もやしの小売価格が全国で上昇中|地域差と高騰の要因を徹底分析

果菜・葉物



もやしは長年安価な野菜として親しまれてきましたが、2025年3月の平均価格は196円と上昇傾向にあります。特に那覇や松江などでは300円を超える高値となっており、地域ごとの価格差が顕著です。背景には原材料費や光熱費の高騰、生産業者の減少があります。安価な地域ほど前年同期比の上昇率が高く、価格の底上げが進んでいます。今後は安定供給と価格適正化の両立が求められます。

食料品の都市別小売価格

もやしの高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 那覇 松江 山口 宮崎 佐賀 福岡 岡山 和歌山 熊本 奈良
最新値[円] 196 310 274 260 256 251 250 247 245 243 241
平均比[%] 100 158.1 139.8 132.6 130.6 128 127.5 126 125 124 122.9
前年月同比[%] 1.197 0 0 0 0 5.907 3.734 4.661 -1.606 3.846 5.702

もやしの低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 長野 新潟 秋田 盛岡 水戸 前橋 富山 山形 静岡
最新値[円] 196 108 135 146 148 149 153 155 156 161 165
平均比[%] 100 55.1 68.87 74.48 75.5 76.01 78.05 79.07 79.58 82.13 84.17
前年月同比[%] 1.197 -4.425 -8.784 0.69 0 2.055 0 0 -1.266 0 1.227

 

これまでの果菜・葉物の推移

もやしの小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

もやしの現状と今後

もやしは長年「庶民の味方」とされ、安価で手に入りやすい食材として親しまれてきました。1袋30〜50円というイメージを持つ消費者も多いですが、今回は1kgあたりの価格に注目します。

価格の長期推移

2014年から2025年にかけて、もやしの価格はじわじわと上昇傾向にあります。2025年3月の全国平均価格は196円で、かつての水準からは確実に上昇しています。


地域別の価格動向と特徴

高価格帯地域

最も高価な地域は那覇(310円)で、その他に松江(274円)、山口(260円)、宮崎(256円)など西日本や九州エリアに価格の高い傾向が見られます。これらの地域では、輸送コストや地場生産体制の不足が価格に影響を与えている可能性があります。

低価格帯地域

一方、最も安価な地域は長野(108円)で、新潟(135円)、秋田(146円)、盛岡(148円)など、北日本を中心に低価格傾向が見られます。これらは生産地との距離が近い、あるいは流通が効率化されているなどの理由が考えられます。


価格上昇の背景

生産コストの増加

近年の光熱費や人件費の上昇は、工場で栽培されるもやしの生産コストにも大きく影響しています。安価であるがゆえに利益が出にくく、価格転嫁が困難だったために、徐々に値上げが進んでいます。

原料豆の高騰

もやしの主原料である緑豆の価格が国際市場で高騰しており、これも国内価格を押し上げる一因となっています。特に中国やミャンマーからの輸入依存度が高く、為替レートの影響も大きいです。

小規模業者の撤退と供給減

価格競争が激しく利益が出ない構造の中で、もやし製造業者の廃業が続出し、結果的に供給量が減少。価格の上昇圧力がかかっています。


地域ごとの価格変動率の分析

興味深いのは、価格が「安い地域ほど前年同期比の上昇率が高い」点です。

  • 静岡(165円)→前年同期比 +84.17%

  • 山形(161円)→+82.13%

  • 津(156円)→+79.58%

これに対し、高価格帯の那覇(310円)や佐賀(251円)では、上昇率が5%前後に留まっているため、価格がすでに高止まりしている地域では上昇余地が少ないことがうかがえます。


今後の見通しと対策

安価な食材の「限界」

もやしは「最も安い野菜」の代表格でしたが、その立場が揺らいでいます。今後も安定供給のための価格適正化が必要とされるでしょう。

消費者と業界の共存

「安さ」に依存したビジネスモデルから、品質や安全性に見合った価格設定を目指す動きが出てきています。消費者ももやしの価値を再評価するタイミングかもしれません。


まとめ

もやしの価格は近年緩やかに上昇しており、特に従来安価だった地域での値上げ幅が大きくなっています。これは生産・流通の構造的な問題に起因しており、今後も安価な供給を維持するには、生産体制の見直しや消費者意識の変化が不可欠です。

 

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