2025年最新|さつまいも価格が高騰?地域別動向と今後を徹底解説

野菜土物類



2025年4月のさつまいも1kgの平均価格は636円で前年比+3.85%。全国的に価格差が大きく、鳥取や東大阪で高騰。生産地分散と保存性の高さで価格は比較的安定。今後はブランド化や輸入品競争がカギを握る。

小売物価統計

さつまいも小売りの高い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 鳥取 伊丹 東大阪 高知 松山 山口 京都 神戸 盛岡
最新値[円] 636 881 868 866 849 824 816 805 792 787 787
前年同月比[%] +3.853 +23.04 -2.142 +25.33 +16.62 +16.22 +19.82 +11.65 +5.04 +7.514

さつまいも小売りの安い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 水戸 宇都宮 旭川 日立 青森 川崎 郡山 函館
最新値[円] 636 287 394 417 424 426 470 480 485 489 494
前年同月比[%] +3.853 +1.773 -21.62 -11.11 +9.231 -7.298 -11.44 -5.458 +5.161 +28.65

 

さつまいもの推移

さつまいも小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

さつまいもの現状と今後

2025年4月時点での日本におけるさつまいも1kgの平均小売価格は636円です。前年同月比で+3.85%と、前年からの変動幅は比較的穏やかですが、地域によって大きな差が見られます。

価格の高い地域には鳥取(881円)、伊丹(868円)、東大阪(866円)など西日本エリアが多く、高知や松山といった4国地方も含まれます。逆に、水戸(287円)、柏(394円)、宇都宮(417円)といった関東・東北エリアでは比較的安価にとどまっています。

これは、地域ごとの生産・流通環境や品種の人気、都市圏におけるプレミアム志向の強さなどが複合的に影響しているためと考えられます。


これまでの価格推移と背景

さつまいもは、他の野菜や根菜に比べて価格の変動が緩やかな傾向にあります。特に2020年代に入ってからは、じゃがいもなど他の根菜が天候や流通コストの影響で急騰する中でも、比較的価格の安定性を保ってきました

その理由として、以下のような要素が挙げられます:

  1. 比較的広い生産分布鹿児島、茨城、千葉、宮崎など多地域でさつまいもは栽培されており、北海道1極集中型のじゃがいもと比べてリスク分散がなされています。

  2. 保存性の高さ収穫後の貯蔵(キュアリング)を経て保存期間が長く、出荷時期の調整がしやすい点も価格安定に寄与しています。

  3. 加工用途の拡大とプレミアム化「焼き芋ブーム」や、紅はるか・安納芋・シルクスイートといった甘みの強い品種の人気上昇により、1定の価格帯が維持されています。


地域別の価格差の要因と注目点

価格上位地域に見られる鳥取(+23.04%)、東大阪(+25.33%)などの伸び率の高さは、消費地としての需要増、または高級品種やブランド芋の流通が影響している可能性があります。特に焼き芋としての消費が根強い都市部では、糖度の高いブランド芋が高値で販売される傾向にあります。

1方、宇都宮(-21.62%)、川崎(-11.44%)、旭川(-11.11%)などでは前年より価格が下落しています。これらの地域では、安価な輸入品や規格外品の流通、地元市場の競争激化などにより価格が下がったと見られます。


今後の価格推移の見通し

さつまいもの今後の価格動向は、以下のようなポイントに左右されます。

  1. 気候変動の影響さつまいもは高温・乾燥に強い作物ですが、極端な干ばつや豪雨には弱いため、地球温暖化が進行すれば局地的な不作のリスクが高まります。

  2. 高級品種需要の継続消費者の健康志向やスイーツ化のトレンドが継続すれば、甘みの強いさつまいもの人気は今後も続くと予測されます。この傾向は価格を1定水準以上に保つ要因となります。

  3. 輸入芋の台頭と国産品の競争力中国やフィリピンなどからの輸入冷凍焼き芋・加工用芋がスーパーや業務用に出回るようになれば、価格競争が激化する可能性もあります。特に量販店では、価格の安い外国産が選ばれる場面が増えるでしょう。


課題と対応策

  • ブランド化の推進と品質維持産地ごとのブランド戦略や品種特性の明確化が求められています。高品質さつまいもを明確に「見える化」することで、価格上昇にも消費者の納得が得られます。

  • 流通効率の改善1部地域では、地産地消を徹底することで流通コストを抑え、価格安定につなげている事例もあります。地域主導の直売所や農協の販売強化などが今後の鍵となるでしょう。

  • 次世代への栽培技術継承さつまいも農家の高齢化が進む中、若年層への技術継承・農地集約・スマート農業導入などが不可欠です。これにより安定供給が可能となり、価格変動リスクの軽減につながります。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました