2025年3月時点で、日本のバナナ1kgの平均小売価格は363.2円と過去最高水準に達しています。フィリピンの干ばつや火山噴火による生産減少、円安、輸送コストの増加が主な要因です。特に福井や長崎などで価格が高騰し、和歌山や熊谷などの低価格地域でも前年比で大幅な上昇が見られます。今後も高値が続く可能性があり、消費者の購買行動に影響を与えると考えられます。
食料品の都市別小売価格
バナナの高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 福井 | 長崎 | 富山 | 水戸 | 青森 | 札幌 | 旭川 | 那覇 | 藤沢 | 仙台 |
最新値[円] | 363.2 | 473 | 458 | 438 | 424 | 420 | 420 | 417 | 409 | 409 | 409 |
平均比[%] | 100 | 130.2 | 126.1 | 120.6 | 116.7 | 115.6 | 115.6 | 114.8 | 112.6 | 112.6 | 112.6 |
前年月同比[%] | 7.313 | 23.82 | 33.92 | 16.18 | 53.62 | 15.7 | 7.417 | 5.838 | 1.995 | 0 | 7.349 |
バナナの低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 和歌山 | 熊谷 | 伊丹 | 長野 | 福山 | 川口 | 西宮 | 長岡 | 東大阪 | 浜松 |
最新値[円] | 363.2 | 248 | 250 | 297 | 300 | 301 | 311 | 314 | 318 | 320 | 322 |
平均比[%] | 100 | 68.27 | 68.82 | 81.76 | 82.59 | 82.86 | 85.62 | 86.44 | 87.54 | 88.09 | 88.64 |
前年月同比[%] | 7.313 | 5.085 | -14.38 | -4.502 | 1.695 | 1.689 | 4.013 | -4.848 | -2.752 | 10.73 | 0.312 |
これまでの果物の推移


詳細なデータとグラフ
バナナの現状と今後
日本のバナナ1kgの小売価格は、2025年3月時点で平均363.2円となり、過去15年間で最も高い水準に達しています。特に福井(473円)、長崎(458円)、富山(438円)などの都市で価格が高騰し、前年同期比で福井は23.82%、長崎は33.92%、水戸は53.62%の上昇を記録しています。
長期的な価格動向と「物価の優等生」の変化
バナナは長らく「物価の優等生」として、安定した価格で提供されてきました。しかし、2024年以降、価格の上昇が顕著になり、消費者や小売業者に影響を与えています。例えば、福岡県のスイーツ店では、バナナの仕入れ価格が10kgあたり3000円から4000円に上昇し、販売価格も2倍近くに達しています。
地域別価格差とその背景
都市別に見ると、福井や長崎、富山などで価格が高く、和歌山(248円)、熊谷(250円)、伊丹(297円)などでは比較的低価格で販売されています。しかし、低価格地域でも前年比で大幅な価格上昇が見られ、和歌山は68.27%、熊谷は68.82%、伊丹は81.76%の上昇率を記録しています。
価格高騰の主な要因
フィリピンの生産環境の悪化
日本のバナナ輸入の約8割を占めるフィリピンでは、2024年に干ばつや火山噴火が発生し、バナナの生産量が減少しました。これにより、供給不足が価格上昇の一因となっています。
円安と輸送コストの増加
円安の進行により、輸入コストが増加し、さらに燃料費や肥料価格の高騰が生産コストを押し上げています。これらの要因が重なり、バナナの価格上昇を招いています。
今後の見通しと消費者への影響
バナナの価格は今後も高止まりが予想されます。生産国の気候変動や国際情勢、為替の影響など、複数の要因が絡み合っており、短期的な価格の下落は期待しにくい状況です。消費者にとっては、これまで手頃だったバナナが高級品となりつつあり、購買行動にも影響を与える可能性があります。
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