中国・四国地方のみかん果実価格は都市間で大きな差があり、高松市や広島市では高値で推移する一方、徳島市や下関市では低価格が続いています。前月比で見ると多くの都市で価格上昇が見られ、特に宇部市や岡山市の伸びが顕著です。背景には生産者の減少や流通体制の違い、気候変動などがあり、今後も価格は上昇傾向が続く可能性があります。地域に応じた対策や流通改革が重要です。
みかんのデータとグラフ
みかんの高い順
高松市 | 広島市 | 高知市 | 松山市 | 宇部市 | 岡山市 | |
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最新 | 2025年3月 | 2025年3月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 |
最大期 | 2016年4月 | 2024年4月 | 2023年4月 | 2016年4月 | 2019年4月 | 2019年4月 |
最新値[円/kg] | 443.7 | 428.5 | 337 | 314 | 310 | 287 |
最大値[円/kg] | 1686 | 1764 | 2075 | 1980 | 2480 | 1616 |
前月比[%] | 3.741 | -9.662 | 3.374 | 7.167 | 12.32 | 10.38 |
みかんの安い順
松山市 | 高松市 | 徳島市 | 下関市 | 福山市 | 鳥取市 | |
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最新 | 2023年12月 | 2025年3月 | 2023年12月 | 2011年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 |
最大期 | 2016年4月 | 2016年4月 | 2023年5月 | 2009年4月 | 2015年5月 | 2015年5月 |
最新値[円/kg] | 314 | 443.7 | 202 | 177 | 220 | 227 |
最大値[円/kg] | 1980 | 1686 | 1426 | 1885 | 1216 | 1450 |
前月比[%] | 7.167 | 3.741 | 2.538 | 14.19 | -4.348 | 11.27 |

みかんの推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
みかんの価格についての推移と展望
中国・四国地方は、日本有数のみかんの生産地であり、特に愛媛県や和歌山県は全国的にも知名度が高い産地です。一方で、同じ地域内でも果実価格には大きなばらつきがあり、都市ごとに需要・流通・供給環境の違いが反映されています。
最新価格と都市別の状況
主な都市の最新価格(2025年3月時点):
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高松市:443.7円/kg
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広島市:428.5円/kg
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高知市:337円/kg
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松山市:314円/kg
-
宇部市:310円/kg
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岡山市:287円/kg
価格の低い都市(同時点):
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下関市:177円/kg
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徳島市:202円/kg
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福山市:220円/kg
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鳥取市:227円/kg
価格の格差は倍以上に及び、都市の規模や地理的条件だけでなく、供給体制や流通コスト、需要層の違いも影響していると考えられます。
前月比から見る短期的な動き
前月比での変動率を見ると:
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宇部市:+12.32%
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岡山市:+10.38%
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松山市:+7.167%
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下関市:+14.19%
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鳥取市:+11.27%
このように、多くの都市で大幅な価格上昇が見られます。これは、春先に向けてみかんの出荷量が減少する時期であること、気候変動の影響などによって供給が絞られたことが要因と推察されます。
一方で、広島市(-9.662%)や福山市(-4.348%)では下落が見られ、都市間の価格傾向にばらつきがある点が特徴的です。
地域別の価格の特色
愛媛・高知・香川など四国の都市:
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高松市(443.7円/kg)が中国・四国地域で最も高く、香川県内での流通経路の整備や品質志向の消費者層が背景と見られます。
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高知市(337円/kg)や松山市(314円/kg)も比較的高めですが、産地価格に近いため安定性があります。
山口・鳥取など山陰・山陽地域:
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下関市(177円/kg)や徳島市(202円/kg)のように、地方中小都市では安価に推移しています。
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これは価格競争の激化、購買力の低下、あるいは他の果実との競合が原因であると考えられます。
これまでの傾向と最近の問題
過去の特徴(2008年以降):
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価格は全国的に見ると安定しているが、中国・四国地域では地域間格差が拡大傾向。
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地方の小都市では価格が抑えられる一方、都市部や観光地では高止まり傾向。
最近の課題:
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生産農家の高齢化と後継者不足:供給量減少による価格の変動リスクが高まっています。
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輸送・燃料コストの上昇:地方間での価格差に拍車。
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天候不順:霜害や干ばつにより、年によって大きな収穫変動が生じています。
今後の展望と予測
今後の価格推移の見通しとしては:
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高松市・広島市など、流通・販売インフラが整った都市では価格の高止まり傾向が継続。
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地方中小都市(徳島・下関・福山など)では、需給バランスに応じて価格変動が激しくなる可能性。
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生産者減少・気候変動による供給の不安定化が続けば、2025年度後半には全体的な価格上昇圧力が強まることが想定されます。
まとめと政策的提言
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中国・四国地方では、都市ごとの流通環境と市場規模の違いが価格差に強く反映されている。
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農業支援(後継者育成、スマート農業の導入)や地域ごとの需要開拓が急務。
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今後の価格安定には、ローカルな販売戦略や直販ルートの強化が鍵を握る。
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