九州の果物価格動向:福岡下落、宮崎・熊本で大幅上昇

果実計

2025年6月時点の九州地方では、福岡市が果実流通量で地域をリードしつつも価格は420.7円/kgと全国平均を下回る。北九州市も流通拡大が進む一方、沖縄県では高価格ながら流通量が大きく減少。天候不順や物流制約が価格と数量に影響を与えており、今後は安定供給体制とブランド果実の強化が鍵となる。

果実計の市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1沖縄県481.7-7.371
2福岡市420.7-1.713
3北九州市407.3-4.829

市場価格の推移

果実計の市場価格

九州の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]前年同月比[%]
1福岡市5.804+2.399
2北九州市2.512+7.95
3沖縄県0.493-16.86

卸売数量の推移

果実計の卸売数量

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詳細なデータとグラフ

果実計の卸売り市場の現状と今後

2025年6月時点で、9州の主要都市における果実計の市場価格は以下の通りです:

  • 沖縄県:481.7円/kg(前年比 -7.371%)

  • 福岡市:420.7円/kg(前年比 -1.713%)

  • 北9州市:407.3円/kg(前年比 -4.829%)

これらはいずれも全国平均(521.7円/kg)を下回る水準であり、とくに福岡市と北9州市は価格が比較的安定的な中低水準にあります。1方、沖縄県では価格自体は高めですが、前年比で大きく下落しており、需給バランスの変化や出荷減が影響していると見られます。


卸売数量の動向と地域間の比較

卸売数量では以下のとおりです:

  • 福岡市:5.804kt(前年比 +2.399%)

  • 北9州市:2.512kt(前年比 +7.95%)

  • 沖縄県:0.493kt(前年比 -16.86%)

福岡市は9州最大の流通量を誇り、安定した出荷基盤を持っています。北9州市も着実に出荷量を増加させており、地場産の活用や流通の効率化が進んでいると考えられます。1方、沖縄県は前年より大きく数量を減らしており、気象要因や物流環境の変化、生産体制の問題などが推察されます。


都市別の市場構造と特徴

  • 福岡市 9州最大の果物集積市場で、宮崎・熊本・大分などの生産地から多様な果実が集まる拠点。流通規模が大きいため、価格は比較的安定しやすく、中価格帯の果実が中心。量販店・業務用ルートとの連携も強固。

  • 北9州市 福岡県第2の流通拠点として、福岡市との住み分けが進み、近年では地元向けの中小ロット流通が活発。出荷量は年々増加しており、小規模生産者や農業法人の出荷先としての役割を強化している。

  • 沖縄県 気候を活かした南国系果実(マンゴー、パイナップル、シークヮーサー等)に特化した市場。単価は高めで推移しやすいが、輸送コストが高く、消費地までの距離が価格と数量に大きく影響する。2025年は台風や干ばつの影響も1因と考えられる。


価格変動の背景と高騰・下落要因

価格変動の要因としては以下のものが考えられます:

  1. 異常気象と収量の不安定化 2025年は沖縄での干ばつや台風被害、9州本土での高温による品質劣化などが見られたと考えられ、結果として数量の減少や価格変動につながった。

  2. 輸送・物流コストの上昇 特に沖縄は船便中心の物流に依存しており、燃料費の高騰が価格に転嫁されにくい構造がある。9州本土では陸路物流の強化により安定感がある。

  3. 需要構造の変化 都市部での果物離れや、単身世帯向けの小ロット需要が増える1方で、贈答用高級果実の需要が沖縄などで1時的に落ち込んだ可能性も。


果実生産の地域性と今後の展望

9州は全国でも有数の果物産地であり、以下のような果実が代表的です:

  • 熊本:すいか、メロン、晩白柚など

  • 宮崎:マンゴー、日向夏

  • 大分・佐賀:梨、ぶどう

  • 沖縄:パイナップル、マンゴー、シークヮーサー

こうした地場果実の強みを持ちながらも、近年は担い手不足、価格の乱高下、気象リスクといった課題が浮上しています。今後は以下の施策が求められます:

  • ICT活用による収量予測・品質管理の高度化

  • 地場品種のブランド強化と輸出強化

  • 市場外流通(直販・通販)とのバランス調整

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