2025年4月時点での外壁塗装費は全国平均で1平米あたり0.828万円、前年比+6.488%と上昇傾向にあります。佐賀では3.407万円と突出しており、他にも松江や甲府で高騰が見られます。一方、岐阜や岡山などでは比較的安価に抑えられています。原材料費や人件費の上昇、地域間の施工業者数の偏りが価格差の要因です。今後も熟練職人の減少や住宅の高齢化により、価格は地域ごとにばらつきを見せながら緩やかに上昇していく見通しです。
小売物価統計
外壁塗装費小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 佐賀 | 松江 | 甲府 | 水戸 | 山形 | 那覇 | 富山 | 盛岡 | 松山 | 名古屋 |
最新値[万円] | 0.828 | 3.407 | 1.434 | 1.348 | 1.325 | 1.238 | 1.155 | 1.129 | 1.072 | 1.062 | 1.012 |
前年同月比[%] | +6.488 | +48.7 | +19.51 | +32.3 | +0.585 | +16.42 | +10.1 |
外壁塗装費小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 岐阜 | 岡山 | 福井 | 鹿児島 | 鳥取 | 広島 | 津 | 金沢 | 新潟 | 大津 |
最新値[万円] | 0.828 | 0.332 | 0.44 | 0.495 | 0.517 | 0.522 | 0.555 | 0.555 | 0.564 | 0.571 | 0.574 |
前年同月比[%] | +6.488 | +13.93 | +46.12 |
外壁塗装費の推移


詳細なデータとグラフ
外壁塗装費の住宅工事費現状と今後
2025年4月時点における外壁塗装費の全国平均は1平米あたり0.828万円(8,280円)となっています。これは、2016年からの長期トレンドで見ても徐々に上昇を続けている価格です。特に、直近1年間での上昇幅は+6.488%と比較的大きく、住宅リフォーム業界全体における価格高騰の1端を示しています。
高価格地域(1平米あたり)
-
佐賀:3.407万円(前年比+48.7%)
-
松江:1.434万円
-
甲府:1.348万円(+19.51%)
-
水戸:1.325万円(+32.3%)
-
山形:1.238万円(+0.585%)
低価格地域(1平米あたり)
-
岐阜:0.332万円
-
岡山:0.44万円
-
福井:0.495万円(+13.93%)
-
鹿児島:0.517万円
-
鳥取:0.522万円
地域によって最大で10倍以上の価格差が存在しており、これは他の住宅関連費用と比較しても極めて大きなばらつきです。
外壁塗装費が高騰する背景
原材料費の高騰
塗料にはアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などが使われますが、これらの原材料価格が世界的に高騰しています。特に石油系素材の価格は国際市況の影響を受けやすく、輸入コストの上昇が価格に反映されています。
職人の人手不足と人件費の上昇
塗装業界でも、若年層の就業離れにより熟練職人の高齢化が進行中です。その結果、施工を担う人員の確保が難しくなり、人件費が全国的に上昇傾向にあります。特に地方では若手の育成が追いつかず、外注コストが高騰しています。
地域別の施工業者の偏在
例えば佐賀や水戸など、業者数が少ない地域では競争が起きにくく、業者が提示する価格がそのまま相場となりやすい傾向があります。特に単価の上昇が急な地域では業者の寡占が進んでいる可能性も否定できません。
なぜ地域によってここまで差があるのか?
高価格地域の共通点:
-
業者の数が少ない、もしくは特定業者のシェアが高い
-
地元職人が少なく、都市部からの外注に頼る
-
高級住宅や景観地区が多く、仕上げに高品質が求められる
低価格地域の共通点:
-
施工業者が多く、価格競争が働いている
-
量産型住宅地で標準仕様の塗装が中心
-
ホームセンター系の外注施工プランが利用されている
また、低価格地域ではDIYや簡易塗装といったニーズも強く、価格よりコストパフォーマンスを重視する住民層が多い可能性があります。
今後の外壁塗装費の推移予測
今後の価格推移を考える上で重要な要素は以下の通りです:
緩やかな上昇が継続
熟練職人の減少や原材料費の不安定性を背景に、今後も年率2~5%程度の価格上昇が予想されます。特に都市部では高級志向のリフォーム需要が根強く、価格帯も上方向にシフトしていくでしょう。
安価な塗料や新素材の導入
1方で、安価で耐久性のある新しい塗料や塗装工法の普及が進めば、価格の上昇を1定程度抑制する可能性もあります。特に大手ハウスメーカーやリフォームチェーンでは、標準化された施工パッケージによって価格の安定を目指す動きも見られます。
環境配慮型施工の台頭
将来的には、VOC(揮発性有機化合物)削減などの環境規制が強化されることで、より高価なエコ塗料への切り替えが求められるかもしれません。これが実現すれば、短期的には価格の押し上げ要因になります。
消費者が気をつけるべき点
消費者が外壁塗装を検討する際に注意すべきポイントは以下の通りです:
-
複数の業者から相見積もりを取る
-
使用塗料の種類・グレード・耐用年数を確認する
-
過去の実績や口コミ評価を3照
-
助成金や補助金制度の利用有無を確認
特に高齢者世帯や空き家管理の観点から、自治体によるリフォーム補助制度が適用できるケースも多いため、施工前の情報収集が重要です。
まとめ
外壁塗装費は日本全国で価格差が大きく、原材料高、人件費、施工体制の違いによって今後も地域ごとに異なる推移をたどる見通しです。緩やかな上昇は避けがたいものの、新素材の導入や業者の合理化によって、ある程度の価格抑制も可能です。消費者は計画的なメンテナンスと情報収集を通じて、適正な価格と品質を見極める力が求められます。
コメント