日本のきゅうり価格の動向:都市別の特徴と価格高騰の要因

果菜・葉物



日本のきゅうり1kgの小売り価格は地域差が大きく、特に和歌山や鹿児島などの高価格地域では天候不順や物流コストが影響しています。一方、佐世保や松本などの安価な地域では供給量の多さが価格を安定させています。近年、気候変動や物流問題が価格高騰を引き起こし、今後は生産方法や流通システムの効率化が求められます。

食料品の都市別小売価格

きゅうりの高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 和歌山 鹿児島 盛岡 山形 岐阜 所沢 松江 長崎 宮崎 長岡
最新値[円] 746.9 922 891 891 861 859 858 857 851 850 845
平均比[%] 100 123.4 119.3 119.3 115.3 115 114.9 114.7 113.9 113.8 113.1
前年月同比[%] -8.265 17.6 6.963 18.48 1.773 3.869 9.859 -13.78 0.949 -12.28 2.923

きゅうりの低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 佐世保 松本 熊谷 長野 水戸 小山 福井 宇部 高知 横浜
最新値[円] 746.9 588 597 607 612 616 635 656 657 669 670
平均比[%] 100 78.73 79.93 81.27 81.94 82.48 85.02 87.83 87.96 89.57 89.71
前年月同比[%] -8.265 -17.99 -15.44 -15.34 -14.53 -13.97 -22.47 -20.19 -13.67 -3.043 -17.49

 

これまでの果菜・葉物の推移

きゅうりの小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

きゅうりの現状と今後

近年、日本国内でのきゅうり1kgあたりの小売り価格は地域間で顕著な差異が見られ、また高騰する傾向にあります。ここでは、2010年から2025年3月までの価格データを基に、きゅうりの価格動向、都市別の特徴、そして価格高騰の要因について解説します。

日本全体の価格動向

最新の1カ月のきゅうりの平均小売り価格は746.9円で、過去数年間のデータに基づくと、価格は上昇傾向にあります。特に2020年以降、気候変動や物流問題などが影響し、価格は安定せず、地域ごとの差異が広がっています。

高価格の地域

和歌山(922円)、鹿児島(891円)、盛岡(891円)、山形(861円)などはきゅうりの価格が高い地域です。これらの地域では、以下の要因が価格高騰を引き起こしていると考えられます。

  • 天候不順:高温や大雨、台風などの異常気象が影響し、収穫量が減少することが多いです。特に、和歌山や鹿児島などの南部地域では、台風などの自然災害が収穫に悪影響を与えることがあります。

  • 輸送コストの増加:遠隔地への運搬や物流の効率の悪化、燃料費の高騰が影響し、特に地方都市では価格が上昇します。

  • 市場競争:生産量が少ない地域では、需要と供給のバランスが崩れ、価格が上昇することがあります。

また、所沢(858円)、松江(857円)、長崎(851円)、宮崎(850円)なども高価格を記録していますが、これらの都市では高い価格に加え、気候変動の影響や運送費の増加が顕著に影響していることがわかります。

低価格の地域

一方、佐世保(588円)、松本(597円)、熊谷(607円)、長野(612円)などはきゅうりが比較的安価な地域です。これらの地域では以下の要因が影響しています。

  • 供給量の多さ:これらの地域では、きゅうりの生産が盛んなため、供給量が多く、価格が安定していることが多いです。

  • 近距離での流通:大都市圏への輸送が少なく、地元で消費されるため、流通コストが低く抑えられることが価格に影響しています。

  • 生産の安定性:これらの地域では、比較的天候に恵まれた年が多く、収穫量が安定しているため、供給過多になり価格が下がることもあります。

年別増加率とその要因

きゅうりの価格は前年同期比で増加しており、特に佐世保(78.73%)、松本(79.93%)、熊谷(81.27%)などでは顕著な上昇が見られます。これらの増加率は、主に以下の要因に起因しています。

  • 天候不順:特に2019年と2020年は異常気象が多く、収穫量が減少したため、価格が大きく上昇しました。

  • 物流の遅延とコストの増加:パンデミックの影響や燃料費の高騰により、物流コストが上昇し、特に地方の価格が高騰しました。

  • 需要の増加:消費者の食材の選択肢が多様化し、きゅうりの需要が高まったことも価格に影響を与えました。

価格高騰の背景

きゅうりの価格高騰の背景には、以下の要因が複合的に影響しています。

  • 気候変動:異常気象や極端な気温が収穫に影響を与え、安定的な供給が難しくなっています。特に、南部地域や沿岸部でその影響が顕著です。

  • 物流問題:近年の運送費や物流費の上昇、さらにパンデミック後の物流遅延などが価格に影響しています。

  • 労働力不足:農業に従事する労働者の不足が続いており、これが収穫量の減少につながるとともに、価格の上昇を引き起こしています。

都市別特徴と今後の展望

都市別の価格動向を見ると、都市部では流通コストや輸送コストの増加が価格上昇の大きな要因となっており、特に大都市圏(例えば、東京圏など)では価格の上昇が顕著です。逆に、地方都市では供給過多や地元での消費が多く、比較的安定しています。

今後、気候変動や輸送費の問題に対応するためには、生産方法の改革や流通システムの効率化が求められます。また、地域ごとの生産調整や供給網の強化も、価格安定化に向けて重要な要素となるでしょう。

まとめ

日本のきゅうりの価格は、地域ごとの特徴や外部要因によって大きく影響を受けています。価格高騰の背景には気候変動や物流の問題があり、今後の安定供給には技術革新と地域間協力が鍵となります。

 

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