2025年イワシ価格動向|平均93円、地域差と価格変動の背景分析

食料品

2025年5月のイワシ100gの平均価格は94.85円。那覇(194円)や関東・四国の都市部で価格が高騰傾向。一部地域では前年比40〜50%増の急上昇も見られる。漁獲量の不安定さ、輸送コスト、健康志向の高まりが価格上昇の背景にある。

都市別のイワシ100gの相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均96.49+2.776
1那覇175
2長崎143+25.44
3府中124-2.362
4今治124-0.8
5甲府120+34.83
6藤沢119
7大分119+12.26
8富山118-2.479
9宇部118+11.32
10豊橋116
11東京都区部115+12.75
12札幌115+10.58
13高松114+21.28
14佐世保114+7.547
15福岡113+16.49
16松山113+3.67
17八王子112+17.89
18立川110+19.57
19和歌山110+5.769
20107+40.79
21金沢106-4.505
22静岡105+10.53
23横浜105+9.375
24さいたま105-0.943
25熊本104+0.971
26小山103-3.738
27佐賀103-3.738
28松江102-4.673
29仙台102+13.33
30福井101+2.02
31秋田100+9.89
32山口100-5.66
33宇都宮100+12.36
34姫路100+1.01
35北九州100-0.99
36神戸99+6.452
37盛岡99+26.92
38熊谷99+17.86
39所沢98+40
40山形98+5.376
41長野97-9.346
42日立97+2.105
43名古屋97+4.301
44伊丹97-38.22
45鳥取94-6
46長岡94+2.174
47新潟94+1.075
48川崎94-6
49宮崎94+27.03
5093
51京都93+3.333
52福島91+3.409
53水戸91
54郡山90+5.882
55富士89+7.229
5688
57千葉88+2.326
58高知85-7.609
59松本85-12.37
60浜松84-6.667
61岡山84-2.326
62前橋84+6.329
63相模原83+7.792
64旭川83-1.19
65徳島82-6.818
66川口82
67八戸79+2.597
68西宮78-2.5
69広島78-12.36
70大阪76-6.173
71函館74-15.91
72枚方73-7.595
73青森71-8.974
74岐阜70-24.73
75鹿児島69-30.3
76松阪69-25.81
77浦安67-10.67
78福山65-9.722
79奈良63-8.696
80東大阪62-3.125
81大津61-39.6
イワシ100g

詳細なデータとグラフ

イワシの小売価格の相場と推移

2025年5月現在、イワシ100gあたりの全国平均価格は94.85円で、低価格な大衆魚の代表格として位置付けられています。ただし、都市別では価格差が顕著で、最も高い那覇市は194円と、全国平均の約2倍に達しています。

以下に上位都市を並べると、

  • 那覇:194円

  • 所沢:127円(前年比+42.7%)

  • 藤沢:126円

  • 高知:125円(+48.81%)

  • 府中・宇部:122円といった顔ぶれで、都市部や水産物消費の多い地域、地理的に輸送が必要な地域で高価格が観察されます。


都市別価格の傾向

那覇(194円)

沖縄県は本州からの輸送コストがかかる上、生鮮魚の地元供給が限られており、加工・冷凍品を含めて価格が高めに。イワシは比較的消費量が少なく、需要の低さゆえの高値安定とも考えられます。

所沢・府中・藤沢(関東圏)

内陸部や都市部では、流通経路の複雑さや小売店の価格競争によって価格が不安定。所沢の+42.7%という急上昇は、局所的な供給不足や天候・漁獲量の不安定さが影響した可能性があります。

高知(125円/前年比+48.81%)

高知は水産物の供給拠点である1方、イワシは地元での消費より加工・出荷用に回されがちであり、地元市場に回る量が少ないことで価格が高騰したと推察されます。

宇部(122円/-7.576%)

数少ない価格下落都市。地元スーパーの競争や販売促進策により、仕入れコストよりも販売価格を抑えた動きが見られる可能性があります。


過去の推移と価格上昇の背景

全国平均は前年同月比で+5.685%と、近年の他の魚種や畜肉類に比べれば穏やかな上昇幅です。ただし、都市によっては30〜50%の急上昇が発生しており、以下の要因が影響しています:

  • 漁獲量の減少傾向:イワシは年ごとの資源変動が大きく、特に近年は天候異変や海水温上昇による漁獲量不安が頻発。

  • 輸送・流通コストの上昇:燃油代、冷蔵輸送、人件費の上昇により、小売価格に転嫁。

  • 国内加工用から輸出志向へのシフト:水産加工業界の輸出拡大により、国内向けの鮮魚供給が減少。

  • 健康志向と家庭調理の増加:EPAやDHAを含む青魚としての健康価値が見直され、内食需要が増加


イワシの生産と供給の特徴

日本における主要水揚げ地

  • 千葉県(銚子)や静岡県、長崎県、北海道などで多く漁獲されます。

  • まき網漁業が主流で、漁獲量は年によって大きく変動するのが特徴です。

生鮮と加工のバランス

  • 漁獲直後に加工品(煮干し、干物、缶詰)に回る割合が多く、生鮮品は1部に限られる

  • 都市部や内陸では、冷凍や輸送処理により鮮度保持コストがかさむ=価格上昇につながります。


今後の展望と都市間格差の行方

今後の価格動向は以下の要素に左右されます:

  • 資源の自然回復・漁獲制限緩和による供給安定化

  • 円安や国際需給による原料価格の変動

  • 内食志向・魚食回帰の持続性

  • 低価格を維持するスーパーの企業努力

都市ごとの価格差は、流通網・消費文化・販売政策の違いによって継続する可能性が高く、特に那覇のような地域は長期的に高値が定着することが予想されます。

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