関東のメロン卸売価格動向|都市別特徴と今後の価格予測・課題解説

メロン

2025年6月の関東におけるメロン市場では、東京都の価格が555.3円/kgと高水準、横浜市も536円/kgと上昇傾向にあります。卸売数量は両都市とも前年より減少し、とくに東京は-20.69%と大幅な減少が見られます。高級メロン需要や物流費の上昇が価格高騰の要因となっており、今後も品質重視の傾向が続く見通しです。

メロンの市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1東京都555.3+10.7
2横浜市536+5.236

市場価格の推移

メロンの市場価格

関東の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]前年同月比[%]
1東京都2.868-20.69
2横浜市0.458-9.843

卸売数量の推移

メロンの卸売数量

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詳細なデータとグラフ

メロンの卸売り市場の現状と今後

関東地方は、全国でも有数の果物消費市場であり、多様な流通形態と幅広い価格帯のメロンが扱われています。2025年6月時点での市場価格は、東京都が555.3円/kg横浜市が536円/kgとなっており、いずれも前年同月比で+10.7%(東京)+5.236%(横浜)と上昇しています。卸売数量では、東京都が2.868kt、横浜市が0.458ktで、東京都は全国最大級の流通規模を誇ります。


都市別の価格と流通量の比較

  • 東京都(555.3円/kg、2.868kt)東京都は、国内最大の消費地であり、全国から多様な品種・等級のメロンが集中します。価格は関東内で最も高く、これは高品質な贈答用メロンの需要が旺盛であること、さらには高単価品種の割合が高いことが背景にあります。1方で、数量は前年同月比で-20.69%と大きく減少しており、供給量の減少や需要分散の影響が考えられます。

  • 横浜市(536円/kg、0.458kt)横浜市も関東圏の大規模市場として知られます。東京都に次ぐ流通量を誇りますが、価格はやや低く、中価格帯の商品が主力。贈答用と日常消費の両方に対応する市場構造です。数量の減少(-9.843%)は東京都ほどではなく、比較的安定した供給が続いていると言えます。


これまでの価格と数量の推移

2010年代以降、メロンの価格は緩やかに上昇傾向にありましたが、特に2020年代に入ってからは、燃料・肥料・人件費の高騰などの要因により、加速度的に価格が上昇しています。東京都では贈答シーズンの前後で価格が変動しやすく、卸売数量は年々減少傾向が強まっており、需給バランスの見直しが進んでいます。


価格上昇の背景要因

  • 高級メロンの比率増加:クラウンメロンやアールスメロンなど、1玉数千円〜数万円の高級品が関東市場で多く扱われており、これが平均価格を押し上げています。

  • 天候不順による作柄不安定:近年の異常気象や干ばつ・集中豪雨などにより、全国的に収量が不安定であり、安定供給が難しくなっています。

  • 輸送費と資材費の高騰:物流費の上昇により、生産地から都市部への流通コストが上昇。これが価格転嫁の1因となっています。


メロン生産の国内動向と今後の見通し

メロンは、静岡、茨城、北海道、熊本などが主要産地ですが、高齢化や担い手不足により生産面積は年々減少。品質重視の少量生産へのシフトが進む1方、海外からの輸入品との価格競争も進行しています。今後は高付加価値路線がより強まり、都市部では贈答用・プレミアム品の流通が中心になる見通しです。

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