2025年3月時点で日本全国のもち1kgの平均価格は759.6円。山口(991円)や秋田(951円)などは他地域より2〜3割高く、品質重視や流通コストが影響。一方、鹿児島(597円)や大分(662円)は比較的安く、日常消費型で価格重視の傾向がある。地域によって価格差が大きく、背景には物流効率や購買スタイルの違いがある。今後も高止まり傾向が続く可能性がありつつも、価格安定への工夫が期待される。
食料品の都市別小売価格
もちの高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 山口 | 秋田 | 札幌 | 東京都区部 | 宇都宮 | 盛岡 | 松江 | 徳島 | 高松 | 千葉 |
最新値[円] | 759.6 | 991 | 951 | 862 | 857 | 852 | 840 | 840 | 819 | 813 | 813 |
平均比[%] | 100 | 130.5 | 125.2 | 113.5 | 112.8 | 112.2 | 110.6 | 110.6 | 107.8 | 107 | 107 |
前年月同比[%] | 3.09 | 11.22 | 35.86 | 16.02 | 5.153 | 13.15 | 9.091 | 0 | -3.191 | 0.619 | -2.635 |
もちの低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 鹿児島 | 甲府 | 大分 | 大阪 | 横浜 | 福井 | 奈良 | 青森 | 和歌山 | 大津 |
最新値[円] | 759.6 | 597 | 657 | 662 | 662 | 672 | 679 | 688 | 699 | 700 | 700 |
平均比[%] | 100 | 78.6 | 86.5 | 87.15 | 87.15 | 88.47 | 89.39 | 90.58 | 92.03 | 92.16 | 92.16 |
前年月同比[%] | 3.09 | -11.16 | 1.233 | 2.636 | 2.795 | 0 | 5.108 | 1.475 | -1.549 | 0 | 0 |
これまでの米・パンの推移


詳細なデータとグラフ
もちの現状と今後
もち(餅)は日本の伝統的な主食・嗜好品として、季節や地域を問わず日常的に消費されています。特に年末年始には需要が高まり、価格にも変動が見られます。本稿では、2010年から2025年3月までのもち1kgの小売り価格の動向、都市別の価格差、その背景となる要因や今後の見通しについて詳細に分析します。
全国平均価格の推移
データによると、2025年3月時点でのもち1kgの全国平均価格は759.6円でした。この価格は過去15年間で緩やかに上昇してきた傾向があり、主に以下の要因が関係しています:
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原材料であるもち米の価格上昇
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生産地の高齢化による供給減少
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燃料・物流費の高騰
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包装資材コストの上昇
高価格地域の特徴と背景
もちの小売価格が特に高かった地域として、山口(991円)、秋田(951円)、札幌(862円)などが挙げられます。これらの地域に共通する特徴は以下の通りです:
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地域ブランドや国産もち米を使用した高品質商品の販売が主流
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流通経路が長く物流コストが高い
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地元需要が安定しており、安売り圧力が弱い
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百貨店や高級スーパーの比率が高い
特に山口県では全国平均の130.5%と最も高く、品質重視・贈答需要の影響が大きいと考えられます。
低価格地域の特徴と背景
一方で、価格が低い地域として鹿児島(597円)、甲府(657円)、大分・大阪(662円)などがあり、これらの地域では以下のような背景が考えられます:
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地元の生産・販売によるコスト削減
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プライベートブランド商品の比率が高い
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地域的に物価水準が低く、価格競争が激しい
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スーパーやディスカウントストアでの価格設定が主導的
特に鹿児島では全国平均の78.6%にとどまり、もちが日常消費品として流通している傾向が強いです。
地域間格差の要因
もちの小売価格には明確な地域差があり、その背景には以下の要素が複雑に絡んでいます:
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原料の仕入れルートとそのコスト
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流通距離と交通網の整備状況
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地元の消費傾向(贈答用か、日常消費か)
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店舗の業態(高級志向か価格重視か)
これらの要因が都市ごとの価格形成に影響を及ぼしています。
今後の価格推移の見通し
今後のもち価格については、次のような要素がカギとなります:
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もち米の生産量と作付面積の推移(特に高齢化の影響)
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農業支援策や食料安保政策の動向
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原油価格や物流網の安定化の有無
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簡便・個食志向による包装もち製品の需要増加
これらを踏まえると、短期的には価格の高止まりが続くと予想されますが、中長期的には生産性向上や流通の効率化によって価格安定化の可能性も見込まれます。
まとめ
もち1kgの価格は地域によって大きく異なり、それぞれの地域の流通構造、消費習慣、流通業態によって価格が形成されています。今後は持続可能な農業と効率的な流通の確立が課題となり、価格の安定と品質の維持の両立が求められるでしょう。
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