾向を示している。特に輸入依存度の高さ、円安、輸送・加工コストの増加が価格高騰の要因として挙げられる。都市別では大津や松本などで高値を記録する一方、八戸や伊丹などは低価格ながら上昇率が著しい。今後は安定供給と価格抑制策の両立が課題となる。

食料品の都市別小売価格

ししゃもの高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 大津 松本 所沢 高松 立川 熊本 徳島 宮崎 宇部 長野
最新値[円] 223.9 304 284 282 265 264 263 260 260 260 258
平均比[%] 100 135.8 126.8 125.9 118.3 117.9 117.4 116.1 116.1 116.1 115.2
前年月同比[%] 3.515 15.59 15.45 18.99 12.29 6.024 4.781 3.586 -5.455 -5.109 5.306

ししゃもの低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 八戸 伊丹 秋田 福井 大阪 東大阪 長岡 盛岡 熊谷 函館
最新値[円] 223.9 151 153 178 179 182 183 183 184 185 191
平均比[%] 100 67.43 68.32 79.49 79.93 81.27 81.72 81.72 82.17 82.61 85.29
前年月同比[%] 3.515 0 -35.98 3.488 -10.95 -16.89 -6.633 -4.688 8.876 -8.416 3.804

 

これまでの魚の推移

ししゃもの小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

ししゃもの現状と今後

ししゃもは、日本の食卓で広く親しまれている魚の一つであり、焼き物やお弁当のおかずとして定番の存在である。特に北海道産の本ししゃもが有名であるが、市場に出回る多くはカラフトししゃも(カペリン)である。2025年3月時点での全国平均価格は100gあたり223.9円となっており、長期的に見ると価格は上昇傾向にある。本稿では、ししゃもの小売価格の動向や地域差、価格高騰の要因について詳細に解説する。

価格の全国平均と推移

2010年以降、ししゃもの価格は安定しつつも少しずつ上昇してきた。2025年3月の全国平均価格は223.9円で、これは10年前と比較して顕著に高い水準である。背景には輸入価格の上昇や円安の影響、さらには流通コストの増加があると考えられる。

都市別価格の特徴

高価格帯の都市には、大津(304円)、松本(284円)、所沢(282円)などがあり、主に内陸部や西日本の都市が目立つ。これらの地域では、地元消費者の高い品質志向や輸送距離の長さによる物流コストの上乗せが価格に反映されている可能性がある。

一方、低価格帯の都市には、八戸(151円)、伊丹(153円)、秋田(178円)など東北・関西の一部都市が挙げられる。これらの地域では、比較的流通経路が確立しており、仕入れコストを抑えられていることが低価格の背景と考えられる。

前年同期比の価格上昇率

前年同期と比較すると、特に低価格帯の都市で大きな価格上昇が見られた。八戸(+67.43%)、伊丹(+68.32%)、秋田(+79.49%)、福井(+79.93%)などでは、急激な価格上昇が起きている。これは、これまでの低価格水準が維持困難になったことや、仕入れ先の価格改定、物流費の高騰が影響していると考えられる。

一方で、高価格帯の都市では、価格上昇率が比較的穏やかで、大津(+15.59%)、松本(+15.45%)などは堅調な価格上昇にとどまっている。

価格上昇の要因

ししゃも価格の上昇には以下のような要因が関係している:

  • 為替レートの変動:輸入品が多いししゃもにおいて、円安は価格上昇に直結する。

  • 輸送費の増加:原油価格の高騰や人手不足により、物流コストが全体的に上昇している。

  • 加工コストの増大:人件費の上昇や衛生基準の強化により、加工にかかる費用が高くなっている。

  • 需要の増加と供給の不均衡:季節需要の変動や漁獲量の減少による不安定な供給が、価格を押し上げている。

今後の見通しと課題

今後もししゃもの価格は高止まりする可能性があり、特に輸入依存の強い品目として為替の影響を大きく受ける。安定供給体制の確立や物流効率化、代替魚種の活用などが求められる。また、家庭の食卓における価格負担の軽減のため、販売戦略の見直しや価格調整が必要になるだろう。

まとめ

ししゃもの価格は全国的に上昇しており、地域差も顕著である。背景には国際市場の変動や国内物流・加工体制の課題がある。今後は、持続可能な価格維持と供給体制の構築が重要となり、政策的支援や業界の対応が求められる。

 

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