あじの価格が上昇傾向に―全国の都市別比較と高騰の背景分析

食料品



あじの小売価格は2010年以降、緩やかな上昇傾向を示し、2025年3月時点での全国平均は153.6円/100g。高価格帯では枚方・宇部・大津など西日本が多く、観光地や地元水産資源の影響が大きい。一方、安価な地域は大阪・神戸・福山など物流効率の高い都市が多い。価格上昇の背景には、漁獲量の不安定化や物流・加工コストの上昇がある。今後は安定供給と価格抑制の両立が課題となる。

食料品の都市別小売価格

あじの高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 枚方 宇部 大津 和歌山 富山 山口 奈良 甲府 小山 旭川
最新値[円] 153.6 260 245 232 226 201 200 191 188 188 187
平均比[%] 100 169.3 159.5 151 147.1 130.9 130.2 124.3 122.4 122.4 121.7
前年月同比[%] 20.42 106.3 56.05 63.38 1.802 14.86 25 44.7 77.36 64.91 19.11

あじの低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 大阪 神戸 福山 熊谷 佐賀 姫路 長崎 水戸 浜松 前橋
最新値[円] 153.6 82 99 101 104 105 108 115 118 120 122
平均比[%] 100 53.38 64.45 65.75 67.7 68.36 70.31 74.87 76.82 78.12 79.42
前年月同比[%] 20.42 -35.43 -25.56 -1.942 8.333 1.942 5.882 -2.542 18 -8.397 24.49

 

これまでの魚の推移

あじの小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

あじの現状と今後

あじは、日本の食卓において広く親しまれている魚の一つであり、塩焼きや南蛮漬け、刺身など多彩な調理法で楽しまれている。2025年3月時点での全国平均価格は100gあたり153.6円となっており、過去の水準と比較して上昇傾向にある。本稿では、あじの小売価格の変動傾向や地域別の特徴、価格上昇の要因などを詳細に解説する。

価格の全国平均と動向

2010年以降、あじの価格は大きな変動はないものの、近年になって上昇傾向が顕著になっている。2025年3月の全国平均価格は153.6円であり、輸送費や加工費の上昇、漁獲量の減少などが影響していると考えられる。特に2024年から2025年にかけての急騰が注目される。

都市別価格の特徴

高価格帯の都市には、枚方(260円)、宇部(245円)、大津(232円)、和歌山(226円)などがあり、西日本を中心に価格が高い傾向が見られる。これらの地域では、地元水揚げの高品質なあじが流通していることや、観光需要、外食産業向けの需要も価格を押し上げている要因となっている。

一方、低価格帯の都市としては、大阪(82円)、神戸(99円)、福山(101円)、熊谷(104円)などがあり、関西や九州、関東に分布している。都市部での大量仕入れや効率的な流通網の確立により、価格が比較的抑えられている可能性がある。

前年同期比の価格上昇率

前年同期と比較すると、あじの価格は全国的に著しく上昇しており、枚方(+106.3%)や小山(+64.91%)、熊谷(+67.7%)、前橋(+79.42%)など、多くの地域で50%以上の増加が確認されている。これは、魚価全体の上昇傾向と一致しており、単なる地域要因だけでなく、全国的な供給不安定やコスト上昇が背景にある。

一方で、和歌山(+1.802%)や富山(+14.86%)などでは上昇率が比較的緩やかであり、安定した供給体制や地元優先の流通システムが価格安定に寄与している可能性がある。

価格上昇の背景

あじ価格の上昇には、以下のような複数の要因が影響している:

  • 漁獲量の減少:海水温の上昇や海洋環境の変化による資源の減少。

  • 燃料費や輸送費の上昇:物流コストが価格に反映される。

  • 加工費・人件費の高騰:加工工程の費用や労働力不足が価格上昇を後押し。

  • 需要の変化:健康志向の高まりにより、青魚需要が増加。

今後の見通しと課題

今後もあじの価格は高止まりする可能性が高い。持続可能な漁業資源管理の推進、漁業者支援の強化、物流網の見直しなど、価格抑制のための対策が急務である。さらに、消費者負担を軽減するための代替魚種の導入や販売促進施策も求められる。

まとめ

あじの価格はここ数年で全国的に急騰しており、地域差も大きくなっている。背景には資源減少、輸送コスト増、需要増加など複数の要因が絡み合っている。今後も価格動向を注視するとともに、安定供給と適正価格の実現に向けた取り組みが不可欠である。

 

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