北海道・東北地方の梨卸売価格は秋田市や青森市で高めに推移する一方、札幌市や盛岡市では低価格傾向が見られます。前月比では秋田市が大幅上昇するなど地域間で価格変動に差があり、気象条件や物流コストが影響。今後はブランド強化や技術導入で価格安定が期待される一方、気候変動対応やインフラ整備が課題です。
梨の卸売り市場価格
梨の高い順
秋田市 | 青森市 | 八戸市 | 旭川市 | 札幌市 | 盛岡市 | いわき市 | 函館市 | 山形市 | 室蘭市 | |
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最新 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2025年1月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2016年12月 | 2021年11月 | 2011年12月 |
最大期 | 2020年6月 | 2011年6月 | 2018年6月 | 2017年6月 | 2021年6月 | 2014年6月 | 2011年6月 | 2012年6月 | 2018年6月 | 2011年6月 |
最新値[円/kg] | 721 | 646 | 540 | 483 | 480 | 399 | 394 | 393 | 362 | 355 |
最大値[円/kg] | 1998 | 2573 | 4680 | 885 | 2916 | 1571 | 1384 | 1059 | 1512 | 1482 |
前月比[%] | +69.25 | +10.62 | +31.07 | -2.424 | +1.803 | -18.57 | -11.66 | +17.31 | -1.362 | +25.44 |
前年同月比[%] | +30.62 | +36.58 | +30.75 | +0.8351 | -13.04 | +14.66 | +11.61 | +30.56 | +46.56 | +6.287 |
梨の推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
梨の価格についての推移と展望
北海道・東北地方は寒冷な気候条件のため、梨の生産量は本州中部以南の主要産地に比べて少なく、流通量も限られています。そのため卸売価格は全国平均と比べてやや低めに推移する傾向があります。しかし、近年は品質向上や地域ブランド化の取り組みが進み、一定の価格維持が見られます。都市別には秋田市や青森市が比較的高価格で推移しているのが特徴です。
最近の価格動向と主な課題
2025年4月のデータによると、秋田市(721円/kg)や青森市(646円/kg)で価格が高めに推移していますが、札幌市(480円/kg)や盛岡市(399円/kg)などでは比較的低い水準となっています。前月比で秋田市が+69.25%、八戸市が+31.07%と大幅な上昇を示す一方、盛岡市は-18.57%、いわき市は-11.66%と下落しており、地域や市場ごとに価格変動の幅が大きいことが課題です。気象条件の影響や収穫量の変動、物流コストの地域差が価格変動に影響しています。
地域別価格の特色と背景
秋田市や青森市の価格が高めなのは、地域内の消費需要が安定していることや、地元産梨のブランド価値向上の成果と考えられます。対して盛岡市やいわき市では出荷量増加や他地域からの流入梨との競合が激しく、価格が抑えられる傾向があります。北海道の都市では、物流コストが価格に反映されやすく、旭川市や札幌市で低めの価格となっていますが、室蘭市のように価格上昇が見られる市場もあります。
今後の価格推移の展望と期待
今後は地域農業のブランド強化やスマート農業技術の導入が、品質向上と生産効率化に寄与する見込みです。また、消費者の地産地消志向の高まりにより、地域内市場の安定化が期待されます。ただし、気候変動による収穫不安定や輸送網の維持は依然課題であり、これらに対応するためのインフラ整備や市場連携の強化が重要となります。地域差を踏まえた価格形成の透明性向上も求められます。
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