植木職手間代の最新動向:地域差・高齢化と今後の価格推移予測

住宅工事費

2025年5月時点の植木職手間代の全国平均は2.382万円。京都が最も高く、仙台・東京・札幌など都市部でも高水準を維持。名古屋や静岡など中部地方では急上昇が見られ、今後は技能人材不足による価格格差の拡大が予想される。

都市別の植木職手間代1日の相場価格

2025年5月
降順昇順
都市最新値[万円]前年同月比[%]
平均2.208+1.83
1京都2.71+1.244
2仙台2.667
3富山2.64
4東京都区部2.607+0.462
5札幌2.604+1.56
6長野2.55+2.686
7大津2.533
8山形2.527+4.409
9水戸2.512+2.031
10名古屋2.483+7.191
11新潟2.471+2.732
12神戸2.464+2.637
13甲府2.457
14秋田2.434+0.967
15静岡2.393+11.15
16金沢2.392+4.214
17宇都宮2.365+14.07
18さいたま2.36+4.889
192.321+2.954
20前橋2.308-8.127
21岡山2.307+3.287
22広島2.302
23福井2.3+7.814
24福島2.266+0.488
25千葉2.25
26山口2.246+3.551
27奈良2.2+1.537
28大阪2.143
29松山2.127+9.438
30横浜2.117
31松江2.09
32岐阜2.09
33宮崎2.067
34徳島2.063+5.631
35鳥取2.038+2.027
36高松1.968+8.056
37鹿児島1.953+3.536
38和歌山1.923
39青森1.88-9.541
40大分1.867
41高知1.853+1.83
42福岡1.853+0.904
43熊本1.813
44盛岡1.808
45那覇1.587-7.927
46佐賀1.5+0.895
47長崎1.383
植木職手間代1日

システム住宅工事費家具

詳細なデータとグラフ

植木職手間代の現状と今後

2025年5月時点における植木職手間代(住宅の造園や庭木の手入れにかかる1日あたりの工賃)の全国平均は2.382万円。造園業は建築とは異なり、季節性・美観・地域の文化的背景が影響するため、地域差が色濃く出やすい分野である。


伝統文化と美意識の中心 ― 京都

京都市(2.71万円)は全国で最も高い水準を誇る。これは、枯山水・茶庭・町家の庭など伝統的な造園文化が根強く残る地域であり、熟練した技能を持つ職人の需要が高いためである。庭の美しさが住まいの価値に直結する土地柄も、手間代の高水準を維持する要因といえる。


東北の上昇都市 ― 仙台

仙台市(2.667万円)は2位に位置し、造園文化と公共空間整備の両立が伺える。寒冷地でありながらも、積雪に強い樹種の手入れや、都市緑化政策の推進によって職人の仕事が安定している。都市景観への関心の高まりも、職人の単価上昇につながっていると考えられる。


首都圏の安定相場 ― 東京都区部・さいたま

東京都区部(2.607万円)さいたま市(2.36万円)は、高い生活水準と住宅密集地ならではのニーズに支えられている。個人宅の庭園需要に加え、マンション管理や商業施設の緑地整備など法人からの需要も多い。ただし伸び率は控えめで、東京都区部は+0.462%に留まっている。


北海道の安定成長 ― 札幌

札幌市(2.604万円)は、寒冷地特有の冬期対策を施した造園技術が必要とされる都市であり、専門性の高さが評価されている。+1.56%の上昇は堅実で、職人の継続的な活動を示している。


中部~西日本の堅調な上昇 ― 名古屋・静岡・岡山

名古屋(2.483万円)静岡(2.393万円)岡山(2.307万円)では、住宅の庭付き1戸建ての多さと気候条件の安定性が植木職の需要を下支えしている。特に静岡は前年比+11.15%と急増しており、リフォーム需要や高齢者世帯の庭手入れ代行需要が増加している可能性が高い。


都市別価格の傾向と今後の見通し

全体的に、植木職手間代はゆるやかな上昇傾向にある。需要の内訳は都市化が進んだ地域ほど定期的な手入れ・景観維持を重視する傾向が強く、郊外では自宅の庭の再整備相続による管理業務の代行など新たな需要が増えている。

今後は、造園業も高齢化と職人不足の影響を受けていく可能性が高く、価格の地域格差が1層拡大することも予想される。特に技能の高いベテラン職人に対する需要は高止まりする1方で、地方では維持管理費の負担感から依頼件数が減少する懸念もある。

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