日本のレタス価格推移と地域差|価格変動の背景と今後の展望を解説

果菜・葉物

2025年5月のレタス価格は全国平均363.7円/kgで、前年比-27.25%と大きく下落。一方で和歌山では1087円/kgと異常な高騰を記録。寒冷地や地方都市では500円超の都市も多い。供給過多と地域的な不作、流通構造の影響が価格差を拡大させている。

都市別のレタス1kgの相場価格

2025年6月
降順昇順
都市最新値[円]前年同月比[%]
平均331.6-10.03
1和歌山1152+33.64
2札幌444+16.84
3那覇424-25.87
4旭川420+8.247
5高松416+12.13
6佐世保415-7.982
7大分414+4.81
8広島411-5.517
9伊丹407-11.33
10佐賀401-3.606
11長崎398+6.417
12盛岡398-26.97
13松山396-3.883
14西宮385-14.25
15奈良384-4.239
16北九州381-20.95
17熊本380-9.091
18岡山373+1.913
19宇部373-10.98
20大阪371-17.74
21東大阪370-4.639
22鳥取368+5.143
23鹿児島365-12.47
24大津362-3.979
25山口359-22.8
26長岡357+8.841
27高知354-14.49
28福岡352-15.18
29宮崎349-1.412
30横浜341-13.67
31秋田338-17.56
32今治338-18.36
33青森337-6.648
34日立331-1.78
35京都328-14.81
36徳島325-13.56
37静岡324+0.935
38東京都区部321-13.94
39福井320-6.706
40姫路317-25.76
41富山313-22.14
42名古屋312-5.74
43松阪311-4.893
44仙台311-9.855
45山形310+0.649
46松江307-4.063
47神戸305-25.79
48枚方301-16.85
49301-36.5
50相模原296-9.202
51新潟295-15.47
52函館295-3.595
53川口294+4.626
54前橋294-10.09
55所沢293+1.034
56八王子289-16.95
57福山286-22.28
58宇都宮286-21.64
59豊橋285
60小山285-8.946
61立川283-3.413
62千葉282+0.356
63281-2.431
64金沢280-6.04
65八戸276-16.11
66川崎273-11.65
67岐阜272+0.741
68浜松270-18.18
69福島268-33
70浦安262-6.429
71富士257-10.45
72さいたま256-16.61
73郡山244-14.08
74藤沢237
75水戸235-36.49
76甲府233-23.61
77府中231-16
78228
79熊谷220-8.333
80松本217-15.56
81長野189-26.74
レタス1kg

詳細なデータとグラフ

レタスの小売価格の相場と推移

2025年5月のレタス1kgの全国平均価格は363.7円で、前年同月比では-27.25%の大幅な下落となっています。これは野菜全般に見られる豊作や供給過多の影響を反映しており、しかし1部都市では異常な高騰も見られます。価格の2極化が進むなか、地域ごとの需給バランスや流通コストが重要なファクターとなっています。


都市別の価格傾向

最新の高価格都市トップ10は以下のとおりです。

順位 都市名 価格(円/kg) 前年同月比
1 和歌山 1087円 +35.54%
2 盛岡 584円 -7.154%
3 旭川 554円 +0.362%
4 札幌 525円 -13.08%
5 秋田 488円 -17.71%
6 大津 480円 -21.05%
7 松山 476円 -21.32%
8 鳥取 470円 -11.32%
9 西宮 458円 -20.49%
10 奈良 448円 -18.84%

傾向分析

  • 和歌山の異常な価格高騰(+35.54%)が突出しており、天候不順や供給不足の可能性が高い。

  • 東北・北海道(盛岡・旭川・札幌・秋田)では中位に集中しており、寒冷地での輸送コストや自給率が影響。

  • その他の都市(松山・鳥取・奈良など)では全体的に価格下落傾向にあり、レタス供給の潤沢さが伺える。


これまでの推移と変動要因

レタス価格は2000年以降、年間を通じて変動が激しい野菜のひとつです。特に春と夏に供給が集中するため、端境期の価格が上昇しやすく、今回のような地域別の差が顕在化します。

  • 全体の平均価格は長期的には安定傾向だったが、近年は気候の変化により1部地域で局所的な高騰が発生。

  • 台風・大雨・霜の影響を受けやすく、収穫が遅れたり出荷量が減ったりすることで都市別の価格差が拡大。


価格高騰の原因と和歌山の事例

和歌山の価格が1087円/kgと全国平均の約3倍となった理由は、以下のような要因が想定されます。

  1. 地元生産の減少:温暖地でありながら、今年度の気候条件(高温乾燥など)が不作を招いた可能性。

  2. 需要増加:地元外への出荷が優先され、地場流通が減少した影響。

  3. 流通構造の特殊性:卸売経路や小売の構成が価格上昇を助長している可能性。


レタスの生産の特徴と需給構造

レタスは冷涼な気候を好む葉物野菜で、主産地は長野県(夏)や茨城・静岡・福岡(冬)が中心です。

生産面の特徴

  • 生育期間が短く、病害虫にも弱いため、栽培には技術と気象管理が求められる。

  • 露地栽培が主流で、気候変動の影響を受けやすく、毎年の価格安定性は低い。

流通と価格形成

  • 産地リレーが組まれているが、台風や長雨が1拠点を襲うと全国価格が影響を受けやすい。

  • スーパーや外食産業の需要が高く、需給バランスが価格に直結する傾向がある。


今後の見通しと課題

今後もレタスの価格は、気象変動リスクに大きく左右される見通しです。都市別では、地場生産が乏しい地域ほど価格変動が大きく、特に高価格地域では以下のような対策が必要です。

  • 契約栽培や産地との直接取引の強化

  • 施設栽培(ハウス・水耕)への移行

  • 輸送コストの削減とコールドチェーンの最適化

コメント

タイトルとURLをコピーしました