包装米飯の価格推移と都市別傾向|2020年以降の高騰要因とは

米・パン

米・パン


2020年から2025年にかけて、日本の包装米飯100gの平均価格は89.51円へと上昇。高価格地域の水戸・秋田・徳島では物流コストや需要構造が影響。一方、大分や山形などの低価格地域では地産地消やPB商品の普及が影響している。近年は原材料費や包装資材、物流費の高騰、家庭内需要の拡大が価格上昇の主因であり、今後は省力化・環境対応と価格の両立が課題となる。

食料品の都市別小売価格

包装米飯の高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 水戸 秋田 徳島 宮崎 札幌 鳥取 広島 山口 奈良 鹿児島
最新値[円] 89.51 103 100 100 100 98 97 97 96 96 95
平均比[%] 100 115.1 111.7 111.7 111.7 109.5 108.4 108.4 107.2 107.2 106.1
前年月同比[%] 17.71 32.05 33.33 17.65 42.86 20.99 15.48 16.87 21.52 26.32 18.75

包装米飯の低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 大分 山形 那覇 千葉 甲府 佐賀 横浜 福井 金沢 長野
最新値[円] 89.51 69 76 80 81 83 84 84 84 84 84
平均比[%] 100 77.09 84.91 89.37 90.49 92.73 93.84 93.84 93.84 93.84 93.84
前年月同比[%] 17.71 6.154 28.81 15.94 12.5 12.16 20 23.53 20 12 1.205

 

これまでの米・パンの推移

包装米飯の小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

包装米飯の現状と今後

包装米飯とは、炊きあがったご飯を容器に詰めて密封し、加熱殺菌処理などを行って常温保存可能にした商品で、電子レンジや湯せんで手軽に食べられる利便性から、単身世帯や高齢者、災害時の備蓄食品としても需要が高まっている。

2020年以降の価格動向の概要

2020年1月から2025年3月までの包装米飯100gの全国平均価格は徐々に上昇傾向にある。最新データによると、全国平均は89.51円となっており、これは新型コロナウイルス感染症の拡大による巣ごもり需要や、物流・包装資材のコスト上昇などの影響を反映している。

価格の高い地域の特徴

  • 水戸(103円/115.1%):関東地方にありながら輸送コストや流通量の関係で価格が高め。

  • 秋田・徳島・宮崎(100円/111.7%):地域での選択肢の少なさ、物流距離、地元メーカーのブランド力などが要因。

  • 札幌(98円/109.5%):北海道内の輸送事情や需要集中による価格上昇が見られる。

  • 鳥取・広島(97円/108.4%)山口・奈良(96円/107.2%)鹿児島(95円/106.1%):西日本では地域密着型スーパーでの販売が主流で、全国チェーンとの差別化や供給制限が価格に影響。

価格の低い地域の特徴

  • 大分(69円/77.09%):全国で最も低価格。地元メーカーの競争が激しく、安価なPB商品が多く流通。

  • 山形(76円/84.91%)那覇(80円/89.37%):比較的自給率の高い地域で、地域内供給でコストが抑えられている。

  • 千葉(81円/90.49%)甲府(83円/92.73%):首都圏へのアクセスが良く、物流コストが安定。

  • 佐賀・横浜・福井・金沢・長野(84円/93.84%):複数の流通経路やPB商品の普及により、価格競争が起きている。

価格変動の背景にある要因

  1. 原材料費の上昇:国内の米価格の安定に加え、包装材(プラスチックや紙)などのコストが高騰。

  2. 物流費の増加:ドライバー不足やガソリン価格の上昇により、地方への供給コストが増加。

  3. 巣ごもり需要と災害備蓄需要の拡大:コロナ禍や自然災害の影響で、保存性の高い食品として包装米飯の需要が急増。

  4. PB(プライベートブランド)商品の台頭:大手スーパーやドラッグストアの安価なPB商品が競争を促進し、地域によっては価格を引き下げる要因に。

今後の見通しと課題

今後も包装米飯の価格は原材料や物流費の影響を受けて高止まりする可能性がある。また、SDGsや環境問題の観点から、包装資材の簡素化やリサイクル対応なども求められており、製造業者には品質と価格のバランスに加えて、持続可能性も問われるようになるだろう。

まとめ

包装米飯の価格には地域性や物流、需要構造が大きく関わっている。平均価格が上昇する中で、価格の安定と供給体制の強化、環境対応を両立することが、今後の日本の食品政策において重要な課題となる。

 

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